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魔女の目的が交渉材料

こんばんは。

異世界転生、逆転生、色々あってのファンタジーです。

完全オリジナルを書くのが趣味です。


長編ですが後書きにいつも読む順番を載せています。

       ※


 故郷を離れ、大好きなサナレスやアセスが居ない未開の地で殺されたら、自分の魂は浮かばれない。きっと、ずっと浮かばれない!

 リンフィーナは思った。

 そして千年前、魔女として十字架で火炙りの刑に処せられたソフィアの無念は、おそらくは自分の比ではないぐらいのものだったと想像できて、なぜか悲しくなる。


 結局、ソフィアも自分の人生も、ロクでもない災厄に見舞われているのだろうか。リンフィーナだって弱気になる時もある。


「私が魔女になって、とんでもないことをしでかした時は、喜んで命を差し出しますから、まだ殺さないでいてほしい!」


 お願い。

 命乞いという懇願は、あまりにも屈辱的だった。

 だから頭は下げず、一歩も引かず、リンフィーナはじぃっと相手を睨みつけた。


 かつて火刑に処されながらも、世界を呪うことでプライドを保ったソフィアの記憶が、なぜか今、まるで自分の記憶のようにリンフィーナの中に深く入っていた。


「おそらく魔女ソフィアが、ソフィア・レニス崩壊を招き、ラン・シールド一族を海中深く沈めたという歴史は、単なる伝承で、真実ではありません!」

 ウィンジンの冷たい眼差しの上で、わずかに彼の片眉が動く。

 それを見過ごすリンフィーナではなかった。


「もし魔女ソフィアが、ラン・シールド一族を地中深く沈めた疫病神であれば、あなたに殺されても仕方がないですけれど。そうでないからこそ、この世においてラン・シールド一族を海底よりお救いしたのだと思います」

 間髪入れず、言葉を繰り出す。


「ーー確かに我が一族は、リンフィーナ、そなたに借りがある。けれどサナレスの保護下にいないそなたは、いつ魔女に変わるかもしれない」

「変わらない!」

 逆に自分が殺されれば、ソフィアはその土塊となった屍で、蘇ってしまうかもしれない。


「ーー私が生きている限り、好きにはさせません! ですから対話を」

 リンフィーナは胸の前で祈るようにぎゅっと握り拳を作った。


「それにソフィアーー、魔女と言われる彼女は、おそらくは今何らかの目的を持って動いています」

 ウィンジンの瞳がわずかに細められ、攻撃しようとしていた手が、心なしか少し下がっており、聞く耳を持ってくれているように感じられる。


「ソフィアは、どうやらサナレスを気に入っているようなんです」

 あまり口に出したくはないことだったが、ウインジンを説得するためだ。


「それはーー知っている」

 あっさりウィンジンが首肯して、リンフィーナは肩を落とす。


 なんでウィンジンが知っているのか。

 自分の意識のないところで、ソフィアとサナレスの仲はどうなっているのか。

 深く考えると気分がどす黒くモヤモヤするけれど、今はそんなこと考えている場合ではない。命が風前の灯だ。


「そんな、彼女が大好きなサナレスの側を離れてまで、何かをしなければならないと思い、こちらに足を向けたように思います」


 ウィンジンからスッと殺意が消える。

「魔女の目的は?」

 問われた時、リンフィーナは自らの話術にしてやったりと拍手した。


偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「異世界で勝ち組になる取説」

「戻った場所は、異世界か故郷」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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