【第3話】姫野雷人、不知火景、夜宵紅乃
「 」人の言葉
( )心の声
『 』魔の言葉
《 》念話
であらわしております。
「さて、案内するか!」
姫野雷人は夜宵紅乃と不知火景に言う。
「ちょっと待て、雷人。」
九弦冬馬が姫野雷人を止める。
《〜〜〜〜〜〜〜》
九弦冬馬は念話で何か話をしている。
「神からの依頼だ。姫野雷人、不知火景、新人の夜宵紅乃と共に急いで桜宮林に行き、魔を祓ってこい、だとよ。」
九弦冬馬は姫野雷人、不知火景、夜宵紅乃に言う。
「はぁ〜、、分かった。紅乃。あそこの更衣室で着替えてこい。ただし、五分で着替えろ。それ以上は待たない。」
姫野雷人は夜宵紅乃に言う。
「はい。」
夜宵紅乃は更衣室に行き、急いで着替える。
姫野雷人と不知火景は九弦冬馬から任務内容を聞く。
「任務内容はなんだ?」
不知火景は九弦冬馬に聞く。
「あぁ、桜宮林に魔が襲ってきているらしいんだ。その魔を倒すことと村人の安否確認をすることが任務内容になっている。」
「桜宮林って………。」
姫野雷人が考え込む。
「何かあったのか?」
九弦冬馬は姫野雷人に聞く。
「あぁ、昔、任務で行った所だ。まだ綾人さんが生きていた頃。そして、綾人さんが魔になった場所でもある。」
姫野雷人は長屋綾人が魔になる時のことを思い出している。
「魔に飲み込まれるな!綾人さん!」
姫野雷人は必死に長屋綾人に呼びかける。
「う''っ、く''るじい…助けて''…う''っ、あ"ー!!!!」
長屋綾人は苦しみながら叫び、人間ではない形になってしまった長屋綾人の姿がある。魔になった長屋綾人がムチのようなもので地面を叩く。
「雷人、急に黙り込んで大丈夫か?」
不知火景は姫野雷人が急に黙り込んだのを気にする。
「あっ?あぁ、大丈夫だ。」
姫野雷人は長屋綾人が魔になったことを思い出している。
「……綾人先輩はまだ捕まっていないのか?」
不知火景は姫野雷人に質問をする。
「あぁ、捕まえることも、祓うことはできなかった……。」
姫野雷人は後悔をする。
「もしかしたら、魔になった綾人先輩が暴れている……ってことか。」
不知火景はもしものことを考え言う。
「その可能性は高いな……。雷人、本当に大丈夫か?他のやつをこの任務にあてるか?」
九弦冬馬は姫野雷人を心配する。
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。気を引き締めて行くよ。」
姫野雷人は大丈夫だと言い聞かせる。
「………お待たせしました。」
夜宵紅乃は九弦冬馬、姫野雷人、不知火景の元に駆け寄る。
「五分丁度か……。冬馬、念話よろしく。」
姫野雷人は時計を見て、九弦冬馬に言う。
「冬馬、転移魔法よろ。」
不知火景は九弦冬馬に言う。
「はぁ、二人は知ってるから良いけど。新入りがいるから一から説明をする。これから言うことはオレから注意点とお願いだ。」
九弦冬馬は姫野雷人、不知火景、夜宵紅乃に何か書いてある紙札を渡す。
「九弦冬馬さん、これはなんですか?」
夜宵紅乃は初めて紙札を見て、驚く。
「オレの紙札の効果は三人同時に紙を握りしめることで発動する。同じことを三人が言えば良い。転移できるのは二回まで。オレが一級転移魔法師だったら、そんな制限もないから楽なんだけどな。」
九弦冬馬は簡単に紙札についての説明をする。
「そうだよー。冬馬も一級転移魔法師になれば良いじゃーん。」
不知火景は軽い気持ちで言う。
「景もその試験に落ちたんだし、そう簡単に言うなよ。……そろそろ行った方がいいぞ。」
九弦冬馬は不知火景が試験で落ちたことを言い、桜宮林に行った方がいいと言う。
「それもそうだな。せーの!」
姫野雷人、不知火景、夜宵紅乃は同時に紙札を握りしめて、言う。
「「「桜宮林へ……。」」」
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