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神様?いいえただの悪魔です。  作者: 次元
第2章:熱血学園編
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第40話:仲良くなったその後は、特訓?

ある意味、大連続狩猟を含めた1日の授業が終わった俺とアリスの隣の部屋。

すなわち副学園長の部屋に俺、アリス、副学園長、コリー、ミーシャが集まっている。


そんな状況にハアと溜息を一つ吐き出し右手をオデコに付ける副学園長。


「何故私の部屋なの?」


「私たちの同伴者で保護者だし」


「アリス、副学園長も特訓につき合わせたいって素直に言えば良いのに」


「本当にアリスはツンデレなn」


どごっ!  「ぐえっ!」


アリスの肘鉄が俺の鳩尾にめり込む…。


「お前ら仲がいいな~」


「ほんとね~」


「「そんなんじゃないよ!」」


この光景、デジャブか?


「で、私もコリーとミーシャの特訓に付き合うと…?」


「はい。副学園長も転移魔法使用したくないですか? いつでもアルフレートに帰れますよ」


「まぁね…でも、徹夜は禁止です!」


「おおぉ! さすが副学園長!!」


「ッチ!」


アリスが悔しそうに舌打ちをしている。


「そんなんじゃ…今日中に転移魔法覚えられないわよ…」


小さい声ながらも必死に訴えるアリス…本当に必死だな。

てか魔法を1日で覚えるって普通は無理だからな。


「そんなに早急に転移魔法が必要な訳ではありませんし、生徒が徹夜をすることは副学園長として容認できません。何より、そんなバカげた魔法を1日で習得できるわけないでしょう」


俺はそりゃそうだと首を縦に振る。


「…くっ…」


ハッシュやスージーのようにアスラに認められたのならばその限界値を超え魔法の一つや二つ容易に制御御出来るだろう。

しかし特に加護も無く普通の人には人智を超えた魔法なぞ容易に扱えるわけもない。

完全論破されぐうの音も出ないアリスだったが、縋る様にコリー先輩とミーシャ先輩に視線を向ける。


「コリー先輩とミーシャ先輩はすぐに転移魔法を覚えたいでしょ?」


何とも保護したくなるような視線に母性でも目覚めたかのように何とかしてやりたい衝動に駆られているも、二人とも至って正常な思考でアリスに返す。


「そりゃ、覚えたいが、い…いや、そんなにすぐに覚えられるとも思ってないし…な?」


「そ、そうね。理解も出来てないのにすぐに扱えるとは、とても思えないわね」


コリー先輩もミーシャ先輩も示し合わせたかのように同意の相槌を打つ。


「…無念」


アリスは片膝をついて降参したようだ。


アリス、特訓になぜそこまで固執しているのか。

そういえば昔から自分は出来るのに他の人が出来ない事に異様に悔しがってたもんな。

他の人は悔しい気持ちなんて無いのにアリスだけは他人の為に悔しがってたよな~。

本当にその辺はアスラと同じだわ。


「ほんとにアリスはツンデr」


どごっ! 「ぐえっ!」


アリスの肘鉄が俺の鳩尾にめり込む…。


「相変わらず仲がいいなお前らは」


「ほんとね~」


「「そんなんじゃないよ!」」


アルフレート学園でもイグース学園でもやる事は同じだし、ツッコミも同じ。

いつもと変わらぬ風景だった。



特訓1日目

俺とアリスが転移魔法の理論と原理を説明する。

が、ここで副学園長がある提案をしてくる。


「この特訓を特別授業に組み込んでもらえないかしら?」


良いかもしれない。


「でも…」


俺は少し言葉を濁す。


「転移魔法って、失敗すると異次元とか、虚無空間とか海の中とか山の中とか時空の渦だとかに転移して取り返しのつかない事になる可能性が高いですよ」


それにアルフレート学園でも教えていない魔法を留学先のイグース学園で広めて良いものなのでしょうか。


「え…それはまずいわね」


冷や汗が副学園長の頬を伝う。

コリー先輩とミーシャ先輩に至っては完全に顔から生気が消えうせた青い顔となっている。


「なんでお前らはそんな危険な魔法を作れるんだよ」

「なんで貴方達はそんな危険な魔法を作れるのよ」


二人同時のステレオ効果で声がとても大きく聞こえる。

その心の声も反映する言葉に俺とアイリスは顔を見合わせながら首を斜に傾ける。


「「…なんでだろうね?」」


こちらも負けずにステレオで返す。


その夜は色々話し合いをして結局、特別授業に取り入れるには時期尚早と言う事でアルフレート学園で行っていた事を実践する。

翌日、イグース学園長と今後の学園の教育方針やアルフレート学園での授業内容を伝えた。


「話の内容は分かりました。しかし、入学1年目の生徒が魔力の流れを掴めるのでしょうか?」


イグース学園長は提案された授業内容に懐疑的な表情をするが


「そのために、講師も特別授業に参加して頂く必要があります」


それに対してハーグ副学園長が説明をする。


「ふむ…分かりました。来週から特別授業が行なえるよう、調整してみましょう」


「ありがとうございます学園長」


「いえ、ハーグ副学園長も大変ですね」


「ええ、でも教育者としては充実しております」


「そのようですね。楽しさが顔から滲み出ていますよ」


「あら、そうですか?」(笑)


コロコロと笑う副学園長と涼しげな笑顔を浮かべる学園長。



―――――その日の授業修了後の副学園長の部屋



「と言う訳で、来週から特別授業が出来るように段取りしたわ。」


流石、アルフレート学園一出来る女教師。

対人交渉術は相当な腕前だ。


「お疲れ様です副学園長」


「で、なんでコリーとミーシャがここに居るの?」


「アリスが特訓2日目だって…」


「特訓? 当然徹夜は無しよね?」


副学園長はこの場にコリーとミーシャが居ることも疑問だが、その答えが特訓と言われ眉間に皺が寄る。


「1日での転移魔法マスターは諦めました」


若干項垂れている様子に、納得はしていない様子のアリス。

その様子を見て学園長も若干の安心感を微笑で返す。


「なら良いんだけど、私も受けるのね?」


「そうです!」キリッ(`・ω・´)


「わかりました、それでは始めましょうか」



…3日目……4日目………5日目



「お、おい、アイリス、アリスこれ、む…難しすぎないか?」


「そうですね、相手の魔力を感知して、接続するとかちょっとイメージが湧きませんね」


「―――――っく…」


コリー先輩がヘタレ込んで文句を言ってくる。

副学園長も疲れているようだが、さすがに表情には余裕がある。

ミーシャ先輩に至っては…死んでるのかな?


流石に5日目でも余り成果が得られなかったので、最後の手段として魔力を弄らせて頂く。

あ、そう言えばスージーとハッシュの時は強制的にレベル5魔法ゲーベンスキルで習得してもらったんだっけ。

あの時は時間も限られていたからね。

タブレット魔法を使うのは別に良いけど、その魔法について質問攻めに遭いそうなのでここは無難に行く事にする。


「ちょっと副学園長の魔力をいじって良いですか?」


いじるって言葉に何故か胸を抑える副学園長。

言っておきますけど自分まだ12歳ですから。

大人を相手にするような行動をしても意味ないですよ。

ってか何で胸を隠す必要があるのか疑問ですよ。


「…いいですが…」


触れるか触れないか、そんな距離感で副学園長の腹部へ手を翳す。


「この私の魔力を感じますか?」


「ええ、それは分かりますよ」


「では、物から出てる魔力と、相手の魔力をこうやって接続させます」


「え? 今のどうやったの? 接続した事は感じたのだけれど…」


「これをですね…こうです!」


俺のイメージを端的に言うとコンセントにプラグを挿す。

そんなイメージです。


「なるほど、相手から出てる魔力と物から出てる魔力を馴染ませるように結合させるのね? ちょっと試してみるわ」


流石、副学園長。

一度理解すると呑み込みが早い。


「おい、俺にも教えろよ」


「アリス、私にも―――――」


覚える気があるのだけれど、体力と魔力が付いてこないミーシャ先輩。

再びピクリとも動かなくなってしまった。

それを無理矢理起こすアリス。

本当にアリスの特訓は死に物狂いですよ。

覚えなきゃ終わらないし、覚えるまで終わらせない。


―――――そしてさらに1週間後。


それでは、アリスが大広間で待機してますので、このアリスのボタンを使ってペンを転移させて下さい。


「では、私からやりますよ…転移!」


ペンが光の粒子となって消えてゆく。


『無事ペンが転移しました! では、ペンを送り返します』


アリスから長距離トランスファーが送られてくと同時にシュン!! と光の粒子が集まりペンを形成してゆく。


「よし!」


副学園長が転移術を成功させ小さくガッツポーズをする。

出来る女の副学園長でも新しい魔法の成功はキャラ崩壊するほどに嬉しいらしい。


「副学園長! やりましたね! これでアルフレートにいつでも帰れますよ」


「…いや、まだ不安だから一人では帰らないわ…」


術の成功で嬉しさ満点の笑顔だったのだが、一人で帰る行動に不安感が満たされてゆき、笑顔と不安が同居した居た堪れない顔となっている。

副学園長の成功にコリーも気合を入れる。


「よし、次は俺だな!? いくぞアリス、受取れよ! …転移!!」


気合を入れて挑み、ペンが光の粒子に変換される。

コリーも小さくガッツポーズをするが、すぐにアリスの返答が来ないことにガッツポーズそのままに固まってしまった。


「………………おい、アリス? 届かないのか?」


『コリー先輩…後でペンを弁償してくださいね』


「え?」


シュン! と光の粒子が集まると歪な形のペンが届く。


「何だこのペンは! 完全に原型を留めてない…くっそ…難しいな~」


「じゃぁ今度は私がやるわよ! いい? アリス!」


意気消沈するコリー先輩とは対照的に腕をブンブン振って気合満点のミーシャ先輩。


「どうぞ」とアリスに促されるとミーシャ先輩は魔力を練り上げる。


「転移! ………あれ?」


対象のペンが一瞬だけ煌めくと、ペンがユラリとブレて見えた。

ペンは相変わらずそこに鎮座している。


「…転移! ………あれれ??」


ミーシャ先輩が再び気合を入れて転移魔法を展開する。

ペンは光るがその後は何の変化も示さない。


『転移してこないですけど?』


待てども何も起きない状態にアリスは思わず返信してくる。


「ちょっと待っててねアリス」


「………転移! …………あれれれ?」


『…今戻ります』


シュン!! と音を立てながら光の粒子が集まる。

アリスが転移魔法で移動してきた。

アリスの表情は険しく、コリー先輩とミーシャ先輩を見て悲しい顔をする。


「どうやら、コリー先輩とミーシャ先輩はまだ魔力が多くないようですね」


もう、それはそれは非常に悲しい顔へと変化してゆく。


「多くないって、俺たち獣人だが少なくとも普通の人間より魔力は大きいはずだぞ?」


「コリー先輩とミーシャ先輩はライブビューを使えますか?」


「ええ、使えるわよ」

「当たり前だろ」


「ではそれを私に使ってみてください」


「良いのか? じゃぁ…」と一呼吸し、コリー先輩とミーシャ先輩が"ライブビュー"を展開する。

獣人の世界でも人知れず勝手にライブビューを使う事はモラルに反する認識のようだ。

その後ろで、ひっそりと"ライブビュー"を展開する副学園長。


「「「!!!!!!!」」」


ライブビューでアリスのステータスを閲覧したコリーとミーシャはその結果に絶句する。


「ま、また上がったの? …アリスの魔力は182361のようね」


「「―――――」」


コリー先輩とミーシャ先輩は言葉を失ってしまった。

目がパチクリ瞬きを繰り返している。


「って事はアイリスもまだ魔力が増えてるのね…」


ひっそりとアリスの魔力を確認した副学園長が溜息ひとつ。


「そのようね。でも、まだアイリスに追いつけない…」


キッと俺を見た後、溜息をつくアリス。

俺から見たアリスの表情は、悲しい顔をした鬼と表現する以外思い浮かばないのだが。


「アリス、もう、そういうレベルじゃないわ」


コリーとミーシャは空いた口が塞がらない…そんな二人にアリスは悲しい顔を向ける。


「と言う訳で、魔力がまだ足りないようです」


「お…お前ら…の親は大魔王か何かか?」


俺は"ギクッ"としながらこの世界の親を説明する。


「いえ、王都で王立騎士団長をやっていましたが今では小さい領土を任されているだけの普通の父と母です」


実際は大魔王の子じゃなくって"大魔王本人"ですけどね。


「私はアイリスの家でお手伝いさんをしていた母と今は居ないけど農家をやっていた人が父です」


あ、アリスのパパって農家をやってたんだ?

今初めて知ったよ。

でも何で領主である俺たちと近しくなったんだ?

その辺の事って深く考えた事も無いし、聞くのも躊躇われてたから聞いたことも無かったんだよな。

ま、いっか。


「「極々普通の子供ですよ」」


「全然普通じゃねーよ!」

「全然普通じゃないわよ!」


全く納得していないように二人で良い感じのツッコミをする。


「どうやったらそんな魔力が上がるんだよ? 上級の魔人だってそんな魔力の奴なんか聞いたことねえよ」


コリー先輩にヤンヤ言われても、確かに普通では御座いませんと理解はしてる。

それでも俺とアリスは視線を交えると「「さぁ?」」と答えるしかなかった。


「でも加護が付けば上がるんじゃないですか?」


「アルフレートの友達だって後から加護が付いたし」


そんな言葉に一瞬間をおいてコリーがすごい剣幕でこちらを向く。


「そんなの勇者しかいないだろうが!!」


「ちょ…ちょっと待ちなさいアイリス! アリス! もしかして後から加護が付いたって…ハッシュとスージーの事なの?」


俺の言葉にコリーより遅れて我に戻る副学園長。


「「そうです」」


俺とアリスの答えを聞いて目を見開く副学園長。


「何で黙ってたのよ~!」


その場にいた全員が副学園長の剣幕を聞いて"ビクリ"と体を強張らせる。


「え…なんでって言われても…聞かれなかったから?」


オデコに指を当てて盛大に溜息をつく学園長。

その表情には盛大に疲れが見て取れる。


「後から誰が加護を受けたかなんて、そんな事聞く人なんか誰も居ないわよ! どおりで…あの二人も極端に強くなったのね」


「ですね」

「そうね」


疲れた顔が若干笑顔になる副学園長。

それでもハッシュとスージーの変化に妙に納得する。

そして、転移魔法を扱える自分も知らず知らずのうちに加護が付いたのかと期待する。


「もしかして…私も加護が付いたとか?」


「いや、それは無いと思いますよ。アルフレート学園での特訓で魔力が強くなったので転移魔法を覚えられたと思いますし」


「…そうなのね」(´・ω・`)


あからさまに"ショボーン"な顔になる副学園長。

なんか…すいません。


「と言う訳で、2人はもう少し特訓すれば魔力が上がると思うのでもうしばらくは特訓しましょう」


「お…おう…」

「そ…そうね…」


意気消沈するコリー先輩とミーシャ先輩。


「何だったら、必殺技も特訓します? アルフレートの友達も必殺技を覚えたら魔力が上がりましたし」

「それは良い考えね」と賛成してくるアリス。


負けじとアリスの口角が上がり"猛特訓"と言うよりも先に学園長が動く。


「アリス、徹夜はダメですよ!」


アリスが何かを言い返す前にすかさず、アリスの肩を掴んだ副学園長が「徹夜はダメ」とさらに念を押す。

助かったと安堵の顔をするコリー先輩とミーシャ先輩。


「くっ…」


毎度の事だがアリスの悔しがる意味が分からん。


「じゃぁアリスお前らが使ってる魔法剣ってやつ? あれを教えてくれよ!」


「分かりました!」.:*゜.:。:.(´∀`).:*゜:。:.


ホクホク顔のアリス。

その顔は天に帰った天使のように呆けていた。


「…ねえアイリス…あれ、私の爪にも使えるの?」


最初はアリスに問いかけていたミーシャ先輩も天に上ったアリスが帰ってくる気配がない為、俺に問いかけてくる。

俺、未だにミーシャ先輩に警戒されているのか? そんなに嫌われるようなことしたか? うん、したな。

少し寂しい気分になりながらも返答する。


「剣が爪になっただけですから使えますよ」


「じゃあ私にも教えて!」


翌日、コリー先輩とミーシャ先輩の話を聞きつけたクラス全員が俺にも教えろ! 私にも教えろ! と詰めかけてきた。

強者に強い憧れを抱く獣人なだけあって、強くなることに戸惑いが無い。と言うより貪欲と言ってもよい。

そんな訳で、ハッシュの必殺技はイグース学園で量産される事となった。


ハッシュ! すまん!!!



ガンガン更新しますよ~(空回り)

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