第8話:電脳展開型タブレット
今回で赤ちゃん編は終了します。
今度は幼年編です。
これからも応援を宜しくお願いします!
多分、今日から魔法が使えるはずだ。
そう思い、頭の中で電脳展開型タブレットを起動させた。
視界の端に電脳展開型タブレットが出現した。
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<<電脳展開型タブレットとは>>
そもそも、詠唱型魔法を展開する場合、詠唱時に自分の魔力と精霊の力や言霊を紡いでいき、魔方陣を媒体にこの世に顕現させるのだが、その詠唱やら何やらを経て効力を顕現させるのは非常に大変な作業なのだ。
そこでアスラが編み出したのが、あらかじめ詠唱、魔力、精霊の加護等をデータベースに書き込んでおくことで必要な時に電脳展開型タブレットを通じて発動させるだけで済むようにしたのだ。
これにより、短時間に効率よく魔法が展開できる。
術者の魔力も不必要で非常に有効だが、使用回数の上限が設定されている。
他にも、手にしたものをデータベースに書き込むことにより、アイテムを収納したり、逆に取り出したりと青タヌキもびっくりの四次元ポケット~ォなのだ。
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無性に嬉しくなり笑いが止まらない。
誰かがこの光景を見たら、
赤ちゃんが何もない空間に向かって笑いかけている
そんな異様な光景にドン引きだろう。
ドン引きならまだしもこの姿を見たら父や母でも万年の愛も消し飛ぶ事請け合いだ。
それ程までに、アイリスの姿が異様…と言うより、赤ん坊らしくない。
端から見たら、力を得たナンチャッテ魔王の図。
可愛げもあったもんじゃない。
いつもは泣いてるアリスも俺の姿にドン引きしてるのかと言う程に大人しくこちらを見ている。
そう言えばアスラが"アリスの事よろしく"って言ってたもんな。
そう言えばアリスの視線が俺を見てると思ったのに少しずれてる事に気が付いた。
…もしかして電脳展開型タブレットが見れてる…なわきゃないか。
そんな事はお構いなしにと、アイリスはタブレットを展開する。
魔法欄にレベル1の魔法が一覧として表示する。
1歳でレベル1の魔法が使えるわけか。
2歳でレベル2。
しかし、高位の場合は2年って言ってたな。
場合によってはそれ以上…
そういえば、どこから高位魔法にあたるんだ?
聞くのを忘れてた~!
でも、1歳で呪文を使えるのだから、相当なチートには違いない。
まずは、キュアレベル1!!
掌から緑色の魔方陣が浮かび上がり、魔方陣中心部より光がボンヤリと浮かび上がる。
とりあえず魔法は発現したみたいだが怪我人が居ないから分からない。
こうなったら自分で怪我を…1歳の子供には無理だ。
そもそも自傷癖もないし、痛いの嫌い。
治療魔法の実践は、次の機会だな。
そして私は再び睡魔に襲われる。
アリスの方を見たらアリスはとっくに就寝中なのであった。
今日は電脳展開型タブレットも使えるようになったことに満足して眠りにつく。