理由 (1)
1975年十二月十一日、
三億円事件が時効を迎えると、
幾人かの人が、警察に自首したそうだ。
でも、
『真犯人しか知らない事実』を言えなくて、
全員、偽物認定されてしまったらしい。
『なろう』で『真犯人と名乗った人物』は、
その事を知っていたから、
『真犯人しか知らない事実』に拘ったんだろうけど。
そもそもさぁ、
三億円事件は被害者がいるのだから、
名乗り出るのなら、先ず、銀行に謝罪すべきだろ?
警察へ自首するのは、
司法関係者に反省をアピールする行為であって、
時効後には、何の意味も無いんだよ。
それをさぁ。
『なろう』で発表するとか、最低だろ?
誰も信用するワケないよな。
まぁ、間違いなく、本物だったら、
事件後にしゃしゃり出て来ただけの警察には向かわずに、
被害者の銀行に名乗り出て、
謝罪し、
示談金を提示しただろう。
その示談金を提示するメリットだが、
1 金額を自由に決められる。
盗まれたお金は約三億円。
それに時効までの法定金利を加えただけで、
四億円を超えてしまう。
これを銀行側から請求されてしまうと、
いくら大量の現金を抱え込んだ真犯人でも、
流石に、返済能力は無い。
でも、
真犯人側から示談を提示する場合には、
真犯人の懐事情を考慮に入れて可い。
しかも、
銀行は、
保険金で損失補填をされているから、
かなりの少額でも、示談が成立するのでは?
話はズレるが、
この保険金の御蔭で、
ボーナス支給日の翌日の十二月十一日には、
東○の労働者全員に、ボーナスが配られたらしい。
えっ?!
早過ぎるだろ?
銀行が、
保険金の支払いを申請して、
保険会社が、
調査して、
決定して、
お金が下りて。
ここまでは、非常事態だから、
特別にスピード処理されたとしても?
その後、
三億円もの大金を、
給料として配れる様に、
当時使われていた百円札や五百円札等にまで、
現金化しなければならない。
もちろん、硬貨にも。
そりゃ、銀行だから、
取り付け騒ぎが起きない様に、
一万円札等の高額紙幣が、
見せ金として、各支店に大量に準備されていて、
非常事態を名目に、それを使えたのかも知れないが?
でも、
袋詰め作業と、その後の確認作業が。
これらも、非常事態だから、
多少雑でも、苦情が来ない?
ただ、不思議なのは、
三億円事件後の対応がパーフェクトなのに、
事件前の銀行側の対策が杜撰過ぎる事だ。
爆破予告事件で、
既に非常事態だったはずだが。
この異常な早さが、
『ジェラルミンケースの中身は空だったのでは?』説の根拠になっている。
話を戻すと。
示談を申し込まれた銀行側は、それを叩いて出るのは難しいだろう。
なにしろ、
国民的スーパースターの三億円事件の真犯人の申し出だから、
強欲な姿勢を見せれば、
大顰蹙を買ってしまう。
保険金で損失補填を受けた立場なのだから、
あくまでも謙虚に。