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神様?いいえただの悪魔です。  作者: 次元
第2章:熱血学園編
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第87話:勇者到着

遅くなり楽しみにしている皆さん(そんな人いるのか?)には申し訳ないです。

ヘルニアは皆さんも何となく痛いという事が分かると思います。

しかし痔を侮ってはいけません。

マジで痛いです。

そんな中でも頑張って執筆している自分を褒めてくれ。

魔王降臨から2週間。


宣戦布告もした。

盛大に国も潰して復活させた。

そして神の御業のような奇跡も見せた。


そして暇になる。

暇すぎて暇を潰すために何か思案する。


そこで俺は閃く。

俺は暇つぶし…モトイ…偵察の為、人間達が大挙して押し寄せている港町に来ていた。


ここの魚介の浜焼きが最高なんです。

俺は海鮮盛りと言う名の丼片手に空中に浮いている。


この海鮮盛り、名前だけなら海鮮ちらし寿司なのだけれども、どうやら魚介類を生で食す習慣が無いらしく、全て焼かれている。

半生だったら炙りチラシ寿司で旨いと思うのだけれど、全焼き、簡単に言えば焼き魚丼なのである。

それでもこの旨さ。

上にかかっている調味料は醤油ではないらしいが近しい味と風味がある。

異世界侮り難し。


その海鮮盛り(ある意味焼き魚定食)に舌鼓を打ちながら眼下を眺めている。



塔の島から遥か対岸の港には5大陸の軍隊が一斉に迷いの島に進撃する為の準備を整えていた。

その準備を見守る青年が2人。


彼らはイスタニアとブリドニアに降臨した勇者だった。

結局、俺たちが覗いていた王との会談に報告のあった勇者の2人だけ。

思ったより少ない。

オーリオンの事だから勇者を大量生産して送ってくると思ったのに拍子抜けした。


勇者達は5大陸の大神官と話をしているらしく、大神官が指示を出して勇者が軽く首を縦に振って頷いていたりする。


この港町と近隣の街では兵士たちが待機しているようで、街はごった返している。

宿に入れない一般兵は野宿や船上での寝食を強いられているほどだ。


この人間の勇者2人とその他大勢である兵士約5万人が一斉に迷いの島に上陸しようとしている所を想像してみた。



アイリスはふと疑問に思う。


船自体は大型の帆船で乗員100名としても500隻は必要だ。

しかし、今この港には30隻ほど。


どうやって大挙して島に上陸するつもりなのだろう?

この状況をアリスと念話で通話していると、横で聞いていたキャノンから一つの仮説が聞こえてきた。


「船で来るとしてもその兵の数と船の数が合わないな…もしかして、転移魔法で来るんじゃないか?」


「「転移魔法!?」」


思わずアリスと声がかぶってしまいキャノンには大音量ステレオのように聞こえたらしい。


「やかましいわ!!」



「「ごめんごめん」」



「しかし、転移魔法って…この世界は転移魔法が普及してるのか?」


元居た世界では既に転移魔法がポピュラー化しつつある。

各国の学園は駅のようになり近隣の町も予想外の活性化に嬉しい悲鳴を上げていた。

しかしそれは俺たちが発端。

その前は転移魔法なんて想像上の魔法に過ぎなかったのだ。


そんな様子にキャノンは小さくため息を出す。


「おい、お前たち、ちゃぶ台で転移したのを忘れとるのか?」


「「あっ…」」


「本当にお前らはどこか抜けてるよな~」


「「えへへへ」」テヘペロ


「テヘペロじゃね~わ!」


キャノンのツッコミが辛辣である。


「でも、そんな簡単に転移魔法なんて発動できるの?」


俺の疑問にキャノンは"うむ"と一言発すると


「この世界でも大神官クラスだったら魔方陣を用いて転移は可能だと思うぞ」


「へ~」


「しかも、神の加護が付いた勇者が居るんだから、何かしらの方法で大人数の転移が出来るんじゃないか? お前たちだって国単位で転移させただろ?」


「あれはスフィアで覆って転移させたから魔力を巡らす時間が必要なだけでそんなに難しくは無いよ」


「それと同じことを向こうもしてくるんじゃないか?」


「「ああ! なるほど!!」」


「本当にお前らは…」



「で、そんな大人数、約5万人プラス勇者2人相手にどうするんだ?」


「ん~どうしようか? とりあえず一旦戻るね」


キャノンの疑問に答える為、帰る準備をしようとした時だ。


「ああ、その前に、海鮮盛り2人前追加よ! 大盛りよ! 海鮮スープも忘れないでね」


ああ、隠れて食べていたのバレてるのね。




アリスの前に光が収束する。


「ただいまっと」


早速、二人に海鮮盛りを渡す。

俺も再び海鮮盛りを食す。

さっきまで食べていたのだが、育ち盛りなのでね。

足りないのですよ。


二杯目を平らげたところでキャノンから質問される。


「…ふと思ったんだが、転移を強制的にキャンセルする事は出来ないのか?」


キャノンは海鮮丼に満足したらしく自分から率先して食後のお茶を淹れてくれた。

そのお茶を啜りながらの質問である。


「ああ、俺たちと同じ転移方法だったら30隻の船に乗ってくる兵たちを倒せば可能かもね。でも、俺たちと同じではなく、座標を基に転移してくるんだったら難しいかな」


俺がキャノンに答えると、アリスが横から会話に参加する。


「いや、出来るかもしれないわよ?」


「え? どうやるの?」


「例えば、この島を位相空間で覆うとか」


確かに位相空間に捉えてしまえば大小関係なく自分の魔力で覆っているのだから転移は可能だろう。

しかし…


「そっちの方が面倒臭い気がするね」


アリスも頭をひねって考えるが


「ん~~…そうね」


と俺と同意見の様だ。


「やっぱりさ~」

「そうね!」


キャノンはそんな言葉足らずなやり取りを見て首を傾げているが、次の言葉でズッコケる。


「「島に上陸したら勇者だけ叩き潰そう!」」


大人数で上陸して来るのに、勇者だけに目的を絞るとかホトホト不可能だろうに。


「おいおい、他の兵士はどうするんだ?」


「ダークネスレベル5を展開して閉じ込める?」


「いや、それだと兵士たちが何が起きたか分からず終いだから…グラビティレベル6を展開して集まったところでスフィアに閉じ込める? そうすれば勇者が倒される所も兵士達が見れるし都合が良くない?」


「そうね。 アイリスの案で決定!」


なんと、色々とやり様はあったのだなと、キャノンは納得の顔をする。


「しかし、相変わらず軽いな」


本物の魔王様と側近の会議であれば厳かに尊大に話がされているところではあるが。

目の前には丸いちゃぶ台。

その上には空のどんぶりと温かいお茶。

とても御前会議と程遠いのだから軽々しくなるのも仕方がない。

それに重々な空気は俺もアリスも好きじゃないから。


「まぁまぁ、魔王様が圧倒的と言う所を見せないとね」



「ふふふ。血わき肉おどるわ!!!」



「ほら、魔王様もノリノリだし」



「やっぱり軽いな。」



さて、次は何を食べに行こうかな。



□■□■□■□■□■



「よし! 神官たちよ! 魔方陣の準備は出来た! 魔方陣に魔力を注ぐのだ!!」


「「「おおぉ!!!!」」」


魔法陣に手を翳し、魔法陣に魔力を送る神官たち。


その様子を受けて司令に報告する上神官。


「神官40人が8時間ずつ交代で魔力を注ぎ込みますので5日後には全軍迷いの島に転移可能です!」


「よし! 先遣隊の準備はどうか!」


「あと1時間後に30隻出港可能です!」


「遅い! 30分で出港しろ!!」


「はっ!! 畏まりました!!」


そのやり取りを眺めていた勇者にも指示が出る。


「では、勇者様、予定通り船の方へ御乗船下さい」


「分かりました。それでは、無事転移出来る事を祈っておりますよ」


「御心配なく。それよりも勇者様が魔王を打ち倒す所が見れなくて残念ですがな」


「ありがとう。他にも勇者が降臨したようだが、ニューダルカの勇者たちのその後は?」


「各村などに使いを出したのですが、今現在どこに向かっているのか皆目見当がつきません」


「そうか、勇者は多ければ多いほど心強いのだが、随分呑気な勇者だな」


「されども、過去に4人も勇者が降臨した事など例が無い事、その内のお2人が居たら魔王を倒す事など造作もない事でしょう」


「確かにな! 勇者2人と各国の精鋭が5万」


「しかしローキシア王は獣人の勇者と魔人の勇者が揃って初めて魔王を打ち倒したと言う伝説を気にしておいでとか」


柔和な笑みを浮かべ返答する勇者の二人。


「獣人と魔人の勇者なんかより人間の勇者2人も居れば無敵だろ?」


「うん、そうだろうね。では5日後には魔王の首をお持ちしますよ」


その言葉を受け司令は身震いするのを覚える。


「何と心強いお言葉。王たちも勇者様の勝利を待ち望んでおられます」


その言葉に呑気に返答する。


「うん、王を待たせては失礼だ。では行こうか!」

「おう!」


「どうか、御武運を」





ついに5日後、迷いの島に勇者が到達する。



その頃、アイリスとアリスは


「やっぱり、上空にグラビティレベル6を展開してスフィアを作った方がいいと思うんだよね」


「そうね…兵たちが空に巻き上げられる光景の方がインパクトがあるわね」


「でしょ? で、ちょっと提案なんだけど」


「なに?」


「アリスはスフィアを四角で作れる?」


「あ~アイリス! 私の事バカにしてるでしょ!」


「いや、そんな事ないよ。でもスフィアを四角に展開するの初めてでしょ?」


「やっぱりバカにしてる! 私はアイリスのできる事だったら同じように出来るわよ! 寧ろ私の方が魔力では上なんだからね」


「うン、そうですね|||」


「フン! 当然!! こうでしょ? スフィア(四角バージョン)!!」


「うん、確かに。 でも、もっと大きく出来る?」


「もっと? どの位?」


「そうだね…5万人が一斉に下を見れる位だから―――東○ドーム位かな」


「また異世界の建築物名を出して…関係者に怒られても知らないわよ」


「いや、一番簡単な例えを言っただけで」



「―――じゃあ、これでどうよ!!」



「おおぉ!! ○京ドームの形したスフィアですか!!」



「あ! アイリス!! 良い事考えた!!!」


「ん?」



「レベル7魔法ビルドリアライゼーションで東○ドームを作ってその中で戦うって言うのは?」


「いや、いいけど。どうやって兵士5万人もドームに入れるの?」


「―――無理かな?」


「ビルドリアライゼーションでドームは作れるけど、作ったドームの中にどうやって…ん~……」



「まずはグラビティで兵士を空に舞いあがらせて集めるわよね?」



「で、兵士をスフィアに閉じ込めると」



「ここまでは問題無さそうよね」



「でも、ドームを形成してその中に兵士を…?」





「「――――――」」





「無理だね!」

「無理ね!」



「お前たち真剣に話してると思ったら…」



相変わらず別の意味で真剣に打ち合わせをしていた。


しばらくは隔週で掲載させて頂きます。

本当は週刊でも遅いと思ったのだが予想以上に腰とケツが痛い。

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