食べれる時に食べておけ
最近、反応なしとか読まれていないこととか、ちょっと気になる。
広報活動、まるで出来ていない。
書きたいから書いているだけ。
書くのがただ趣味なので。
人の作品も読まない。
これはコミュ力の低下かもしれない。
※
屈託なく食事を頬張るソフィアの発言は、ちゃんとした言葉にならない。食べ物を咀嚼しながら行儀が悪い。リトウとワギに聞こえていたのかどうか定かではなかった。
それなのにリトウとワギは顔を見合わせ、互いに不思議な表情をしていた。いや、ソフィアに2人の表情をおもんばかる能力はなく、不思議としか思えなかった。
ポカンと口を開け、無表情で互いを見つめ合う。
どんな関係性だと思わずにはいられなかった。
敵ならば睨み合う、そしり合う。ソフィアにとっては当然のことを、彼ら2人はしていない。いや、かつてはどうだったのかしれないが、今は一緒に調理場に立って、共同作業で料理を作り、顔を見合わせたかと思うと同時に語ったことは同じだった。
「僕達は敵じゃない」
「敵になったことなんてない」
ソフィアは首を傾げた。
「2人とも、そんなに相手を否定しているのに?」
また2人は束の間黙って、なぜだか懐かしそうな顔をして破顔した。
「資本主義の世界じゃ、意見が違っても敵じゃない」
「おまえ、未だに歴史が好きなんだな。資本主義なんて言葉懐かしい、こっちの世界にはありゃしねーよ」
2人を見てソフィアは、ふんと鼻を鳴らした。人間同士、勝手に争って、その後わかり合うなんて光景は、ソフィアにとってはありふれていて滑稽だった。人間はいつもつまらないことで諍いを起こすものだ。ソフィアは魔女として忌み嫌われたから20年も生きず(殺され)、1000年眠るハメになった。今更人間の習性に興味はなかった。
気色の悪い複雑な表情の真相を読むのほど、疲れるものはないのだった。
「なんでもいい。お前達は食べないのか? 悪くないぞ」
衣食住、それがソフィアが重要視する全てだった。そのうちの衣服について言うなら、ソフィアにとっては正直隠れてさえいればいいと思うけれどーー。
「そんなことを言えば、サナレスが怒るかもな……」
ぶつぶつ呟いた。
「食べますよ。サナレスがどうしたんですか?」
リトウとワギは、ビーフなんとかの料理の皿を持ってきて食卓についた。ワギは酒の瓶を数本と大きさの違うグラスをいくつか並べて、悦に入っている。
「今はサナレスのことをどうこう話している場合ではないな。お前達、どちらも精霊を使役しないーーいや術師ではないらしい」
「それは、そうですね」
「私はここに何の結界も張っていない」
ワギが酒の入ったグラスを傾け、視線を剣呑にするのを横目にした。
「結界を張らなければいけない事態だって?」
木を繋ぎ合わせた重たげなテーブルが、ワギがグラスと共に置いた手元で、がたんと振動する。
「たぶん囲まれてるよ。だから早く食べたら?」
それを言うと、リトウはスプーンを置いてすくっと立ち上がった。緊張しているようだ。
ワギは、酒を煽るスピードを上げる。
「だから、エネルギー補給。ちゃんと食べなって言っている」
所詮こいつらも飢えを知らないのだと思って、ソフィアは吐息をついた。食料というのは食べられるときに食べなければ、いつ無くなるのかなどわからないというのに。
「それとな」
ソフィアはすうっと息を吸った。
「私も食べたらどうでも良くなってきたんで、寝る」
やはりリンフィーナ、彼女の意識がソフィアの意識を乗っ取ってくる。自分の傀儡だけれども、リンフィーナがいる限り長く意識を占有できないことを口にせず、ソフィアはもう一度だけ言って置いた。
「結界を張っていない。あと数刻。だから食べておけ」
「何が起こるっていうの!? ソフィアさん!!」
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
「異世界で勝ち組になる取説」
「戻った場所は、異世界か故郷」
シリーズの9作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー