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ざまぁされたならばざまぁ仕返すまで。~ロベリアの美しき復讐~

作者: 春野 涙

何かをされたら仕返すまで。それが私、ロベリア・チューベローズのやり方だ。


「ロベリア・チューベローズ公爵令嬢。君をアイビー・アガパンサス男爵令嬢の殺害を企てた罪で国外追放にする!君が元婚約者ということでアイビーが国外追放と罪を軽くしてくれたんだ!アイビーに感謝するんだな!」

元婚約者が私を学園の卒業パーティーで断罪しようとしている。それも冤罪で。

「ロベリアをとらえろ!」

「少々、良いですか?」

「あ?今更、やっていないとでも言うか?」

内心の怒りを抑えながら私は平然を装う。


「この度、わたくし、ロベリア・チューベローズは国外追放されましたが、その前に元婚約者である第二王子のアスチルベ・イキシア殿下に慰謝料を求めます。」

「はっ!今更何を言うかと思ったら戯れ言を。」

「イベリス様、こちらへお願いできますか?」

「はい。」

イベリス様はアイビーという女の元婚約者だ。私はこの人とある『契約』をかわしている。だからこの人に裏切られることはない。

「…そいつは誰だ?」

「アイビー様の元婚約者様です。」

「アイビー、婚約者がいたのか?」

「はい。でも、その方とはもう、婚約破棄してますよぉ?」

「アスチルベ殿下、アイビー様との関係を聞いてもよろしいですか?」

「恋人だ。」

「それはいつからですか?」

「ちょうど3ヶ月前だ。」

「私が婚約破棄されたのは2か月前。イベリス様、婚約破棄はいつされましたか?」

「ちょうど三週間前です。」

「これがどういうことか、わかりますよね?」

周りがざわつきはじめる。

「どういうだ?」

この馬鹿は何を言っているのだろうか。私は頭を抱え込む。


「ずいぶん、面白そうなことやってるね。」

第一王子であるフリーレン・イキシア殿下がコツコツとこちらへ歩いて来る。綺麗な雪のような白髪と桔梗色の瞳はやはり会場にいる全ての人達の目をひきよせる。

「フリーレン殿下。」

「兄上!これは!」

「ここからは僕が仕切らせてもらおうか。会場にいる方々を困惑させてしまっているからね。異論はないね、チューベローズ公爵令嬢?」

「…はい。」


「まず、イキシア男爵令嬢とアスチルベが互いに婚約者がいる身で交際していた、と。それで慰謝料要求したい、ということだね?」

「はい。」

「証拠は?」

「はい、ここに。」

私はフリーレン殿下に先程のアスチルベ殿下の発言を音声記録装置に記録しておいたものを渡した。

「ひ、卑怯だ!さっきの俺の言葉を記録するなんて!公爵令嬢のやることに思えない!」

「僕は発言を許した覚えはないよ、アスチルベ。ではアスチルベはチューベローズ公爵令嬢に慰謝料、5000ヘキシを払うこと。チューベローズ公爵令嬢、何か付け足したいことはあるかい?」

「私の国外追放も取り消してほしいですね。私が殺害を企てたという証拠なんてありませんから。」

「そう。じゃあ、アスチルベ、証拠はあるのかな?」

「アイビーがそう言っているのだからそうに決まっている。」

王の側室である母に甘やかされ、生きてきた第二王子は教養なんてない。だからこそ「アイビー」という毒花にまんまと騙されたのだろう。


「それは証言であって証拠じゃない。だからチューベローズ嬢の国外追放は無効だよ。」

「そんな…!」

「チューベローズ嬢にはもう少し話を聞きたいから来てくれるかな?」

「はい、わかりました。」


私とフリーレン殿下は共に応対室に向かった。

「それにしても君は相変わらずだね。」

「何がですか?」

「とぼけないでよ。君は半年前からこの展開を読んで対策をとるためにわざと婚約破棄の報告を出すタイミングをイベリスと契約をかわし遅らせことで婚約破棄を正式にした日を遅らせた。そして君も遅らせ、僕と契約をかわし、第三者の僕が仕切ることで皆に不信感を与えさせないようにした。」

やはりこの男は侮れない。

「はぁ…あたりです。」

「やっぱり。君はとんだ悪女だね。」

「悪女の計画にのった男はどこの誰ですか?」

「面白そうだったからね。」

「でも…さすがに5000ヘキシは盛りすぎでは?屋敷2個分は買えますよ?」

「君が僕と婚約するための準備金だよ。」

「…は?」

「これ見て。」

目の前には王家とチューベローズ家のサインが入った婚約状があった。

「第二王子に婚約破棄された女が第一王子と婚約するなんて王家の見聞がわるくなりますよ!?」

「君なら第一王子の初恋の人が第二王子に奪われ、第一王子が二人の婚約破棄を策略し、初恋の人と婚約したという夢物語に書き換えられるんじゃないか?」

「はぁ…わかりましたよ。」

「どうやら僕の婚約者は策士のようだ。」

「えぇ、そうですね。されたら仕返すが私のモットーなので。」


私が微笑むと私の婚約者は何故か顔を赤くしていた。


短編を書いたのは初めてですが、短編も短くまとめるのが大変でした(^_^;)


でも、ざまぁ系は書いてて楽しいですo(^-^)o


【追加】

第一王太子→第一王子

第二王太子→第二王子

第一王太子殿下→フリーレン殿下

に修正しました。

意味を間違え、書いていました。

皆様に間違った文章を届ける形となってしまい、申し訳ありませんでしたm(__)m

意味を指摘してくださった方、心から感謝をします。ありがとうございました!

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