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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

亡骸の國のアリス

作者: 十色 彩葉

『亡骸の國のアリス』というタイトル自体は、五年くらい前に書いた小説のタイトルです。お気に入りのタイトルだったので内容変えまくって短編にしました。楽しんでもらえたら嬉しいです。

暗い森の中にひっそりと佇む小さなお家。


青い鳥さん、不思議な世界

小さいお家はあまぁい香り


アリス アリス まんまるアリス

アリス アリス へんてこアリス


……誰かしら───誰かが私を呼んでいるのね


アリス アリス 片目のアリス

アリス アリス 小さなアリス


……やめて、私。そのお歌嫌いだわ


アリス アリス 黒こげアリス


やめて。


アリス アリス あなぼこアリス


やめてッッ!!


アリス アリス ■■■アリス

アリス アリス ◇◇◇アリス


小さな体に

魔法をかけられ

いかれたおうちに

とらわれた


───ぱちっ───


……目が、覚める。



「……アリス。(うな)されてたね」

「えぇ……随分と、酷い夢を見たわ」


えぇ本当に、酷い夢。

寝ても覚めても終わらない

王子様すらやってこない


だって私達は───


「只の───紙の上の文字でしかないのだから」


そう、所詮は誰かの意思で紡がれる物語の……駒。

その者の意思で生まれ、死に、そしてまた生まれる。それら一つ一つの駒をアリスと呼ぶのであれば───今迄、どれほどの駒が生まれ死んでいったのだろう。


命を作り出すのはかくも容易い。それ故、人は私達(アリス)を時に笑わせ、時に悲しませ、時に最悪の結末を送る。


「そしてそれ故、幾度となく、違う結末を……私達の多種多様な死に様を作ろうとする……えぇ、実に楽しいでしょうね」


それはべんりなお人形。

作って壊してまた作る。


飽きたら捨ててやり直し。

時には青く、時には赤く。


でもね、これだけは忘れないで───



これをあなた達が上から見下ろしているように、必ずあなた達も誰かに見下ろされてる。誰かに作られて、捨てられて、そしてまた作られて。


お手々も

あしも、

心臓も。


記憶さえ。


あなたがこの亡骸の世界に迷い込むのは、一体いつかしら。


○○○ ○○○ 肉塊(まんまる)○○○

○○○ ○○○ 狂人(へんてこ)○○○


○○○ ○○○ 抉抉抉(かための)○○○

○○○ ○○○ 首無し(ちいさな)○○○


○○○ ○○○ 黒こげ○○○

○○○ ○○○ 穴ぼこ○○○



○○○ ○○○ 貴方が(■■■)○○○

○○○ ○○○ 貴女が(◇◇◇)○○○


小さな体に

魔法をかけられ

いかれたおうちに

とらわれた




ようこそ、『○○○』。我らが亡骸(なきがら)(くに)へ。


fin.

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― 新着の感想 ―
[良い点] 物語の登場人物が、自分が創作の存在であり、決まった道筋しか辿れないと自覚しており、それが何だか生きていくのが悲惨な世界で、自身が碌でもない目にあうと分かりきっているなら、不幸でしかない。 …
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