片想いのハンサムな彼の側では胸が痛くなるの
恋せよ!恋は素晴らしいよ!
「やば〜い! 遅刻だぁ〜」水嶋華15歳。高1。ただ今、全力疾走中。
「間に合って〜!」学校までの距離が、いつもより遠く感じる。時間が止まって欲しい、と心の中でマジで思うし願う。
「あと、どれくらいだぁ」私はスマホで時間を見る。「うぇん! 今日の期末テスト、マジでマジでマジでヤバイ!!」私は走る。ひたすら走る。
「あっ! 信号が赤になるぅ!!」変わろうと点滅している信号が憎たらしい。
私は横断歩道を渡る途中でズッコけた。
「痛い……」膝を見ると怪我をして血が出ていた。私は血を見て泣きたくなった。立ち上がろうとしたら、ズキンと足が痛む。プップーとクラクションが鳴り響いた。
「ははは。最悪」私は足を引きずるようにして歩道に座り込んだ。もう無理だ。スマホの時間を見た。午前8時50分。
「おい!! 華っ! 大丈夫か?」と怒鳴り声がした。私は体をビクッと震わせて声の主を探した。
「あっ」片想いのハンサムな男子。沢田流くんだぁ〜っ! 私は遅刻していることをすっかり忘れて、『汗だくな流もカッコイイ〜!』と見とれていたら「立てよ! 間に合わんぞ!」と真剣に怒ってくれた。
『嬉しい。ムフフフフ』とニヤける私。
「足を挫いて……」と話す途中で流は私をお姫様だっこをした。
「ぶほーーっ!? ! ☆」
と私は声を出して驚いた。
至近距離からの流くんを見たのは初めてかも!?
「ありがとぉう」と私は顔から太陽が飛び出しそうなくらい真っ赤になって言った。
「流くん、ありがとう」ともう一度言った。返事がない。流くんの温もりや微かにするセッケンの匂い、オレンジのシャンプーの香り。
流は華をお姫様だっこをして抱えたまま、スゴい速さ駆け抜けていく。
「ありがとう、流くん」
流くん、イケメンすぎるよぉ〜。胸が痛いし、ドキドキするし。
「ねぇ、ありがとう」ともう一度言ってみた。
「華、ちょっとうるさい」と流くんに怒られちゃった。う〜ん、カッコイイ。
学校はもう目の前だった。お姫様だっこをされている私を、窓から見ていたクラスメートが指を指して笑っていた。私は皆に笑顔で手を大きく振った。
おわり
愛せよ!愛はすばらしいよ!




