其の十三 関羽の苦悶
┏(o・v・o)┛
「劉備は袁紹を頼ってほうほうの体で河北に向かいました。劉備が逃げ出した城の中には関羽がおりました。曹操の軍隊は城を囲みます」
( ̄▲ ̄ )関羽
「いや〜、さても見事な曹操の兵法。つけいるスキなし!」
( ̄ー ̄ )張遼
「やぁやぁ関羽。久しぶり」
( ̄▲ ̄ )関羽
「お! 文遠お久。すっかり囲まれたけど、明日は打って出るよ」
( ̄ー ̄ )張遼
「そうなる前に我が陣営に降伏したら?」
( ̄▲ ̄ )関羽
「いや、そういうわけにもいかん。兄者に城を託された故。兄者を慕って地下にもお供する覚悟」
( ̄ー ̄ )張遼
「うーん、そこだけど、もしも劉備どのが生きていられたら、どうする? 夫人と城を託されて、かっこ良く自分は討ち死にしても、何にもならないんじゃない?ここは一つ、生きながらえて、恥を忍んで降伏するのが武人関羽の生き方だと思うけど?」
( ̄▲ ̄ )関羽
「ムムム。…了解。一度夫人と相談します」
┏(o・v・o)┛
「さすが張遼。一時は曹操を困らせただけのことはあります。関羽は説得されて、劉備の妻の了解のもと、条件付きで曹操に一時的に降ることにしました」
( ̄ー ̄ )張遼
「殿。関羽が降るには条件があるそうです」
(`・ω・´) 曹操
「聞こうじゃない」
( ̄ー ̄ )張遼
「一つ、曹操殿に降るのではなく、漢に降る。
一つ、劉備夫人に危害を加えるべからず
一つ、劉備存命の際は彼のもとに帰るものなり」
(`・ω・´) 曹操
「なるほろ。最後は気になるけどあの戦だ。劉備はもう死んでる……。了解! じゃ、条件をのむと言って来て!」
( ̄ー ̄ )張遼
「りょ」
┏(o・v・o)┛
「こうして希代の英雄、関羽は曹操軍に降伏したのでした。」
(`・ω・´) 曹操
「さて、関羽。帝に拝謁してみないか? ボクならそれが出来る」
( ̄▲ ̄ )関羽
「願ったり叶ったり」
( ̄ー ̄ )帝
「キミは劉備の配下だった関羽だね。劉備はことあることにキミを褒めていたけど……。なんでも見事なヒゲがあるのだとか。見せてくれまいか?」
┏(o・v・o)┛
「関羽は、衣服にしまっていたヒゲを全て出してさらしました」
( ̄ー ̄ )帝
「なんと見事なヒゲ! キミを美髯公と呼ぼう!」
( ̄▲ ̄ )関羽
「さすがネーミングセンス有り!」
(`・ω・´) 曹操
(このやりとりどこかで見たような……デジャヴ?」
(`・ω・´) 曹操
「ねぇ、関羽。さらに帝にお願いして漢寿亭侯と偏将軍の位までもらってあげたよ? 当然、ボクの力で」
( ̄▲ ̄ )関羽
「そうですか」
(`・ω・´) 曹操
「ねぇ、関羽。お祝いの宴を開くよ! もう何百人も集めてパーっと! 当然ボクの財力で!」
( ̄▲ ̄ )関羽
「さいですか」
(`・ω・´) 曹操
「ねぇ、関羽。すごい錦の服をあげるよ。ボクの力がないと手に入れられないシロモノさ!」
( ̄▲ ̄ )関羽
「なるほど」
(`・ω・´) 曹操
「ねぇ、関羽。馬をあげるよ! 呂布の乗ってた赤兎馬さ!」
( ̄▲ ̄ )関羽
「ゲェー! マジすか!」
(`・ω・´) 曹操
「え? 今まで無感動だったのに、馬一匹でそんなに喜ぶ?」
( ̄▲ ̄ )関羽
「いえ。こんな見事な馬があればいつでも兄者のもとへ駆け付けることができます」
(`・ω・´) 曹操
「…………そうなんだ」




