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Web小説デビュー  作者: (こちらでは)名無しの物書き
ポイント6 いざ書く前に意識してほしいこと
17/21

6-1  最初の印象をよくする


 ここから、実践的な話を少しします。


 とはいえ、新人賞受賞したわけでもない私がこういうことを書いたところで、「それ……アテになるんか?」と思う人も多いかもしれません。

 だから、あくまで「ま、念のために読んでおくか」と思う方だけどうぞ。


 今から書くことを全て実践しても、ことwebでは通じない場合もあります。

 残念ながら、貴方の選ぶジャンルがweb人気主流の流れを大きく外れている場合、全然役に立たない可能性も皆無とは言えないんですね。

 文章力は、必ずしも勝負の大きなポイントとはなりませんから。

 しかし……以下のことを全く意識せずに書くよりは、多分、見事に当たった時の結果が違うと思います。

 おそらくは、伸びしろ(売り上げの右肩推移)も違うかも。



 まず最初に、最低限のルールだけ、守っておきましょう。

 最低限というのは、三点リーダーはこう打つとか、その辺の基本です。

 ちなみに、「……」←これが正しい三点リーダーで、「・・・・・・」←のようなのは、全て間違いです。

 結局のところ、デビューする時は編集さんの目を通すわけで、いきなり冒頭から、以下のような文章が来るとまずいです。


「・・・・・・朝起きたら、なんと異世界だった」


 ……みたいな大間違いから始まると、「あ、もういいです、はい」と、編集さんに忌避されてしまう可能性があります。

 人気あっても、煙たがられる場合というのはありますし。

 ただ、所詮、基本的なところは、本を出す前に編集作業で、教えてもらえますけどね。

 教えてもらえるというか、真っ赤かなゲラがかえってきて、「三点リーダーはこうっ」とか、訂正入れられているはずです。

 それはもう、うんざりするほどの。

 だから、最初に知らないのは、なにも恥ではありません。

 最初から調べて実践した方が、編集さんが受ける印象が違いますよ、というだけのことです。


 ちょっと困るのは、正しいやり方がわかっても直さなかったり、あるいは「不肖ワタクシ、新しい俺様スタイルで書くんで、ヨロシク!」とか、いきなりアレな理屈を持ち出す場合です。

 いえ、新しいやり方は否定しませんが、例えば今書いた三点リーダーとか、「同じキャラの会話文章を、重ねて表記しない」とか、そういうのは「やって当然」だと思われているので、最初は従っておいた方がいいと思います。


 編集さんは、その部分に非常にうるさいというか、あまり黙認してくれないと思います。

 どうしても新たなスタイルを作りたいのなら、売れてからにしましょう。

 貴方の処女作が、いきなり大売れして、テレビでもガンガン話題になるほどになると、ひょっとしたら貴方が作ったスタイルが認知される可能性もあります。 

 もちろん、逆に壮絶に叩かれる場合もありますけど……。

 繰り返しますが、基本的な約束事を守って書いておくと、最初に読む編集さんの印象も違いますからね。


 そして、そこを意識した上で、冒頭文章です。

 ここもまた、最初に人の目が触れる、重要なポイントです。

 だから、特に意識しましょうね。

 いきなり悪い例から始めますけど、例えば以下のような冒頭は、あまりお勧めしません。



 銀河標準歴5647年――皇帝カリストは、未だにM2457系銀河の征服途上にあった。

 目を閉じれば、二十年に及ぶ数多の戦いの歴史が云々(以下三十行)。



 ……で、以下ずらずらとこれまでの歩みが書かれる、みたいなパターンです。

 web読者さんの大多数は、忍耐の導火線がヤバいほど短いので、こういうのはやめておいた方が無難だと思います。

 とこう書くと、読書家の貴方なら、「いや、待って。先日読んだ本が、まさにそんな冒頭だったぞっ」と反論されるかもしれません。

 いやぁ、実際、普通にあるんですねぇ。

 今書いたのは私の想像ですが、近いのは本当にあると思います。

 ただ、そういう場合、書き手である作家さんの知名度を見てみましょう。

 もしかして……最初から大勢の読者を得ている、有名作家さんじゃないでしょうか?

 極論で申し訳ないですが、そういう人達は、あくまで例外なのです。


 雲の上どころか、成層圏の上の人だと思って間違いないです。我々が同じ舞台に立ってると勘違いすると、いとも簡単に窒息する(読んでもらえない)わけですよ。

 その手の有名作家さんは、多少の冒険をしようが、迂遠な書き方をしようが、最初から「あの人の本は、出たら血を売ってでも買うんだっ」という人達がゴマンといるので、別に問題ないわけですね。

 ここでまたしても「いや、俺が見たのは、全然無名に近かったけど、そんな出だしで~」という方もいるかもしれません。

 ……その場合、その作家さんのその後を見守ってみましょう。

 かなり高確率で最後はあまり本が出なく(以下略)。



 ……まあ、そうは言っても、無名でもそういうやり方で成功する方もきっといるでしょうね。

 でも、私と同じく、「自分はまだまだ発展途上だ」という自覚がある方は、こういう冒頭文章は本当にやめておきましょう。

 他にも、長くてめんどくさいのは、全部駄目だと思って間違いないです。

 まず、いきなり読者の心を掴む必要があるのに、冒頭文章で設定なんか並べてる場合ではありません。


 じゃあ、どういうのがいいのか?

 理想まじりの結論を言うと、「三行読んだら、続きが気になって仕方なくなる」という、そんな才気溢れる冒頭です。

 冒頭のことは、以後ツカミと呼称しますね。例によって私が勝手にそう呼んでますけど。

 もちろん、なかなかそんなの書けないのは認めます。

 難しいですよね、そういうツカミ……私もしばしば、迂遠な書き方してずっこけます……売り上げ的な意味で。

 ミステリー小説では、よく「ツカミ(冒頭)で死体を転がせ」というそうです。

 いきなりずばっと、読者の興味を引けってわけですね。

 じゃあ、他のジャンルではどうするのか?


 ……正直、決まりはないんです。

 ただ、書く前に真剣勝負のように考えましょう。

「どうすれば、最初の三行で、以後も読んでもらえるか?」と。

 ここで、運命の半分が決まる……それくらい、リキ入れて考えましょう……私と一緒に!

(私も完全にできてないって話ですね、例によって)



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