1/6
異形と人
異形──。
それは人ならざる者。
その怪しい出で立ちから度々人々に恐れられたりする。
化け物、妖怪、鬼、獣人──等々。彼らを表す言葉はごまんとある。
そんな彼らと人が共存して暮らすとある町での奇妙な恋の形の話。
『……男人魚の肉は食っても不老不死にならない。残念だったな』
『先輩、その姿まさか…………人魚?』
『お前を食ってやるっ』
『波音、俺はね──』
『約束しよう。俺はお前を絶対にひとりにしないと』
『……誰がお前なんかに飼われてやるもんか』
『……傍にいてもいいかな』
──分かってるよ。種族の違う貴方にこの想いが届かないことは。それでも──