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Web小説デビュー  作者: (こちらでは)名無しの物書き
ポイント6 いざ書く前に意識してほしいこと
20/21

6-4 視点はなるべく統一と、カットバックは控えめに


 最近は、割と「おぅし、web小説が盛んなようだし、俺も今日から書くぜ!」という勢いの方が多いためか、視点が飛びまくりの場合があります。


 というか、それ以前に「そもそも視点てなにさ!」という段階の方も多いようですし。

 まあ、感想とかでうるさい方がそのうち突っ込んだりするんで、最終的に気付くでしょうけど、根本的に意味がわからなかったら、どうしょうもないですね。

 そこで遅ればせながら、視点について書いておきます。


 難しいことは省きます。

 そういうのはその手の小説教本があるでしょうから、そちらを参考にしてください。




 とりあえず、普通は一人称と三人称があると思ってください。

 実は二人称もちゃんとあるんですが、あまり全編通して使うものじゃないので、ここでは割愛します。

 この視点を意識しましょうってことです。

 調べれば簡単にわかることなので詳しくは書きませんが、言うまでもなく、一人称では主人公である語り手が見聞きしたことしか、直接には書けません。


 例えばダンジョンの中で主人公と友人が、接近してきたモンスターに気付いたとします。

 一人称で書いているのなら、書けるのは自分の心情と自分の目で見た周囲の状況だけです。

 横にいる友人がどう感じたかまでは、正確に書けないわけです。

 あくまで、主人公一人が感じる、五感の範囲内で書きましょう。

 ただし、推測して書くのはアリです。

「友人の宮瀬は恐怖に震えているようだった」とか「こいつは、明らかに殺戮の衝動で高揚しているようで~」とか。


 三人称になるとこの枷が外れ、基本的には主人公に視点を置いていても、状況によって友人とか他の誰かに視点を移動してもいいわけです。

 ただし、その場合でもできるだけ、大きな区切りを作る方が無難です。

 文章が続いている間に、知らないうちに視点が変わると、読み手が「あれ?」と思ったりしますから。

 行を空けるなどして、視点を切り替える時は工夫しましょう。


 それと、一度誰かの視点で物語を語り始めたら、しばらくはそのキャラの視点で続けましょう。

 数行ごとに「物語の語り手」が移動するようだと、かなり読みにくいものができあがるでしょうから。

(ただし、やむを得ないと思う場合、例外的に連続で視点を切り替えるのはアリです)

 そして、見落としがちですが……例えば、以下のような文章があったとします。



 田中は装備を確認した後、ダンジョン内で周囲を入念に点検し、頬を緩ませた。

「よしよし、今のところ危険はないようだ。さすが初心者用マップだぜ!」

 さて、ではがんばるとすっかね。

 改めて気合いを入れ直し、胸を張って歩き始めた。



 これ、途中で一人称がまじっているように思えますが、こういうのはアリなんですよ。

――さて、ではがんばるとすっかね――と書いた部分は、視点保持者の心の内を書いたもので、モノローグなんです。

 このモノローグという名称はもしかしたら別の呼び方もあるかもしれませんが、問題は名称じゃなくて使いこなすことなので、ご容赦を。


 その心情が、明らかに視点の主である田中君が考えたことだと読み手にわかるなら、こういう表現は許されます。

 モノローグを多用する人が文章内で頻繁に使うと、場合によっては一人称のように思えたりするかもしれませんが、モノローグの主が誰であるかがはっきり読み取れるのなら、別にそれも問題ないわけです。

 視点が全てを決めます。


 まずいのは、「は? 今書いた誰かの心情、一体誰のよ?」とこうなる場合です。

 ですから、登場キャラが多い時は注意してください。

 ただ、慣れないうちは戸惑うかもしれませんが。





>カットバック

 これも正式名称は他にもあるかもしれませんが、ここではカットバックとして進めます。

 カットバックとはなんぞや? というと、時系列を弄り、進行中の物語を中断して回想シーンを入れたり、あるいは過去の出来事を先に持ってくることです。


 例えば、以下のような時系列があったとします。



○買い物に行く途中で歩道を歩いていると、交通事故を目撃してしまった。私は驚きのあまり、買い物籠を落とした。○


 時系列的には実に簡単ですが、これにカットバックを使うと、例えばこうなります。


○私は買い物籠を落とし、悲鳴を堪えた。まさか、買い物に出掛ける途中の歩道で、こんな交通事故を目的するなんて!○


 時系列的には、先に買い物に出掛ける途中の場面が入るはずなのに、いきなり「買い物籠を落とす」ところから始まってます。

 

 下手くそな例は置いて、こういうのは、上手く決まると効果が大きいと思います……例えばファンタジーだと、ドラゴンに襲われる場面をいきなり書いて、絶体絶命にするとか。

 もう本当に、一秒後にはガブッと食われそうなところまで書くと。

 もちろんその後でシーンを変え、それまでの出来事を順を追って書き出すわけです。

 

 ただそういう時系列を弄るやり方は、慣れてないと単に読者の怒りを誘うだけに終わり、「さっさと冒頭シーンの続きをやれ!」と言われることになります。

 まあ、どんな書き方しようと文句は言われるかもですが、できるならそういう要素は減らした方がいいでしょう。

 とういうか、減らしたいですよね……本当に……。


 だから、よほど自信がない限り、物語は時系列の順番に書いていきましょう。

 その方が、読み手に余計なストレスを与えないと思います。

 ただ、先に書いたように、自信があるならそれはまた別です。

 ぜひとも先に持ってきたいシーンが、誰しもあるでしょうしね……でもその場合も、よくよく考えましょう。


 お互いに、トチらないようにしましょう!



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