第61話:通販サイト
この小説を観てくれている社長さん!
お仕事待ってます!
それでは続きをどうぞ
―――我が家
いつもの如く最初はベッドで寝ていたのだが、やんごとなき後、寝苦しさのあまりベッドから抜け出しリビングのソファーで横になっていた。
しかし、これまたいつもの如くまゆゆとユウコりんに押しつぶされる形で目が覚める。
世の男性諸君であれば、嬉しさのあまり前かがみになる事間違いなしのシチュエーションなのだが、今の俺には地獄すら生ぬるい。
宏樹のように手を出しちゃえば問題ないよ。
でもこの状況で未成年の女性二人を受け入れていいものかと…
でも、そんなの関係ね~! とばかりにモーションをかけてくる2人。
私の理性は崩壊寸前ですよ。
ま、そんな事は置いておいて―――。
ノンたんと美智子さんは水耕農園専用家屋の隣の家に住居を構えた。
キヨシは我が家の前の家に住むことにした。
キヨシは若干17歳にして一国一城の主だ。
うん、大したものだ。
自分で建てた家じゃないし同居人は居ないし、食料も備品も殆んど調達して頂いているから大したものは無いがな。
ま、唯一の不安は、こんな時に一人で寝てて何かあったらどうする?
って所なのだが、1階玄関は当然の如く、年中鍵が掛かった状態にしておく。
出入りは2階リビングのベランダから、水耕農園へ行く方法と同じ。
ベランダから足場を橋代わりとしている。
これにより、1階からの侵入に迅速に対応できる。
そもそも、この辺の区画に入り込んだら動感センサーが警報を発するんだけどね。
当然、警報のランプは室内に引いてあるから侵入者は見つかったかどうか判断はつかない。
それに夜間に電燈の光が漏れないように雨戸やドアの隙間を埋める。
防音性などは我が家の方が格段に高いため、就寝以外はみんな我が家に集まる事となる。
ついでに塀も増築。
水耕農園家屋と同様に足場で作る訳だ。
こんな環境だから生存者がいるかどうかすぐわかるだろ?
とお思いの方、案ずるなかれ。
道路からは一般家屋の様にしてあり、庭や裏に回らなければベランダ越しに橋が架かってるなど知る由もないのだ。
と言う訳で話はリビングに戻る。
特に時間は定めていなかったが、キヨシもノンたんと美智子さんもリビングに集まっている。
居ないのは宏樹とハルちゃんなのだが、起こしに行くと精神的にヤラレてしまう恐れがあるので、敢えて放置する。
別にこんなご時世に時間の概念なんて在って無いようなもの。
だから予定が無ければ特に沖縄ナイズなのだ。
皆がコーヒーを飲んだり、銃の整備をしていると二人が3階から眠そうに降りてくる。
美智子さんとキヨシは特に扱いなれていない銃器の勉強を鬼軍曹から教授している。
銃器を扱っている時だけ鬼軍曹になっているのかな?
それとも、俺と宏樹と新しく加わった二等兵キヨシだけなのか?
どうやら後者の様で…うん、深く考えないようにしよう。
今日は大仕事が待っている。
フォレストタウンの女性陣を避難所へ届ける作業の説明会。
避難所と言っても避難している人が居るのか。
既にゾンビに攻略されてしまっているのかは定かではない。
ただ、前から宏樹と考えていた事はある。
それは、自衛隊駐屯地の状況である。
自衛隊が存在していても住民が逃げ込んでいてもどっちでもいい。
ゾンビに攻略されていたら武器を物色に。
攻略されていないのならそのまま女性陣を避難所に誘導し退散するだけ。
ただ、今回は女性陣を連れて行くのだから、出来れば自衛隊には生き残っていてほしい。
そうでなければ大変にメンドクサイ事になる。
―――本当に面倒臭い。
俺達の存在を知られずに女性陣を自衛隊に保護してもらう。
うん、ここで作戦会議をしていても俺たちだけでは無理ゲーだな。
はっきり言ってフォレストタウンの女性陣任せだ。
俺達は自衛隊駐屯地近辺まで彼女たちをエスコートするだけ。
ゾンビが溢れかえっている世界ではそれが難題なんだけどね。
生存者が居ると言う事は、ゾンビも集まっていると同義なのだ。
俺が頭を抱えていると珍しく宏樹から提案される。
「ヘリのラジコンとかで基地上空の様子を確認するのはどうよ?」
「おお! 宏樹先生閃いてる!!」
と思ったのだが、ラジコンヘリを誰がどこから調達するのか?
フォレストタウンの玩具売り場に行けばラジコンヘリはあるだろうか?
しかし、あってもそれはあくまでも玩具。
電波だって何十m届くかと言うレベルだろうし、カメラを取り付けて飛ばすことなんてできるのだろうか?
本格的に何百mもの飛行を可能にするとなると趣味の世界のRCヘリになる。
思い付いたのが飛行機やヘリに強い模型屋。
100%営業はしていないだろうが、100%在庫として置いてある。
俺と宏樹はそんな店を知っている。
そこへキヨシが入ってきてキヨシを含んだ3人で盛り上がっている。
小学生の頃にラジコン飛行機を作って3秒で墜落したとか、2か月間でラジコンヘリを作って10秒で墜落したとか。
その度にキヨシが「マジっすか!」「すげーっすね」とか煽ててくる。
宏樹は、エアーウルフを再現しようと熱くキヨシに語るが、エアーウルフを知らないキヨシは宏樹の熱意が伝わらない。
仕方がないので色々と話すのだが、見た事も無いキヨシには逆効果だった。
宏樹は「ったく、話にならん! 今度お前にエアーウルフを観せてやる!」と大昔にTVから撮ったビデオテープとサントラレコードを抱えて吠える。
俺はそんな宏樹を尻目に、エアーウルフってDVDとかで販売してるのか疑問に思いネットで調べてみた。
…何と! コンプリートボックスなるモノが発売されているようでその事を宏樹に言うと
「なんだと! ANAZONで注文を入れておいてくれ!」
と頼まれたので、ANAZONで注文する事とする。
ついでに俺はナイトライダーも一緒に注文しておいた。
自動返信メールが送信されてきたが、商品も届いたらビックリである。
まあ、男とはこう言う実用性皆無なホビーモノに強い憧れがあるのだよ。
大盛り上がりの中、女性陣からの冷ややかな質問。
そんな中でまゆゆがポツリと一言。
「ねえ、だったらドローンとかの方が良いんじゃない?」
俺と宏樹、キヨシは少し考え
「そ、そうだよな。ドローンの方がカメラ搭載してるしな」
「ああ、俺は飛ばせれば何だって良いし」
「流行りはドローンっすよね」
そう、俺たちは女性陣に頭が上がらないのだ。
しかし宏樹さん? 飛行機やヘリを数秒で墜落させた経験をお持ちなのに今回もパイロットですか?
まぁ、無知な未経験者より墜落経験者ではあっても経験者に任せるのが一番か。
なんせ、俺なんてRCカーしかやったこと無いし。
飛行機やヘリなんて自慢じゃないが俺は離陸させることもできなかったが。
キヨシに至ってはプロポ(コントローラー)さえ持ったことないって言うし。
そうと決まれば、早速AMEZONで追加注文だ!
うん、相変わらず返信用メールだけは律儀に送付されてくる。
こんな状態でもサーバーは生きてるようで通販専門サイトも稼働はしている。
生憎と注文しても1度として商品が届いたことはないがね。
今回もノリで10台ほど注文してみた。
配達員がゾンビで無い事を祈る。
誤字脱字や矛盾等がありましたらご報告お願いします。
あと、こう言う風にしたら良いとかこんな展開も希望等ご意見ご感想もお待ちしております。
評価など頂けたら嬉しい限りです。
いや、評価ください!(切実)
評価じゃなく仕事でもOKです!