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頭を抱える主義主張

こんばんは。

大学院の課題も、98%終えることができていて、ちょっとホッとしています。


やっと書ける喜びは、まるでお預けを食らっていたワンちゃんみたいなものです。

てことで、趣味と生きがいのこの小説はまだまだ続きます。


長編です。読む順番は、後書に書いています。


        ※


「やっとリンフィーナが、私に身体を差し出した」

 小躍りしそうな勢いで、小さな、崩壊寸前の宿屋のドアを蹴破り、朝の挨拶をしたのはソフィアだった。

「おはよう。ということでおまえたち、わたしに従え」


 上背の高い男2人が揃って、ギョッとしてソフィアを凝視し、顔を見合わせている。体格のいい方がヨースケ・ワギで枯れ木のような方はリトウ・モリだ。

「ワギとモリ、とるに足らない存在のおまえたちの名を、覚えてやった」

 あごを上げ、勝ち誇った顔でソフィアは言った。


「そ、そそ、ソフィアさんがついに、リンフィーナさんを……!」

「だから昨日、俺たちも一緒にいた方がいいって言っただろう? あのぼんやりした皇女、ヤられたんだよ」


 何その反応は。

『やられていませんよー! 貸しているだけです』


 リンフィーナは2人に伝えようとしたが、その言葉はソフィアに届くだけで、ソフィアはまったく通訳するつもりはないらしい。ソフィアに黙殺されたリンフィーナの意思表示は、2人には届くことはないようだ。


「まだ生きている可能性もありますよね?」

『生きてるってば。ただ今、身体を貸しているだけです』

 聞こえないことはわかっている。呟くだけ虚しかった。


「パスタが食べたい。モリ、作ってくれ」

『この大喰らい!!』

 ソフィアと共存し始めて、リンフィーナは恐ろしい量の食物を食べた。よく自分の胃袋にその量が受け付けられるものだと思うけれど、ソフィアの強大な魔力はかなりエネルギーを要するらしく、すぐにお腹が減っているし、太ることもない。リンフィーナも自分のお腹が鳴る音を聞いて、ううっと唸る。


「はいはい、作ってさしあげますよ。ですが一つ質問していいですか?」

「なんだ?」

「リンフィーナさん、消滅してませんよね?」

 ソフィアはピクッと片眉を上げた。


「消滅させてなどいない。それはサナレスとの約束だ」

 サナレスには嫌われたくない。

 ソフィアが飲み込んだ言葉に、リンフィーナは安堵の息をつく。普通なら恋敵になるので面白くはないのだが、ソフィアのサナレスへの好意で、今の自分の命は首の皮一枚で繋がっている。


「食べたらどうするんですか?」

 リトウ・モリは破顔して、ソフィアに対して質問した。


「わたしは龍を探している」

「バカかおまえ、龍なんているか」

 ヨースケ・ワギは、手際よくパスタに絡めるソースを作りつつ、呆れた顔でこちらを見てくる。

『わたしだって!』

 にわかには信じられない、とリンフィーナは思ったけれど、昨夜ソフィアの口から聞いたことは、歴史書と合致していた。


「いくらこの世界が異世界ーー、いえファンタジーの世界だとしても、龍なんて流石に」

 そう言いかけたリトウ・モリは、ぽんと手を打った。

「あ、恐竜ならいるかもしれませんね、飛ぶタイプの。僕は百年間、こっちの世界で見たことはありませんが」

 勝手に納得している。


「バカバカしい。おとぎ話だろ? おまえにしたら珍しく現実的じゃないな」

「いえ。こっちの世界の文献に、かつて飛ぶ恐竜らしきものを龍と称して、記しているものを読みました。恐竜がいても不思議ではないと思います。ーー見たことはないので、僕は見てみたいです」

 リトウ・モリの言葉を聞いて、ソフィアは少し嬉しそうに笑う。


「見つけたら、紹介してやろう。わたしの親だ」

 ソフィアが言って、テーブルの上にパスタが並ぶなり、彼女はそれを頬張り始めた。


「やっぱこいつ頭イッてるだろ? 恐竜が親だってさ」

「インプリンティングって言葉もあるから。生まれたての雛鳥は、初めて目に入れたものを親だって思ってしまう前例もあるよ。ソフィアさんが生まれたのは1000年前。彼女は龍を見たのかもしれない」

 リトウ・モリとヨースケ・ワギはボソボソと会話しているが、ソフィアの意識は、すでに目の前のパスタに向いている。リンフィーナとしては、リトウに理解があって良かったと心の底から手を合わした。


 神対応のリトウ・モリは、さらにソフィアに話しかけた。

「食事中ごめんね」

 気遣いも、神だ。

「あのさ、それでソフィアさんはその親である龍を探して、どうするつもりなの?」

 ソフィアは食べながら顔を上げ、リトウを見た。


「モリ、おまえは生きているか死んでいるか、わからないんだ。おまえは自分の親が生きているか死んでいるか長年消息不明だったら、探すのに意味なんて考えるのか?」

 ソフィアからの向き付けな質問に、リトウはわずかに目を細め、沈黙した。


「そっか。ーーそれは、会いたいよね」

 リトウは少し寂しげだ。会話を続けたのはヨースケだった。

「こっちの世界でも、この時代で龍なんて出たら騒動だな。まぁ、火を吹く龍が出たとかなんとか、デマらしき情報は耳に入っているけど」

 ヨースケ・ワギに、リンフィーナは『デマじゃないよ、襲われたから』と言いたかったけれど、ソフィアはヨースケに反応することよりも食い気が勝っている。


「探したいなら、僕たちも協力するよ」

「おいっ! 正気か?」

「うん。ーーでもさ、会えて目的を果たせたら、あるいは気が済むまで探して会えなかったら、サナレス殿下のところに戻らない?」


 リトウからの提案に、ソフィアはあっさり承諾した。

「もともと、そうするつもりだ。あいつが龍かもしれない」


 ソフィアの発した言葉には、リンフィーナを含め、リトウとヨースケは同時に額に手をやった。



偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「異世界で勝ち組になる取説」

「戻った場所は、異世界か故郷」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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