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なろうラジオ大賞4応募作品

影山さんのポーカーフェイスを崩したい!

作者: 夕日色の鳥
掲載日:2022/12/04

「なろうラジオ大賞4」応募作品です。

現代恋愛。ラブコメっぽいかもです。


「か、影山さん! 俺と付き合ってください!」


「ごめんなさい」


「ぐはぁっ!」




 それは、もはや放課後の恒例行事となっていた。


 高校生にもなるとどいつもこいつも惚れた腫れたと言い出して、そこここでカップルが生まれたりしている。

 年頃だ。恋のひとつぐらいするだろう。


 俺はそんな奴らをどこか冷めた目で見ていた。

 それはなぜか。

 それは、俺の恋はきっと実ることがないからだ。




「影山さん! わいと付き合ってほしいどす!」


「ごめんなさい」


「ごわすー!」


 今日もまた誰かが玉砕した。



 才色兼備。

 清廉潔白。

 天衣無縫。

 いやマジ天使。


 彼女を形容する言葉は枚挙にいとまがない。


 黒髪ストレート。色素の薄い大きな瞳。

 スレンダーながらも出るところはそれなりに出ている鬼のスタイル。

 おまけに頭めっちゃいい。

 そしてポーカーフェイス。


 話し掛ければわりと普通に話す。

 けっこう気さくな方なんだと思う。

 でも、その表情が変わっているのを見たことがない。


「……山田くん。これ」


「え!? あ、ああ。うん」


 日直の日誌を渡されただけなのに謎の動揺を見せる俺。

 おいおい。間近で見たらマジで美少女だな。直視できんわ小生。





「か、影山さん! お、俺と付き合ってください!」


「……」


 これは俺の告白。

 悪友に唆されて、気付いたら放課後の教室に二人きりにさせられていた。


「……山田くん。私のこと好きなの?」


「はい! 大好きです!」


 夕日に染まる教室も、俺の顔面も真っ赤。


「……いいよ」


「ですよねー……うぶふぇっ!?」


 変な声でた。


「な、なんで?」


 顔を上げると、いつも通りポーカーフェイスな影山さん。うん。お美しい。


「……この前、川で溺れそうになってた猫助けてたでしょ。ずぶ濡れになって」


「あ、うん」


「……あと、迷子を交番まで送り届けて、お母さんが来るまで一緒にいてあげてたよね。家近いから。山田くんのそういうの、よく見る」


「あ、はは。なんか、放っとけないんだよね。損な性格でさ」


「……そういうとこだぞ」


「え?」


「なんでもない!」


 くるりと背を向け、教室のドアに向かう影山さん。

 その耳が真っ赤な気がするのは夕日のせいだろうか。


「……付き合うなら、一緒に帰ろ」


 そう言って、背を向けながら右手を少しだけこちらに差し出す影山さん。


「ぐはかわっ! ……う、うん!」


 俺は変な叫び声を上げてからドアに走った。


 夕焼けに照らされて、手を繋ぐ二人の影が廊下に伸びる。


 いつか、影山さんのポーカーフェイスを崩してみたいものだ。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 君になら崩せる……!応援したくなるふたりを拝読できて嬉しかったです!ありがとうございました!! あらすじに惹かれて拝読しました! とっても面白かったです!!
[良い点] 青春って感じがします!素敵な感じです。 [一言] 読ませて頂き有難うございました。
[一言] ( ´・ω・)⊃ご祝儀
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