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さよなら人生。  作者: 水乃戸あみ
23/25

全年齢版(本番はフォルダの中)

「話していて楽しいことは認める」

「お」

「一緒にいたら楽しいだろうなってこともまあ理解る」

「おお!」

「触れてドキドキしたことは事実だ」

「へへへ」

「好きっちゃ好きだ」

「あんまり嬉しくない答え!」

 登志子が仰け反っていた。

 ガワタ捨てて魂だけになって本質が出てきたのだとしても、登志子って最早性格変わってない? 大丈夫?

「いや、だってな? 逆の立場になって考えてみろ? 想像してみ? 好きだと言い合い触れ合う度に罪悪感が首をもたげるんだぞ? 感情がブレーキ掛けるのも致し方ないと思わないか?」

「ああ~」

 想像を巡らせているのか登志子は曖昧な半笑いを浮かべ頬をかいた。

 事実。罪滅ぼしみたいな気分で抱き合うのも俺が辛い。

「ふふ」

「?」

 登志子が悪戯めいた瞳をした。そのまま近くまで寄って来る。下から覗き込まれる。

「じゃあ、試してみますか?」

「お、おい」

「ん――」

 登志子の顔が近づいて来る。何か言おうにも俺は応えられず、そのまま唇と唇が触れ合った。

「ちゅ……。ぴちゅ。ん」

「んくっ」

「ちゅく。ちゅ……どうです? わたしに対して罪悪感はありますか? ブレーキは掛かりそうですか?」

「ブ、ブレーキは」

 掛からなかった。





「はあ。はあ」

 同時に息を付いた俺たちはお互いが至ったのだと知った。目と目で通じ合う。手と手で通じ合う。触れ合い解け合い一つになる。

 まるで魂まで溶け合ったように感じたのは決して錯覚ではあるまい。

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