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Web小説デビュー  作者: (こちらでは)名無しの物書き
ポイント6 いざ書く前に意識してほしいこと
19/21

6-3 プロットに見る、それぞれの違い



 小説書く方の間でたまに話題になるのが、これです。


 プロットを書くべきか、書かざるべきか。

 これ、私はネット情報などで、プロ作家本人さんが意見出しているのを何度か見ましたが、彼らの間でも温度差があります。


 もちろん、「プロットいるでしょう」と「プロットなくても書ける」の二派ですね。

 ただし、多いのは圧倒的に前者で、極端な意見になると「プロットもナシで書けるわけないだろっ」という、なぜか怒りに満ちた意見まであるわけです。

 私がどう思うかは置いて、大前提としてほとんどの出版社では「では、企画会議の前にプロットを出して~」と言われます。


 私の場合、言われなかった会社もあるにはありますが、そういう例はごく少なかったです。






 とはいえ、webからスカウトされた方はやや例外になるでしょう……多くの場合。

 人気を買われてスカウトされたのに、大きく変える意味がありません。

 ただし、その場合でもまだ書いてない続編などを出す運びになった場合、「では、続編のプロットを(以下略)」と言われるかもしれません。

 可能性としては大いにあります。


「二巻以降は、編集部の方針に沿ってがんばりましょう!」


 というわけですね。

 ……極論を書くようですが、この場合に限って言えば、貴方はプロットなんか出さない方がいいです。多分きっと、「いや、この展開よりこっちで(以下略)」と担当さんに言われ、渋々その「俺、普段はそんな展開、欠片も考えたこともないけどっ!」な方向へ舵を切った挙げ句、おそらく青ざめるほど売り上げが落ちることでしょう。


 下手をすると、二巻で終わります……いろんな意味で。


 かなり高確率でそうなりますから、できるだけ「担当さんと相談の上で展開を~」というのは、避けましょう……避けられるものなら。

 編集さん側に失礼な言い方なのは重々承知ですが、ここでよく考えてみてください。

 webからスカウトされた貴方は、元々編集さんの手を借りずにやってきて、そこまで人気を得たわけです。

 その場合、少なくとも同じシリーズを続けるなら、自分だけの方針でやった方が成功する確率が高いと思います。


 とにかく、スカウトされる結果になったその物語に関しては、貴方の狙いは正しかったのだし、目指す方向も合っているのです。

 明らかに正鵠を射てたのですから、今更方針なんか変えてる場合じゃないです……少なくとも、今の時代においては。

 そもそも、最初から貴方に編集さんなり担当さんがいたとして、今のような小説、今のような物語になっていたでしょうか?


 いえ、まずなっていないことでしょう。

 書いている間、あるいは書く以前のプロット段階で、苦い顔でストップをかけられたはずです。



「あのぉ、主人公強すぎるので、もう少し人間らしい欠点を~」とか「もう少し誰それの心情を深く掘り下げて云々~」とか「主人公の成長物語として見た場合、ここがウンタラ~」などのアドバイスをもらった結果、その通りにしていたはずです。

 つまり、決して今のような物語になっていませんし、おそらく結果も全然違ったはずです……どんな結果かはあえて書きませんが。



 残念ながら、まだまだweb小説は、常識的な編集さんの「理解の外」にあります。

 皆さん、「なんでエッジの欠片もないのに、これが売れるのさっ!?」と思っているほどで、「今までの流れと大きく違う」物語の洪水に、戸惑っている最中です。


 ですから、アドバイスを頂いてプロットなんか出して書くと、まずな○う的な人気は望めません。

 これを忘れて、「編集さんが言うのだから~」などと思ってそっちへ舵を切るのは、大きな間違いです。

 私が「できるなら、今までのやり方で~」とここでお勧めするのは、そのような意味においてですね。

 

 もちろん、新人賞で受賞して賞金百万とかもらって(羨ましい!)、堂々たるデビューを飾った貴方は、また話は別ですよ。

 貴方は従来の流れの主流であって、わざわざ苦手な、ご自分が考えたこともない物語を創造する必要はないです。

 むしろ、柔軟にそんなことできる作家さん、あまり大勢いないかと。

(ただし皆無じゃないんですね、これが)


 この場合は、編集さんと何度も相談を重ね、一緒に物語を作っていきましょう。

 そっちの方が遥かに正解です。

 いきなり無茶して、一度も考えたことのない「嬉し恥ずかしハーレム物語」など書いちゃ駄目ですよ。

 ……ここで、「おまえさっき、編集さんの指示に従うな」的なこと言うたやん!」と反論が出るかもですが。


 いや、従来のやり方で結果が出る方達も、皆無じゃないんですよ! 当たり前ですね。

 これまでのライトノベルの歴史では、爆発的なヒットを記録した小説だって数多くあります。それらのシリーズは全て、少なくとも二巻以降は、担当である編集さんの意思が大なり小なり入っています。

 そういうやり方で成功する場合もちゃんとありますし、その方が向いてる方だって大勢いるわけです。

 第一、編集さん達の多くが是としたということは、受賞した貴方は、編集さん達の感性に近いということですしね。



 ただ私は、webからスカウトされた貴方に限っては、その旧来のやり方を踏襲すると、まず上手くいかない……そう言いたいだけです。

 そこを、勘違いしないでくださいね。


 話が大きく逸れたので、最後にプロットを提出する場合のポイントを。

 ……私の知る限り、長さは千差万別です。

 一番短い方で、三行という方がいたそうです。

 逆に私が知る一番長いプロットで、二百枚前後の方がいたような。

「そこまで書いたら、本文書く気が失せないですか?」と思わず私は、その人に訊いてしまったほどで……でも、毎回長いようなので、ご本人にとってはそれで普通なのですね。

 ただその場合、担当さんが読むのめんどくさがる可能性があります(小さい声)。

 ですから、このどちらも見習わず、ほどほどの枚数で出すのが正解かなと。三行だと、さすがに「もう少し説明を~」と言われるでしょうし。


 私の場合で言えば、物語を大まかに「起承転結」に分けて、原稿用紙換算で八枚前後ですかね。

あと主役クラスのキャラの性格などをちょろっと書いて、物語の特殊設定とか世界観も少し書くと。

 それで、「はい、やり直し!」と言われたことはないので、その程度の枚数を目安にしても、大丈夫ですよ。



あと上に付け加えるとしたら、本にした時に売りになるようなポイントがあると、喜ばれるかもですね。「異世界で、俺だけが日本料理のプロ!」(極端な例ですが)とか、明らかにセールスポイントになるような部分です。

売れる売れないは別として、編集さんは、帯にどーんと書くようなセールスポイントを求めています。

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