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神様?いいえただの悪魔です。  作者: 次元
第1章:転生
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第2話:赤ちゃんの役得と冒険の始まり

短いです

産みの苦しみとはよく言ったもので、母親は男には想像もできないほどの激痛を伴って出産を行う。


そしてそれは、生まれてくる子供も同様に苦しいものなのだ…普通は。

前の俺だったら10分20分無呼吸でも平気だったのだけれど、さすがにこれから生まれ出る赤ん坊には酷な話。


陣痛が始まり産道を通っている間は完全に無呼吸状態。

はっきり言って死にそうです。

生まれてくるのに死にそうとか少し不謹慎ではあるが。


俺の誕生第一声は鳴き声ではなく「プハッ!!」だった。


その後、呼吸を落ち着かせようとしていたら逆さにされて思いっきり尻を叩かれた。

「いぎゃぁ!! いんぎゃぁ! やんぎゃ~!!!(いて!! いやマジで痛いから! やめて~!!!)」


ここで周りは安堵と笑い声と喝采に包まれた。

こうして元極めし者のアイリスはこの世界に再誕した。




アイリス0歳


毎日、乳を吸い寝るだけの日々………正直、飽きた。


言葉はしゃべれないし立てない。

いや、しゃべれるんだが舌足らずで、それを見た父親が頬をスリスリして来るからしゃべるのを止めた。


乳を吸ってるとすぐに眠気はやって来る。

寝てるときは気持ちいいし、乳を吸ってるときは最高だ。


でも、早くステーキが食いたい。

焼肉喰いたい。お好み焼きが食いたい。

お好みの後は焼きそばで締めたい。


こう見えても前に日本に行ったことがあり、そこでオタク文化と言うものを知り

以降は暗黒の女神の次に神田明神を信仰していたりもするが、暗黒の女神には内緒。


今日は母が居ない。

乳もない、いや父も居ない。


父は元屈強な冒険者で、領地内の略奪者や内乱を収めた功績で大公から爵位を授かったとか。

母も元は辺境伯の次女として生まれ、父の猛アタックの後結婚したとか。

そんな父の勇猛果敢さ、領民に対する真摯な態度と、人々を守る腕の強さを頬を赤らめながら話す世話係のメイドと目が合った。


生まれたての赤ん坊には言っても分からないだろうと思ったのか?

俺は既に理解していたんだぞ!? 頼むから出来立てホヤホヤの俺の家族を潰すなよ?



そんなこんなで、父は侯爵に呼ばれて不在だ。


そして母の代わりに乳母が乳をくれる日だ。

そして目の前の見ず知らずの女のピンク乳首にしゃぶりついている。

隣にはこの女の子供も一緒に乳を飲んでいる。

しかし、乳がパンパンに詰まっている張りがありすぎる胸は好みではない。


可能な限り乳を飲み尽くす。

俺の顔よりも大きなおっぱいを両手で揉みしだく。

そうして乳の出を良くしながら、柔らかくなるおっぱいを堪能する。

舌で舐め上げ、舌の先端を乳首にあて、歯の生えていない歯茎で甘噛みをする。


「モミモミペロペロツンツンハミハミ………」


目一杯堪能した所で乳母を上目づかいで見ると頬が仄かに赤くなり、眉間に皴を寄せながら目を瞑っていた。

そう言えば、乳首が固くなってる。


俺は相変わらず罪作りな男だぜ! と、生後0年目にして自覚した。


その後、背中を軽くポンポンと叩かれると「けぷっ」とゲップがでる。

ふむ、今日は思いっきり乳を吸ってやったからな、味と言い感触と言い、十分に堪能させてもらった。


乳母が「はぁ………」と小さく溜息だけ発した。


それからは、母がいる時でさえ乳をあげに来る。

この乳母は名を「テイラー」と言うが、俺の中でミドルネームは「ビッチ」となった瞬間である。


そのビッチ、もといテイラーはほぼ毎日来るので、おのずとテイラーの子供アリスと遊ぶことになる。

遊ぶと言っても隣で寝ているだけなのだが。


寝てるだけであれば何の問題も無いのだが、アリスはうるさい。

寝ていると何が起きたのか分からないが突然泣き出す。


突然泣き出すものだから俺も落ち着いて寝てられない。

寝たいのに寝れない状況と言うのは非常に精神的に来るものがある。

これは何百年、何千年、何万年と過ごした俺でも、肉体に依存してる限り眠気と言うのには勝てない。


そんなときはぎこちないながらもアリスの頭を撫でてやると泣き止むという事に気が付いた。

それからは俺の安眠の為に泣くと頭を撫でる習慣がついてしまった。


そんな赤ちゃん全開なアリスも乳母の乳を吸ってるとき、時々殺気を感じる時がある。

アリスから発せられる殺気みたいなものなのだが……いやいや、赤ちゃんにこの殺気は出せないだろうと思ってみたりする。


俺も例に漏れず生後0歳な訳だし、殺気と何かを勘違いしたんだろう。

うん。そう思う事にする。


今日も今日とていつもの如くアリスの泣き声に目が覚める。

って言ってもほんの数時間前に頭を撫でて泣き止んだからやっと眠れると思った矢先の事ではある。


そんな寝不足気味なある日、先ほどと同じようにアリスの頭を撫でようと起き上がった時である。

「ヨッコイショ」と這いずるように態勢を変えようとしたとき、手と足から力が湧きあがってくる感覚があった。

そうして寝ている体を反転させて手と足を交互に繰り出す事に成功した。

赤ちゃん初級スキル:ハイハイをマスターした瞬間だった。



こうして俺の冒険が始まった。

いや、冒険が始まるのだと歓喜した。


一先ずアリスの頭を撫で続けてると次第にアリスは眠りに落ちる。

アリスの頭を撫でながらも今後の目標を設定する。


俺の壮大な冒険の第一章は屋敷の1フロアを完全制覇する事だ!



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