第84話:ユウコりんと自衛隊
自衛隊が話に絡んでくると「自衛隊はそうじゃない!」とか
自衛隊員はそんな事を言わないとか、武器の使用にリアリティが無いというご指摘を受けます。
確かに私は自衛隊に入隊した事も無ければ
取材をした訳でもないので、自衛隊とはこういうものだ!
と言うのが無いのでリアリティが欠けてるのも理解しております。
なにぶん、素人さんの作品ですのでアドバイスを頂き改善したいと思いますので
温かい目で見守ってください。
という事で続きをどうぞ
―――朝10時 公園ゲート前
俺達は、もう二度と開園されない国営プールのゲート。
一昔前までは、普通に横にスライドさせるタイプのゲートだったのだが、急造仕様なのだが、堅牢にして厳重なゲートに早変わりしていた。
そのゲートの前でワンボックスカーに乗るメンバーは俺、宏樹、ユウコりん、ハルちゃんの4名。
大きいまゆゆも小さいまゆゆもノンたんも美智子さんもキヨシも…簡単に言えば全員が我も我も同席するって言うのだが、何かあった時の為に待機してもらっている。
いつもの如くインカムをセットして行こうとしたのだが地下に行くと使えなくなるだろうし、警戒されるから「インカムはなし」とユウコりんに言われ渋々と耳から外す。
本当はここに来たことのある美智子さんとキヨシに頼もう岡と思ったのだが
美智子さんから気持ちの良い程、仄暗い笑顔で「嫌よ」と言われてしまったのでこのメンバー。
側道で笑顔で拒否した美智子さんであったが、拒否はするがはやり女子中学生の事が心配らしく、美智子さんに「何かあったらどうするの?」って質問に、片目を瞑りながらサムズアップし「大丈夫」と返すユウコりんの意味不明な緩んだ表情に誰も何も言えなくなる。
まゆゆに至っては「裕子ちゃんが大丈夫って言うから大丈夫だよ」と笑顔で答えていたが。
仲が良いのか何なのか…ユウコりんも大概だが、まゆゆもその胆力は大概だよな。
ユウコりんの方は武器弾薬が手に入るかもしれないのとヘリを操縦できるかもしれない期待感でテンションが上がって、真剣に取り組もうとしてるのだろうけど。
俺と宏樹、ユウコりんが手にしてるのはM360J SAKURAだ。
俺達が収穫した自衛隊用の武器では無く、以前にフォレストタウンを襲撃した連中から頂いたものである。
彼らは警察官のゾンビから拾得したと思われるが…生きた警官から奪ったものではないと祈りたい。
このM360J SAKURAはさらに良い装備を頂けるための餌とすることにした。
時間の5分前くらいに極力音が出ない様に、ゆっくりとゲートが開く。
中から深緑の迷彩服に深緑の迷彩ヘルメットを着用し、肩に89式を背負った隊員3名とMINIMIを装備した隊員が1名。
先頭の隊員が手招きをするので、車をそこに停車させ即席だが頑丈そうなゲートを潜る。
隊員はすぐに外を確認しながらゲートを閉じてゆく。
歓迎の挨拶をされた後、すぐに自衛隊員が運転するジープに乗車するように指示される。
プール駐車場を通り過ぎ、そのまま公園内の道路を走行すると、シャッターで閉まった地下入り口に案内される。
シャッターの大きさは4トントラックが余裕で通過できるほど、横幅にも縦幅にも大きく、それでいて店舗のシャッターとは比較するのも烏滸がましい程に強固だ。
重厚なシャッターがゆっくり開いてゆくとジープが再び走り出す。
中に入ると巨大格納庫の様な巨大な工場の様なそんな印象を与える程に広く、自衛隊のトラックや車両が居並んでいる。
中には装甲車両や戦車らしきものも見えた。
俺と宏樹は「ほえ~」と間抜けな声を上げていたが、ユウコりんだけは夢見る少女の様に目を凛々と輝かせていた。
終いには「ねぇねぇ、あの中の1台くらい貰えないかな?」と言い出す。
「あんなの貰えるなら、ヘリの一機も貰えるんじゃない?」
「そうかな? あれがあればゾンビなんて怖くないと思うけどね」
ユウコりんの返答に苦笑いを浮かべていたらジープが止まる。
俺達も車を降車すると、そのまま今度は徒歩で案内された。
案内役の自衛隊員が認証カードをセンサーに晒すとドアの開錠音がし中に案内される。
そこは学校の様な長い廊下に左右に扉があるどこかのオフィスの様な感じだった。
その廊下を進むとエレベータに乗り上階へ。
そこから歩く事数分。
やっと両扉式の部屋に案内される。
案内してくれた隊員がコンコンとノックし「大山一尉であります! お連れ致しました!」と大声で述べる。
ここが普通の家だったら殴っているほどの大声に俺は戸惑っていると中から「ご苦労! 入り給え」と声を掛けられる。
大山一尉は扉を開けると、踵をコツと鳴らし敬礼をしながら入室を薦める。
俺もその態度に緊張し小声で
「し、失礼します…」
と入室する。
宏樹も緊張すると無口になるので何も言わず入室する。
ハルちゃんは宏樹の後ろでいつ何事が起きても良い様に宏樹を守る位置に付けてる。
流石、自称宏樹ガーディアンのハルちゃんだ。
ユウコりんはそんな中でも割と普通に俺の横に並ぶ。
しかも満面の笑みを浮かべながら。
その部屋はテレビで見た事ある様な◎の形のテーブルで周りに椅子が10個ほど収められている。
部屋の4隅には89式を肩に担いだ隊員が直立不動で立っている。
その様子に呆気に取られていると、迷彩服を着た一人のおじさんがこちらに来る。
「こうして挨拶するのは初めてだね。私が沖田だ。」
そう言って敬礼をした後、握手を求めてくる。
こちらも自己紹介をする。
「電話で話をした高橋です。宜しくお願い致します。」
「浜田です」
「武藤です」
最後にユウコりんが手を差出し「一条です。沖田おじちゃんご無沙汰してます」
ユウコりんの言葉に一瞬呆ける沖田だったが、その後目を丸くして
「ゆ、裕子ちゃん? 大きくなったね! よく無事で!」
沖田一等陸佐の言葉に、席についていた他のお偉いさんであろう人たちもざわつき始める。
「うん。そこの武志さん…じゃなかった。高橋さんと浜田さんに助けて貰ったんだ」
その言葉を聞いてこちらにえらい勢いで振り向くと「そうだったのか! いや、裕子ちゃんを助けて頂いてありがとう!」と再び手を握られた。
俺と宏樹は状況が飲み込めないので「あ、はあ…」と繰り返すだけだが、そう言えばユウコりんの両親は自衛隊員って言ってたからそれ関係カナ?
「そうかそうか。何にせよ良かった。先生達には逢えたかい?」
「ううん、それがこんな状況になっても未だにどこに居るのか分かんないのよ? 全く…子供を放置して何処に居るのやら。ま、|お父さんとお母さん(あの2人)なら間違っても死んでは無いと思うから心配はしてないけどね」
と両親の安否に笑顔で答えるユウコりん。
そんなユウコりんを育てた両親っていったい…。
ユウコりんの言葉を聞いて豪快に笑い出す沖田さん。
「自分もそう思う。世界最強で世界最恐の二人が死ぬわけないな!」
とユウコりんと揃って大笑いしてる。
1等陸佐にこのように言わしめるユウコりんの両親って…
そんな事より作戦ですよ!
「あ、あの?」
「ああ、そうだったな! 縦田基地救出作戦だったね」
そう思って席を見ると、他の上級士官であろう人たちもこちらとユウコりんに敬礼をしている。
ユウコりん…マジであんた何者?
全員が円卓を囲うように座ると「早速だが作戦概要を聞かせてくれないか?」と沖田さんが言ってくる。
他の上級士官も全員が特務機関の司令の様に両手を合わせ口の前に添えている。
なんだ、自衛隊はいつからネルフになったんだ?
「今回の作戦は難しい事は何一つありません。轟音を立ててゾンビが居なくなったところで救出するだけです」
俺の端的な説明を聞いて呆ける沖田一等陸佐と他の上級士官たち。
余りにもざっくりとした内容だったので、沖田さんが誰よりも早く我に返り俺に質問をしてくる。
「具体的には?」
「まずはヘリなどからミサイルを発射します。この静まり返った世界であればミサイルの炸裂音は相当響くと思うので」
「と言う事は…君はあの暴徒が居るかもしれない場所にミサイルを撃つと言う事か?」
随分と遠回しな話しぶりだな。
ゾンビを暴徒と定義している自衛隊の皆さんには承諾できない話だろうが。
「居るかどうかは分かりませんが、ミサイルを撃つと言う事ですね」
沖田さんの隣のおっさんが立ち上がりすごい形相でこちらを睨む。
「キミは日本国民に向かって我が自衛隊の武器を使用するって事か!?」
何というか、まだゾンビを日本国民と言うのかな?
確かに元日本国民な訳だけども。
「ではお伺いしますが、自衛隊とは何の為に在るのですか?」
「我々は軍隊では無い! 国を守り国の安全を保つ為、日本国のため、日本国に住まう日本国民を守る為に存在している!」
俺は首を縦に大きく振る。
「知ってます。では元日本国民が日本国民を食い物に、文字通り食料として襲っている場合、どのように行動されますか?」
俺からの質問を受けた自衛隊員は眉間に皴を寄せる。
「我々は武力で国民を制圧する事は無い。ましてや我々は警官でもない。暴徒を制圧させる命令が出ていない以上、民間人同士の問題だ!」
ふむ。
命令が無いから動かないとは確かに御国の機関らしい物言いだ。
しかし、それだと何で上層部はゾンビの殲滅を命令しないんだ?
現に国家存続の危機なのだけれども。
「沖田さんは暴徒と表現してますが、本当に暴徒と思ってますか? 心臓が停止しているのに動いているのは暴徒ですか?」
生者と死者の定義。
そうなると個人の見解も思想も宗教も入り乱れるから難しい話になる。
しかし襲われそうだから逃げる。
殺されそうだから抵抗する、対抗する。
そうすれば難しい話でもない。
「なぜ君は心臓が止まってると分かるのだね?! 解剖でもしたのか?」
「しましたよ?」
俺の言葉に俺に声を荒げる自衛官が目を剥く。
「―――!!」
俺の発言を聞いて席につく他の上級士官たちも眉間に皺を寄せ目を見開いている。
「き、君は医師か何かかね?」
「医者でなくても、胸を開いて動いていない心臓を見れば心臓は停止している。死んでると分かりますよ。でも胸を開かれ心臓が止まっている状態にも関わらず動いている。あれを暴徒の一言で終わらせるのですか? その辺は米軍の方が対応は早かったですね」
他の上級士官が俺を指さし質問を投げかける。
「き、君は米軍が何をしたのか知っているのか?!」
俺はそう言われ、腕を組み天井を見つめる。
「そうですね…ゾンビに混じって逃げ惑う民間人を撃ち殺したり、ゾンビに襲われる自衛隊員を尻目に逃げ出したり、海上や本国に早々に逃げ出したり行動は早かったですね」
何で知ってるんだ? って顔を向けてくる自衛隊の皆さん。
「ま、国民を守るのが使命の自衛隊の皆さんは手を汚さなくても平気ですよ。俺達がやりますから」
「な、なんだその言い方は! 君に言われなくても我々だって―――」
俺はワザと相手を挑発するように右手を自分の耳にあてて、
「え? 皆さんがやります? 皆さんがゾンビ、じゃなかった。暴徒を鎮圧して頂けるんですか? それであれば日本国民の一人として安心できます。この数ヶ月、国がマヒするような事態だったのが、昔の、数ヶ月前の平和な生活が出来るって事ですよね?」
そう言われて皆が押し黙ってしまう。
ここに居る上級士官は分かっているのだろう。
そんな穏やかで平和な日々など帰って来ない事に。
だから、カマをかける事にする
「って事は、もうそろそろ孤島や海上に逃げた政治家さん達も永田町に戻って来るって事でしょうか? 自分たちの事を最優先に考える政治家が戻って来るなら間違いないですね」
「な、何でそんなことまで…」
いや、本当は知らないよ。
でも普通に考えれば分かりそうな事でしょ。
それにゾンビと言えども病気の可能性も有る。
病気だったら治療する術がいつか見つかるかもしれない。
そんな相手に率先して銃を撃つことはできないだろうと自衛隊員がゾンビを撃つのを躊躇う理由も述べた。
でなければゾンビと人間の比率が覆る事なんて無かったですもんね?
殆んどは想像ですけど。と後付した。
円卓に肘を乗せている上級自衛隊員の皆さんは一様に目を瞑る。
「ここに居る皆さん。こんなパニックが発生したのはいつ知りました?」
宏樹が普通の声色で上級士官たちに語りかける。
「ここに居る皆さんは、病人が人を噛み、噛まれた人が発病して他の人を噛む。そうして連鎖的に、爆発的になって手の施しようが無くなった時に知ったんじゃないですか?」
その話を聞いて皆が一様に、当たり前じゃないか! って顔をする。
「でもね。こいつはパニックが起こる1ヶ月前から気が付いてたんだよ? 信じられます? ゾンビが発生するってそんなバカげたことを1か月前から。しかもゾンビが発生したらどうなるかなんてシミュレーションはゾンビ映画が放映された当初から考えてたんですよ?」
上級士官たちはお互いの顔を見た後、俺の事を見てくる。
「だからこんなパニックが起こった時に政治家や他の軍隊がどうするかなんてとっくにシミュレート済みなんですよ。分かります? すべて織り込み済み。だから武志が言った通りなんでしょ?」
政治家や幕僚たちが海上や孤島に逃げた事など誰も知らない。
そんな事を知っている武志は、脳内シミュレートで導き出した結果である。
だから上級士官たちの言葉は武志の思い描いていた内容の答え合わせに過ぎない。
「ま、そんな事はどうでも良いです。皆さんは縦田基地に残ってる人を救いたいのですか? それとも―――」
「救いたいに決まってる!」
そう言って円卓を叩きながら席を立つ沖田さん。
「しかし…」
この先は先程の繰り返しと悟り、俺が率先して話を切り出す。
「だから、俺達民間人がやりますよ」
俺は笑顔で沖田さんに返答する。
「しかし、これじゃ心もとないです」
そう言いながらM360J SAKURAを取り出す。
今までも銃を持って暴れた暴君が居たのだろうか。
部屋の4隅で直立していた隊員が89式を構えるが、それを制止する沖田さん。
「大丈夫よ! 私も居るから! でも私もこれだけじゃ…ね? 沖田のおじさん!」
明るく、透き通った、それでいて頼りがいのある声でユウコりんは沖田さんを見る。
そのユウコりんの前にはM360J SAKURAが置かれている。
沖田さんは他の上級士官に目を配ると皆も何かを納得したかのように目を伏せながらも小さく頷いている。
「って事で、ヘリを貸して下さいね」
「って事で、武器も貸して下さいね」
「ミサイルも付けてね」
「弾薬もイッパイお願いしますよ」
そこには既に自分たちのターンと言わんばかりに満面の笑みでお願いするユウコりんと俺の姿が在った。
「ちょ、ちょっと待ちたまえ! 裕子ちゃん、ヘリは我々が―――」
俺たちの畳みかけた言葉にも反応する沖田さん。
「ううん、私が操縦するから大丈夫。壊さない様に返すから安心して?」
いや、そう言う問題では無い! って沖田さんはしてるが、当のユウコりんは私以外に誰が操縦するの! と、さも当たり前の顔をしている。
「自衛隊は日本国と日本国民を守ればいい。自衛隊が日本国民に銃口を向ける必要はない」
現にここにいる自衛隊員が言った事を俺の口からリピートする。
「それに、民間人の問題は民間人が何とかしますよ」
俺はドヤ顔でハッキリと口にする。
俺の言葉を聞いて沖田さんも諦め顔でこちらの要望を聞いてくる。
他の上級士官に至っては、ユウコりんに逆らう事が出来ないのか同意を求められたら了承を出すだけとなっていた。
こうなるとユウコりんの独壇場だな。
「何がいいかな…AH-1Sかな、AH-64DかなOH-1でもいいかな…」
「アパッチとかコブラなんて、ここには無いからね?」
沖田さんから真剣な軍人特有の威圧的な表情が消え、苦笑いしか出ていない。
「え~ニンジャだとミサイル4発しか打てないし…そんなんじゃゾンビは誘導できないな~(棒)」
と言いながらチラチラ沖田さんを見るユウコりん。
その眼差しを受けてミサイルポットを増設する方向に話が進む。
その回答にユウコりんもにっこりし「だから沖田のおじちゃん好き!」と言い沖田さんに飛びつく。
飛びつかれた沖田さんも娘か姪っ子と思っていたユウコりんに抱きつかれた事が嬉しいのかニコニコ顔。
その様子を見ている沖田さんの部下でユウコりんの親を先生と呼ぶみんなもほのぼのと笑顔を湛えている。
苦笑いではあるが。
その光景を尻目に俺はそんなユウコりんが怖い。
「しかし裕子ちゃんや君たちだけに危険な事はさせられない」
そう言いながら自衛隊でも何か出来る事は無いか問うて来たが、ここぞとばかりにユウコりんの独演会が始まる。
その結果、地上からもゾンビを誘導できるようにと81mm迫撃砲の支給や駐屯地内からの120mm迫撃砲による援護射撃。
そして155mm榴弾砲によるゾンビ誘導砲撃にも漕ぎ着ける。
何というか、作戦の立案は俺だったのに何故かユウコりんの独壇場ともいえる武器の調達と運用方法などが説明される。
上級士官からは
「さすが一条先生の娘さんだ」
「この作戦であればあいつらを救う事も出来るな」
と言わしめるほどだった。
そして俺と宏樹が円卓の上に出したSAKURAの替わりにH&K USP(サプレッサー付)と9mmパラ500発の弾薬、そしてMINIMI1丁と弾薬(弾帯10本1000発)も頂けることになった。
そして車に戻ると驚いたことにM26手榴弾が1ケースに指向性散弾1ケースに玩具じゃない、本物の無線機が積んであった。
「武器はともかく、無線機なんて使えないぞ?!」
って愚痴っていたら「大丈夫。私が使うし」と平然な顔でさも当たり前のようにユウコりんが答えていた。
何ですの?
あんたここの師団長ですの?
あ、違った。鬼軍曹だった。
と思った所で、ユウコりんに睨まれたので「ウソウソ」と言っておいた。
おかしい…口に出していない筈なのだが。
そんなこんなで家に帰り、本日の結果を報告すると、皆がおいしそうに肉を頬張るユウコりんの顔を見て短く溜息をしていた。
ユウコりんは皆の自分を見る顔に「ん?」と短く言葉を発すると、
「いや~このお肉美味しいですね~。ね? 麻由先輩!」
と、あの場に居なかったまゆゆに誤魔化すように問う。
その肉は美智子さんとキヨシの今日の収穫の一部だとまゆゆに説明される。
よしよし、何とか話を逸らせたな。と思うユウコりんの思惑を見事に粉砕したのもまゆゆだった。
「で、裕子ちゃんは何で自衛隊員である沖田さんを知ってるのかな? 一佐って聞いて良く分からなかったけど、武志さんに聞いたらそれなりの偉い人なんだよね?」
そう問われ、渋々と自身の過去を話す事にした。
その表情には諦めと、苦い過去を思い出し、知らずに眉間に皴が寄っていた。
ユウコりんのその表情に、聞く側も知らずと肩にも力が入る。
誤字脱字や矛盾等がありましたらご報告お願いします。
あと、こう言う風にしたら良いとかこんな展開も希望等ご意見ご感想もお待ちしております。
評価など頂けたら嬉しい限りです。