其の三十 曹操三度笑う
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「その頃、曹操は北を指して敗走しておりました。周りには少ないお供しかおりません。数々の将軍たちはどうなってしまったのか? その消息すらも掴めませんでした」
(`・ω・´) 曹操
「うははははははは!」
( ̄ー ̄ )賈詡
「どうしました? 余りの惨敗に気がおかしくなりましたか?」
(`・ω・´) 曹操
「いやいや、周瑜や諸葛亮が知恵者だなんてとんでもないデマだ。見てみろこの地形。この曹操ならッ! ここに一隊を配置しておくな。そうしたら全滅させられるだろう。先ほどの赤壁の大戦の勝利は偶然の勝利と見た!」
( ̄ー ̄ )賈詡
「なぁるほどぉ! さすが曹操さまだ!」
(´∀`*)趙雲
「あ。曹操さン見つけた! さぁ、みんな! 討ち取っちゃおう!」
(`・ω・´) 曹操
「ちょちょちょ、趙雲だと! 激ヤバゾーン突入!」
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「曹操は、馬にしがみついて無我夢中で逃げました。後ろも振り返らずに駆けたので味方がどうなったかも分かりません。気付くと集落にたどり着きました。曹操は兵士に命じて押し込み強盗を働き、食糧を集め、また逃げました。途中、晩秋の雨に祟られ疲労の極限……。疲れた兵士に食事をとらせようと、先ほど強奪した食糧を煮炊き始めました」
(`・ω・´) 曹操
「プッ。ケタケタケタケタ!」
( ̄ー ̄ )賈詡
「激ヤバゾーンの最中に何を笑ってられるんです?」
(`・ω・´) 曹操
「いやぁ。やっぱり周瑜も諸葛亮もマヌケ揃い。ボクたちがこうして休んでる間に急襲すれば、戦意もなく討ち取られるばかりだ。ちいとばかし知恵が足りないよ。所詮田舎者の集まりだ」
( ̄∇ ̄メ )張飛
「田舎者の燕人張益徳参上なのだ。大人しく斬られるべし」
(`・ω・´) 曹操
「ゲッ! 張飛だと!?」
( ̄ー ̄ )賈詡
「激ヤバゾーン継続!」
(`・ω・´) 曹操
「継続されちゃたまらん!」
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「諸葛亮はあらゆる場所に伏兵をおいておりました。曹操は驚いて逃げ出します。残された兵士はことごとく張飛によって討ち取られました」
(`・ω・´) 曹操
「はぁはぁ。ここまで逃げれば安全だ」
( ̄ー ̄ )賈詡
「いよいよゾーンを抜けましたかね?」
(`・ω・´) 曹操
「プス! プスプスプスプス……」
( ̄ー ̄ )賈詡
「今度は何が面白いんで……?」
(`・ω・´) 曹操
「いやぁ。呉に周瑜あり、劉備に諸葛亮ありと言われるが、どれもこれも小粒だ。この地形を見ろ。ここに兵を配置されていればもう逃げ場はない。やつらにはその備えがない。ざまぁみろだ。ボクは戦には負けたが、ボクさえ残っていれば何度でも立ち上がれるッ!」
( ̄ー ̄ )賈詡
「ごもっとも」
(`・ω・´) ( ̄ー ̄ )
「ははははははははは」
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「その時、ジャーンジャーンと銅鑼の音が響きました」
( ̄▲ ̄ )関羽
「これはこれは曹操どの。我が軍師の命によってここに兵を配置しておりました。大人しく御首を置いていかれませ」
( ̄ー ̄ )兵士
「か、か、関羽だ……」
(`・ω・´) 曹操
「げぇ! 関羽! ……こ、こうなったら最後の一戦だ!」
( ̄ー ̄ )賈詡
「お待ち下さい殿。兵士にもう戦意はありません。関羽は義理に熱い男。都で恩をかけたことを質に、関羽に命乞いをしてみてくださいませ」
(`・ω・´) 曹操
「そ、そうだな。 や、やぁ。関羽」
( ̄▲ ̄ )関羽
「昔語りをしたいところではございますが、本日は主命。お覚悟を」
(`・ω・´) 曹操
「まぁ、そういうな。実は命乞いだ。昔かけた恩を思い出して欲しい」
( ̄▲ ̄ )関羽
「そ、それは……」
(`・ω・´) 曹操
「頼む。キミが今、劉備の元にいれるのは、あの時ボクが黙って行かせてやったことも一つだと思い出して欲しいんだ」
┏(o・v・o)┛
「関羽はクルリと後ろを向きました。曹操はその間に荊州を目指して走りました。こうして、曹操は九死に一生を得たのでした。曹操は曹仁に南城を。夏侯惇に襄陽城を。張遼に合肥城を任せて都に帰りました。その頃関羽は……」
( ̄∇ ̄メ )張飛
「お! 兄貴が帰って来た。もちろん関羽の兄貴が曹操を討ち取ったんだよな?」
( ̄▲ ̄ )関羽
「それがなぁ、張飛」
(uωu)諸葛亮
「関羽どの。私の言った通りでしたでしょう。さぁ曹操の首をこちらへ」
( ̄▲ ̄ )関羽
「いえ、それが……」
(uωu)諸葛亮
「ん? 曹操は逃げてこなかったのですか?」
( ̄▲ ̄ )関羽
「逃げて来ました」
(uωu)諸葛亮
「しかし、曹操を討ち取れなかったと」
( ̄▲ ̄ )関羽
「はい」
(uωu)諸葛亮
「なるほど。では関羽どのは軍法に照らして死刑です」
( ̄∇ ̄ )劉備
「ちょ! 軍師どの! 関羽。たまたまだよな? 今回はたまたまだったんだよな?」
( ̄▲ ̄ )関羽
「はい……」
( ̄∇ ̄ )劉備
「聞いての通りです。どうか許してやって下され」
(uωu)諸葛亮
「我が君がそう言われるのなら……」
┏(o・v・o)┛
「関羽を逃がし、劉備は諸葛亮と二人きりになりました」
( ̄∇ ̄ )劉備
「あの〜。関羽は曹操に昔恩を受けているのを知ってて最後に配置したんだよね?」
(uωu)諸葛亮
「その通りです。占ってみると曹操の命運はまだ尽きておりませんので」
( ̄∇ ̄ )劉備
「それで味方を死刑にするのはあんまりじゃない?」
(uωu)諸葛亮
「ええ、ですが我が君が止めました。我が君が止めなかったら張飛が……趙雲が……陳震が止めたかもしれません。軍律がちゃんとあると示すのが目的です。こうして我が軍は益々精強になってゆくのです」
これよりしばらく休載となります。
いつもお楽しみにしてくださる方、申し訳ございません。
気長にお待ち頂けたらなぁと思います。よろしくお願いします。




