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第6話 魔力切れ


「今日の晩御飯は腕によりをかけてつくったわ

 好きなだけ食べていいからね」 


母マーサが微笑みながら胸を張る


目の前に並べられた料理は

ユクイノシシのステーキ

ユクかぼちゃのスープ

ユクの実のパイ

ユク山菜サラダ

などなど10種類近くの料理が目の前にズラーッと並べられていた


料理名の頭に『ユク』という名前がつくのは

私達の住んでいる村が『ユク』という名前で

使用している食材がこの村の特産品だからである


「おいおいマーサ。いくら娘達の合格祝いだからって

 この量を俺達4人で食べきるのは無理だろー」


「うふふっ。パパったら残ったものは

 パパの明日のお弁当にするから問題はないわよ」


「そりゃないぜ」


母と父のこのやり取りに

私達含め家族4人みんなが笑いで包まれた

まさに一家団欒だ


「ところで、ユーリ

 フォード先生の授業どうだった?

 難しくなかったか?ついていけるか?」


「パパ、授業は『魔法基礎学』と『算術』と『魔法演習A』を

やったんだけど授業がとっても分かりやすくて

 この調子なら私もリリィも問題なくついていけそうだよ」


「おおー!そうか!

 それを聞いて安心したぞ!」


「それよりもパパ、ママ、聞いてよ

 リリィってば凄いんだよ!

 フォード先生の授業で習ったこと全部理解できてるし

 魔法だって昨日より強力になった上に

 無詠唱で魔法使えるようになったんだよ」


ここで妹の株を上げとく

決してシスコンではない

ないったらない


「ちょっ!お姉様!!

 それをいうならお姉様のほうこそ...!!!」


「はーっはっは!お前たち二人は本当に仲がいいな!

 それで無詠唱で魔法ってどういうことだ...??

 なぁマーサ、魔法って詠唱無しで発動できるのか?」


「私は無詠唱で魔法なんてできないけど

 私が冒険者として旅をしてた頃

 魔法を無詠唱で扱える女性と一度パーティを組んだ事があるわ」


ママって昔冒険者だったのか!!

というか、無詠唱魔法ってそんなにレアなのかよ

フォード先生がホイホイっとするからてっきり皆使えるレベルなのかと思ってたわ


「でもその女性が言うには

 無詠唱で魔法は出せるのは出せるが通常の詠唱魔法と比べ制御が遥かに難しくて

 ほとんど使い物にならないって言ってたわね」


「そんな高度な魔法技術を俺達のユーリとリリィは

 扱えるようになったというのか!?

 でかしたぞ!」


なんかよくわからないが

褒められた


「そうそう!そういえば」


父シルバーが何かを思いついたのか

俺達を見る


 「明日村の食糧調達の仕事で村近くの森までいくんだが

 お前達5歳になったんだし一緒についてきてみるか?」


「「行きます!」」


俺たちは声を揃えて即答した。

俺とリリィは今まで村から出たことがない。


何度か父シルバーに村の外にいってみたいと

おねだりしたことがあるが

「今はダメだ。大きくなってからな」の一点張りだった。


というのも魔物が出て危険だかららしい。


それが今回初のお許しがでた!これは行くしかないだろう

村の外の世界を、そしてこの世界の魔物とやらをみてみたい!


「よし!良い答えだ!

 明日のフォード先生の授業は午後からだったよな?

 じゃあ出発は明日の早朝だ。今日ははやくねるようにな」


「「はーい!」」


早く寝ろっていってもこの後実は少しやりたいことがあるから

寝るのはそれからだけどな。



----------------------------


俺は今魔法訓練場(元空き部屋)にきている。

何しに来たかって?

それは今日の授業を復習するためだ

生前では学校の授業の復習なんてやったことはないし

正直やっているやつなんてほとんどいなかった。

でも、学年トップの優等生はみんなやってたし

それどころか予習までやってきているやつもいた。


俺は今回の人生は本気で生きるって決めたからな。

予習も復習もして絶対その超エリートになってやるんだ


「お姉様」


「ん?あ、リリィ」


一人で隠れて練習するつもりだったが

リリィにみつかってしまった。


「パパは早く寝ろっていってましたが

 ねなくていいのですか?」


「ちょっと授業の予習と復習をやろうと思ってな

 それが終わったらすぐ寝るよ!」


「そういうことでしたら私もやりますわ」


ということで授業の復習を二人ですることになった。

先ず初めに『魔法基礎学』と『算術』の授業の時に

書いたノートを見返す

見返しながら先生が授業中にどんなことを話していたかを

一言一句鮮明に思い出しながら脳に記憶を定着させる

まるでCD媒体にデータを焼き付けるかのように


あれ?ノートがあるから復習はできるけど

教科書とかないから予習ってできなくね?

じゃあ予習はいいや!


「リリィ、授業でわからなかったところとかないか?」


「算術の授業の割り算で、どうして

 数字を『0』で割ると答えがないんですか?」


「それはだな・・・・」



------------------------------

初日に学んだ所は特に新しい知識もなかったので

復習には30分もかからなかった。


というわけで次は『魔法演習A』だ


先ずは無詠唱で水魔法『水射』ができるかどうかを・・・


-ビューーン!-


お、できたできた。

しかも授業のときより上手くできたぞ

ちょっとコツがつかめてきたかもしれない


リリィも俺と同様に無詠唱で上手く魔法を唱えられているようだ

よしよし、ここまでは順調だ


問題は次だ、魔法の大きさ・速さ・形の制御だ


先ずは制御が一番簡単なこぶし大の水球をつくる


よしよしできたぞ

あとはこの形を維持させたま推進力を加え・・・

飛ばす!!


--バシャン!--


おお!できたぞ!

あとは大きさを小さく、そしてもっと速く飛ばせれば・・・!!


「お姉様!今のどうやったのですか?」


「えっとね、今のはこうやってね・・・」



そうして

俺たちが練習をし始めて1時間が経過した。


「お、だんだんとコツつかめてきたぞ!」


しかしなんだろう、体全身がだるく重く、頭がボーッとする。

まるで風邪をひいたかのような感じだ。


「お姉・・様・・」


「ん?」


リリィのほうを振り向くと

リリィがゆっくりと横になって倒れ込んだ


「リリィ!大丈夫!?」


おれは急いでリリィにかけよる


「ええ、大丈夫ですわ。少し疲れただけだと思います」


リリィのおでこを触ると少し熱い

おそらく俺と同じ症状がおきていた。


これはもしかすると魔力がなくなったから起きたのではないだろうか。


「魔力切れ・・・か」


リリィをみると小さな寝息をたてて安らかに眠っていた。


みたところ命に別状はなさそうだ

とりあえず部屋に運ぼう


俺はリリィを抱えてゆっくりと部屋へと運んだ。





「よい・・・しょ」


部屋は隣だったためなんとか一人でも運ぶことができた

この5歳児の体はまだまだ筋力が弱い。

これは明日から筋トレも毎日始めた方が良いのかもしれない


「さてと」

明日は早いみたいだし今日はそろそろ寝るか


俺はベッドに倒れ込みそのままぐっすりと寝た。

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