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S少年の謎 (3)

 『大日本国防軍』の『総長の弟』と対峙した時、

実は、

初対面だった。

それどころか、

永い人生の中で、この人に会ったのは、この時だけ。


 徹底的に馬鹿馬鹿しいだろ?


 見ず知らずの他人同士が、闘うなんて!


 そして、

『総長の弟』は、

一番最初に、こう言った。


 「お前の【BACK】は誰だ?」


 【BACK】とは?


 後ろ盾の事。


 戦後の日本は、

GHQを【BACK】とした人達が牛耳っていた。

アメリカの経済力と軍事力を【BACK】に、

やりたい放題やっていた。

その名残りで、

昔の不良連中も、後ろ盾の事を【BACK】と呼ぶ。


 話はズレるが、

第二次世界大戦は、

結果論から判断すると、


 (アメリカ無双を望んだ勢力が引き起こした)


 と、

考えられる。

日本の場合、

それが露骨で、意図的に負けたのだろう。


 『日本をアメリカに売り渡した連中が、

美味しい思いをする』


 それが、現実の世の中だ。


 話を戻すと。


 『総長の弟』が、

【BACK】の【情報】に拘るのは、

自然な流れである。

だって、

その人自身が【BACK】として、

全く無関係な私の前に現れたのだから。

私も、

会った事が無いのに、

(その人が『大日本国防軍』の『総長の弟』である)と、

判っていた。


 実際の喧嘩は、

漫画やアニメと違って、

主に情報勝負の人脈戦なのだ。

『個人の武力が高ければ勝てる』という物では、無い。


 選挙に似ているだろ?


 ついでに、

喫茶店で三人組に追いかけられた時、

しゃしゃり出て来たクラスメートは、

一番最初に、こう言った。


 「『Oさん』知ってる?」


 『Oさん』とは、

『大日本国防軍』とは別の暴走族で、

当時、売り出していた人だ。


 話は、また、ズレるが。


 『Oさん』の弟とは、

保育園から小学校一年生まで、

同じクラスだった。

それぞれ別の中学へ入学したが、

行動パターンが似ているらしく、

高一の時に、

お互い一人で街中をフラフラしていたら、

再会した。

無免許運転の時も、

家庭裁判所で、

偶然、会った。

奴も逮捕されていた。


 話を戻すと。


 もし? 仮に?

『S少年の存在が【作り話】では無かった』としたら、

警察は、

S少年が所属していたとされる『立川グループ』の【BACK】を、

血眼になって捜したはずだ。

どう考えても、

盗まれた三億円は、

その【BACK】に流れたのだから。

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