生きるためならなんでもする
人間達が居住できる宇宙のゆりかご「コロニー」が何らかの理由で決まった時間で損壊される。という話を私達数人は聞いて、逃走と回避策を計画してました。
私はそれまでに映画館で映画を見ていて、仲間は直前まで奮闘していて、理由を特定できないままあと1時間に迫った時。
突然メディアが緊急速報を流れて「コロニーの損壊が始まりました。隣のコロニーに直ちに避難してください!」と。
しかしコロニーの総責任者であり艦長でもある人は、情報を流してもいないし、ギリギリまで粘ってた。
隣のコロニーに急いで連絡とるも、そのコロニーと連絡が取れない。
コロニーの移動管理の一任を受けているマザー(AI)に問うと、マザーもパニックになっていた。
コロニー内は騒然となって皆がパニックになり隣へと避難しようとするも、艦長自らが真っ先に小型宇宙船に乗って、隣まで行こうとすると――。
隣はこっちへ逃げようとしていて、どちらのコロニーもパニック状態である事を理解した。
関係者各位と緊急会議をするも――。
「連絡が遅すぎる!」
「いまさらやった所で意味ないだろ!」
そんな罵倒ばかりで話にならず、皆が逃げることが頭にしかなかった。
向こうのコロニーも同じ状況だと何度も叫んだ。
なのに話が通じない。
会議は無意味に過ぎて、副艦長も仲間であるが解散すべきと主張した。
艦長、副艦長も共に私の仲間。
映画が終わってコロニーが騒然となっているので、全速力で走って合流して話を聞くと、まるで映画と全くおなじ展開となっていた。
その事も伝えて結論から話すと、2人は口を揃えて言った。
「「そんな事ありえない」」
けれど、私達はなにもできない。
なら私達ができる事はただひとつ。
計画してた避難方法の第二候補を選んで実行する事しかない。
宇宙船全てを利用してコロニー居住者を全員乗せ、このコロニーに移住する前にいた惑星に救難信号を送り、救出大型船を呼ぶ事。
けれど問題なのは、隣のコロニーがこっちへ来ようとしている事だ。
しかもこのままではコロニーがぶつかりあって損壊どころでは済まなくなり、衝突爆発事故を起こして、救出を待つまで猶予もなくなる。
私はひとりその事を懸念に抱いて、皆が避難するなか、私は軍事船に乗り込んだ。
艦長、副艦長は状況説明をし、隣のコロニーにも伝えて、お互いのコロニーに避難するのではなく宇宙に留まれと、放送をし続けた。
私は絶対に爆発事故を起こさせたくない一心で、外側からマザーの心臓へとアクセスする。
マザーによるルート変更は変更権を持つ管理職でないと出来ない。
だから艦長と副艦長はその権限がないため、呼びかけしかする事ができない。
私が知る方法はただひとつだけ。
マザーを停止して、マザーの心臓がある部屋には操縦席があるとかないとか、都市伝説を信じて突撃した。
私は軍人でもあり、もちろん権限なんてない。
だから反逆行為で、決して許される行為でもない。
が。
突撃してあり得ない事がわかった。
マザーが破壊されていて、モンスター(人間タイプ)が操縦していた。
モンスターがコロニーにいる事はこれまでかつてないし、ましてや宇宙で遭遇する事など決してない。
けれど辻褄があう。
隣のコロニーもモンスターが乗っ取っている事が理解できて、私は怒りが爆発して真っ先にモンスターを対峙する事にした。
モンスターの言い分など言語道断。
聞く耳を持たず秒で殲滅しようとして、最後に残した言葉は「アイツに頼まれただけで――」の言葉を最後に残していた。
急いで操縦しようとすると、隣のコロニーに乗っているモンスターが話しかけてきた。
最後の晩餐楽しもうぜ。と。
冗談じゃない。
人間では使用不可能に近いと言われる瞬間移動能力を、私はモンスターを生で食べて体得して、すぐに隣に移動して、そのモンスターを倒した。
モンスターを生で食べる行為は、自らがモンスターになってしまう行為でもある。
軍人にとって最終手段でもある。
もとのコロニーに戻ってすぐにコロニーを引き離そうとすると、艦長から連絡が来る。
「私達がなんとかするからあなたは逃げて!」と。
私は笑いながら話した。
「それはムリだ。あと数時間でモンスターになる。さよならを言うのは俺の台詞だよ」
「なっっ……!」
「コロニーは宇宙離脱後からモンスターに操られていたし、マザーは破壊されていた。私を理由にして、二人は逃げてくれ」
「バカな事を言うな!そんな事など、ありえない!じゃあ誰がこんな事を!?」と副艦長が叫ぶ。
「いま議論してる場合じゃない!!!私の意識があるうちに頼むから逃げてくれ!!!」
その後、どうなるかなんて知った事じゃない。
私の運命はここで終わりだ。
でもこれでいい。
全員が救われるなら、私の命など微々たるもんだろ。
私は後でここに乗り込んでくるだろう人間に遺言を残す事にした。
「目の前にいるモンスターはかつて人間であった私です。煮るなり焼くなり好きにしてください。
だけどひとつだけ言葉を残したい。
皆が生きるには、この方法しかなかった。
禁忌の方法を使い、私はモンスターとなって、重罰・瞬間移動を使いました。
だから、死刑をも受ける覚悟でいます。
あと、生き残った人達がいたらこの言葉を伝えてください。
「最後まで諦めず生きていてください」 」
「さぁて、と。最後のミッションやりますか!」
実はちょっとした仮眠で見た夢が、ほとんど同じ内容で起きた時には心底安心しました。
仮眠にしてはスケールのでかすぎる夢で、出来過ぎているので短編小説として残す事にしました。
おおまかなストーリー展開は夢のありのままの流れですが、会話や小設定は書きながら付け足していきました。