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回想
『皆さん明日は待ちに待った校外学習の日です。今回行く水族館はあの有名な人魚伝説が残る地だそうですよ』
『先生』
『はい、何でしょう海原君』
『人魚は、います』
ざわざわし出す教室内。好奇心、憐れみの目。
『おい嘘吐くなよ波音』
『先生、海原君嘘吐いてまーす』
混乱する生徒達。困り顔の担任の教師。
(嘘なんか吐いてない。本当の事なのに──)
爺ちゃんは言った。自身が人魚であることは言ってはならないと。それを破れば恐ろしいことになると。
(でも──)
『うそ、じゃない……』
膝小僧を握りしめ声を上げようとしたその時。
『なーみとっ』
突如響いたこの空気に似つかわしくない、明るい声。
『なあなあ、遊ぼうぜ!』




