表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/85

食べれる時に食べておけ

最近、反応なしとか読まれていないこととか、ちょっと気になる。

広報活動、まるで出来ていない。

書きたいから書いているだけ。

書くのがただ趣味なので。


人の作品も読まない。

これはコミュ力の低下かもしれない。

       ※


 屈託なく食事を頬張るソフィアの発言は、ちゃんとした言葉にならない。食べ物を咀嚼しながら行儀が悪い。リトウとワギに聞こえていたのかどうか定かではなかった。


 それなのにリトウとワギは顔を見合わせ、互いに不思議な表情をしていた。いや、ソフィアに2人の表情をおもんばかる能力はなく、不思議としか思えなかった。

 ポカンと口を開け、無表情で互いを見つめ合う。


 どんな関係性だと思わずにはいられなかった。

 敵ならば睨み合う、そしり合う。ソフィアにとっては当然のことを、彼ら2人はしていない。いや、かつてはどうだったのかしれないが、今は一緒に調理場に立って、共同作業で料理を作り、顔を見合わせたかと思うと同時に語ったことは同じだった。


「僕達は敵じゃない」

「敵になったことなんてない」


 ソフィアは首を傾げた。

「2人とも、そんなに相手を否定しているのに?」


 また2人は束の間黙って、なぜだか懐かしそうな顔をして破顔した。

「資本主義の世界じゃ、意見が違っても敵じゃない」


「おまえ、未だに歴史が好きなんだな。資本主義なんて言葉懐かしい、こっちの世界にはありゃしねーよ」


 2人を見てソフィアは、ふんと鼻を鳴らした。人間同士、勝手に争って、その後わかり合うなんて光景は、ソフィアにとってはありふれていて滑稽だった。人間はいつもつまらないことで諍いを起こすものだ。ソフィアは魔女として忌み嫌われたから20年も生きず(殺され)、1000年眠るハメになった。今更人間の習性に興味はなかった。


 気色の悪い複雑な表情の真相を読むのほど、疲れるものはないのだった。

「なんでもいい。お前達は食べないのか? 悪くないぞ」

 衣食住、それがソフィアが重要視する全てだった。そのうちの衣服について言うなら、ソフィアにとっては正直隠れてさえいればいいと思うけれどーー。

「そんなことを言えば、サナレスが怒るかもな……」

 ぶつぶつ呟いた。


「食べますよ。サナレスがどうしたんですか?」

 リトウとワギは、ビーフなんとかの料理の皿を持ってきて食卓についた。ワギは酒の瓶を数本と大きさの違うグラスをいくつか並べて、悦に入っている。


「今はサナレスのことをどうこう話している場合ではないな。お前達、どちらも精霊を使役しないーーいや術師ではないらしい」

「それは、そうですね」

「私はここに何の結界も張っていない」

 ワギが酒の入ったグラスを傾け、視線を剣呑にするのを横目にした。


「結界を張らなければいけない事態だって?」

 木を繋ぎ合わせた重たげなテーブルが、ワギがグラスと共に置いた手元で、がたんと振動する。


「たぶん囲まれてるよ。だから早く食べたら?」

 それを言うと、リトウはスプーンを置いてすくっと立ち上がった。緊張しているようだ。


 ワギは、酒を煽るスピードを上げる。

「だから、エネルギー補給。ちゃんと食べなって言っている」

 所詮こいつらも飢えを知らないのだと思って、ソフィアは吐息をついた。食料というのは食べられるときに食べなければ、いつ無くなるのかなどわからないというのに。


「それとな」

 ソフィアはすうっと息を吸った。

「私も食べたらどうでも良くなってきたんで、寝る」

 やはりリンフィーナ、彼女の意識がソフィアの意識を乗っ取ってくる。自分の傀儡だけれども、リンフィーナがいる限り長く意識を占有できないことを口にせず、ソフィアはもう一度だけ言って置いた。


「結界を張っていない。あと数刻。だから食べておけ」

「何が起こるっていうの!? ソフィアさん!!」


偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「異世界で勝ち組になる取説」

「戻った場所は、異世界か故郷」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ