表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Web小説デビュー  作者: (こちらでは)名無しの物書き
ポイント5 投稿サイトの利点と欠点
15/21

5-1 目の前の指針


 本当は利点と欠点じゃなくて、「功罪」と書くつもりでしたが、それだとなんだか投稿サイトさんを非難してるみたいですしね。

 罪どころか、むしろ投稿サイトさんにはお世話になるばかりなので、やはりタイトルは利点と欠点が妥当でしょう。


 まず、利点はたくさんあるでしょうけど、何度か書いたように一番大きいのは、得た人気によっては、公募のコンテストに頼らずとも、出版できる可能性があることです。

 ……もちろん、今の時代特有のことですけど。

 ただ、そういう「利点」が生まれてまだ日が浅いので、実は必ずしも出版会社の全てがその利点に準じているわけじゃないです。


 やはり中には「な○はもう終わった」と内心で思っているところもあるでしょう。

 これ、前の間奏で書くの忘れましたが、ですから当然、「メールをする」という手がスルーされる場合もあります。

 その場合、返事こなくても腐らず、数で勝負しましょう。

 貴方の投稿小説が真実大きな人気を得ているなら、最後には必ず出版されます。



 

 話を戻しますが――web小説を危ぶむ会社とは逆に、「こりゃwebは、案外美味しいかもしれんぞ」と、ようやく認知されてきた事実に気付き、積極的にweb小説を取り込もうとする会社もあります。カクヨムさんなどのサイトができたのも、その流れの一つかもしれませんね。

 二巻以降の落ち込みがひどいとはいえ、一巻がそれなりに売れるだけでも、今の時代の出版社さんからしてみれば、有り難いはずです。

 もちろん、作者にとっても嬉しいことです。


 ただし……編集さんが自分達で「よさげなweb小説を見つけて出版しよう」とやるよりは、素直に大勢が読んでいるものを選ぶ方が間違いが少ないわけです。

 こんなこと書くと怒られますが、実際にアクセスはあんまり嘘をつかないようです。

 とはいえ、例外もあります。

 編集さんが見つけて拾い上げるまでは「よくて微速前進程度?」という人気だったのが、いざ本にすると大爆発という例はちゃんとあります。

 ですから、これについては早急に結論を出すべきものでもないでしょう。

 それに、「人気イマイチでも、拾われることもある」方が、書き手の我々にとっては希望が持てますし。




 利点はいいとして、問題は欠点です。

 ここでまた投稿サイトさんを例に出しますが、まあカクヨムでもそうスタイルは変わらないので、某なろ○さんを知らない方は、カクヨムのこととして読んでください。

 おそらく、事情はそう変わりません。

 時が経てば、先人のサイトと同じ流れになると思います……て、もうなってたらすいません。

 なにが言いたいかというと、「大きな流れ」が作られるということです。


 最初、サイトが立ち上がったばかりの頃は、読み手の嗜好がわからないので、皆さん、自分の好きなジャンルを中心に、実に雑多なジャンルを書いて投稿します。

 私的な意見に過ぎませんが、本当はこの段階こそが、黄金時代なのかもしれません。 

 なぜなら「あのジャンル以外だと、あまり読まれない」というタブーもわからず、まんべんなくあらゆるジャンルに挑戦し、発表できるからです。


 読み手の方としても、ジャンルが多ければ多いほど、自分の嗜好に合致する一作が見つかりやすいので、使いやすいかもしれません。


 しかし……時が経つと黄金時代は去って、「今の読者がなにを求めているか?」が明確にわかるようになってきます。

 そりゃ、ある特定の二~三のジャンルにランキングの人気が集中するんですから、嫌でもわかってしまうわけです。

 そうなると、やはりいろんな人に読んでもらいたいし、人気も得たいとなると、どうしても「まさに今、人気のジャンル」に書き手が集まるのもやむを得ません。

 それが小川のうちはいいですが、そのうち大河となって、その投稿サイトの主流になってしまうことでしょう。

 とてもではないが、他のジャンルだと読者人気で太刀打ちできない……そうなる可能性が大きいです。



 加えて、親切にも投稿サイトにはキーワードというものがあります。

 検索で自分の小説が引っかかりやすいように、キーワードを決めるわけですね。

 本作は小説ではありませんが、やはり幾つかのキーワードは設定しています。読者さんがそのキーワードで検索した時、見つかりやすいように。

 しかも、大手の投稿サイトだと、わざわざ最初の設定時に、「今人気のキーワードはこれ!」とばかりに、読者に好まれやすいキーワードをざくざく例として挙げてくれます。


 なんと、設立して歴史の長い投稿サイトを訪れた貴方は、1文字も書かないうちに、「あ、今の人気ジャンルはファンタジーで、読まれやすいのはこんなキーワードか」とわかってしまうわけです。

 これって、とてつもないことかもしれません。

 昔の作家さんが、四苦八苦して「どうしたら売れるんだろう?」と努力して探していた道が、簡潔な言葉によって目の前に提示されているのですから。


「俺、今日初めて小説書いたのに、ランキングに入ったぁあああああああ」


 ――ということが割と珍しくないのは、こういう事情も大きいと思います。

(もちろん、貴方の実力の可能性もありますよ)

 大手投稿サイトさんにこれまで蓄積された、数万の読者による嗜好が、灯台の明かりみたいに貴方を導いてくれるわけですから。


 しかも、得られるデータは常に最新にアップデートされます。


 読者の嗜好が変わり、好みが他のジャンルに移れば、たちまちキーワードは更新され、新たな「今の売れ線」が目の前に提示されることでしょう。

 なんというか……よい話ばかりに聞こえますね(笑)。


 ただし、これは逆に大きな負の側面でもあると……個人的には(ここ強調)思います。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ