【第5話】姫野雷人の過去
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
「 」人の言葉
( )心の声
『 』魔の言葉
《 》念話
であらわしております。
「姫野。今回の任務は令嬢のシャーロイ様が魔になったという噂が本当かどうかを確かめに行く。」
映像の中の長屋綾人は映像の中の姫野雷人に言う。
(この任務って、六年前の……この三年後には綾人さんが魔になってしまう……。)
現実の姫野雷人は心の中で思う。
「綾人さん。もし、お嬢様が魔になっていたらどうしますか?」
映像の中の姫野雷人は映像の中の長屋綾人に言う。
「迷わず、祓う。けど、神からの依頼は噂が本当かどうかだ。……まぁ、令嬢と話ができるなら、祓わずに済むけどな……。」
映像の中の長屋綾人は映像の中の姫野雷人に言う。
霧で人も背景も全て消え、また新たな映像が流れる。
二人はシャーロイ・アイリー令嬢のお屋敷の中にいる。シャーロイ・アイリーの執事は二十歳代ぐらいの青年、レオン・アーシャが目の前に立っている。シャーロイ・アイリーの姿はどこにもなかったが、シャーロイ・アイリーは少し遅れて階段を上品に降りる。
「長屋綾人様。姫野雷人様。ご機嫌よ。」
映像の中のシャーロイ・アイリーは映像の中の長屋綾人と映像の中の姫野雷人に挨拶をして、映像の中のシャーロイ・アイリーはソファーに座る。
「レオン。席を外してくれ。」
映像の中のシャーロイ・アイリーは映像の中のレオン・アーシャに言う。
「しかし、シャーロイ様。」
映像の中のレオン・アーシャは映像の中のシャーロイ・アイリーを心配をする。
「レオン、大丈夫。お二人は私に用があるのです。」
映像の中のシャーロイ・アイリーは映像の中のレオン・アーシャに言う。
「はい。かしこまりました。」
映像の中のレオン・アーシャは映像の中のシャーロイ・アイリーに言う。
映像の中のレオン・アーシャは部屋を出ていく。映像の中のシャーロイ・アイリーは映像の中のレオン・アーシャが部屋を出たことを確認する。
「綾人様と雷人様は、妾に用があってきたのじゃな?」
急に映像の中のシャーロイ・アイリーの雰囲気が変わる。
「お前、魔なのか?」
映像の中の長屋綾人は身構え、刀を抜こうとする。
「魔なのじゃが、シャーロイの身代わりになっている。」
映像の中の長屋綾人は映像の中のシャーロイ・アイリーの言葉を聞き、刀を掴んだ手を離す。
「どういうことだ?」
映像の中の長屋綾人は映像の中のシャーロイ・アイリーに言う。
「シャーロイは人間の、初めての友だった……。本物は何年か前に病気で亡くなっている。あやつは妾に願いを託したんじゃ。」
映像の中のシャーロイ・アイリーは立ち上がり、窓の外を眺めて言う。
「その願いはなんだ?」
映像の中の姫野雷人は気になり、映像の中のシャーロイ・アイリーに聞く。
「私まで居なくなったら、執事のレオンが一人ぼっちになっちゃうから、あなたにこの体をあげる。って……。お人好しにも程があるじゃな。」
映像の中のシャーロイ・アイリーは窓の外を眺めて言う。
「………魔は基本的に人の願いを聞かない……。これは俺が、俺たちが経験したことだ。あなたの人生がシャーロイ様に奪われているって言ったら…どう答える?」
映像の中の姫野雷人は映像の中のシャーロイ・アイリーに質問をする。
「妾はあやつを心から愛してしまったからなぁ。あやつに人生が奪われているか……。そうじゃな。」
映像の中のシャーロイ・アイリーは窓の外を眺めて言う。
「……それはとても楽しくて退屈しない人生になりそうね。」
映像の中のシャーロイ・アイリーは振り返り、長屋綾人と姫野雷人にお嬢様らしくない満面の笑顔で笑う。
霧で人も背景も全て消え、真っ暗になる。
突然シャーロイ・アイリーが現れる。
「姫野雷人。そこで見ているのではなく、長屋綾人を止めて。長屋綾人は妾を祓わなかった……。とても優しい人だ。だからこそ、妾からの長屋綾人に対する、そして姫野雷人に対する最初で最後の願いなんじゃ。」
シャーロイ・アイリーは現実の、今の姫野雷人に言う。
「………………………。」
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