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神様?いいえただの悪魔です。  作者: 次元
第3章:死者の星
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第49話:同級生登場

今回は少し長めです。

偵察編と襲撃編に分けようかと思たのですが

ええい! 行ってしまえ。という事で1話にしました。(ただ単に面倒くさいだけ)


そんな訳で続きをどうぞ

俺達は珍走屋B君の案内でフォレストタウンに潜入している。

珍走屋B君も俺たちの装備を見て唖然としている。


本来、俺たちは生存者の前に姿を現すのは好きではない。


しかし中学生トリオ、そんな中でもとりわけ、まゆゆとユウコりんは尋常ではなかった。

まゆゆは特にフォレストタウンの生存者の今の現状を思い浮かべると、小学校で味わった恐怖が脳裏を横切るのか。


ユウコりんは表面的と言うのか表情が既に『鬼』だったのだが、まゆゆは内面に『鬼』が宿っている。

その証拠に珍走屋Aを何の躊躇いもなく射殺した。

凡そ14歳の中学生には想像できない行動だ。

本来の14歳だったら、初期のハルちゃんのように守って貰うのが当然でしょ! と言うのが想像するに容易いはずなのだが。

どこでスイッチが切替ったんだろう?

いや、確かに俺も撃ってとか言ったけど…そんな簡単に人を撃てるものでしょうか?

考えても仕方がない、現状をどうするかだけ考えよう。


案の定、案内された入り口からゾンビがチラホラと入り込んでいる。

それでも、突破できない程ではない。

俺は不思議に思い、B君に尋ねてみた。


「お前らが出入りした入り口が想像以上にゾンビ少ないんだけど何で?」


「うちらが出て行くときに別の出入り口で他のメンバーが騒いで誘き寄せてから出発したんス」


あ~なるほどね。

一応、連中の中に頭が回る人間もいるのね。

それにしちゃ出てくるときに爆音立てたら意味ないだろ。


珍走屋たちは武器や物資を集める為にアインズホームに来たらしく、フォレストタウンの中に居るのが本隊らしい。

B君に聞くと、銃などの武器は幹部が持っており、それ以外はバール等の鈍器系だそうだ。


その銃も警察が携帯している拳銃だけのようで注意すればそんなに怖くは無い。

だってこっちの方の装備の方が尋常ではないから。

それでも拳銃には変わりなく、口径が小さくても当たり所によっては死に至る。

だからであるが、我が家の家訓を言っておこう『撃たれる前に撃て』だ。


入り口付近のゾンビを撃退し、ゾンビが侵入するのを防ぐために車を横付けして1階から侵入する。

こういう時はサプレッサー装備のSR-25が重宝する。

しかしなによりSR-25を扱う少女たちが凄すぎると言っておこう。


他の入り口はシャッターが閉まってるようで、ここの入り口を塞げば安全だと珍走屋B君が言う。

当然、俺たちは信用してないが。

B君が言うには、生存者も含め地下の食料品店に居るらしい。


俺と宏樹がパチンコで店内のゾンビを掃討してゆく。

その隙に、まゆゆとユウコりんでB君が指定した階段付近のゾンビを倒してゆく。


正面入り口の店外には結構な数のゾンビが集まっており、進入路が比較的ゾンビが少なかったことが分かる。


俺と宏樹ハルちゃんコンビは1階のゾンビを殆んど殲滅させ、指定された階段に行く。


そこで、いつでも乗り込めるように、M4とMINIMIを構える中学生二人が居る。

まゆゆとユウコりん。

その状況は俺から見ても『怖い』の一言だ。

ハッキリ言って、この二人、現役軍人の様な身のこなしなのだ。

ユウコりんについてはとやかく言う事は無い。

しかし、まゆゆも気配の探り方、視線の配り方、銃を構える身のこなし。

ハッキリ言って隙が無いのだ。


B君も二人に目が行ったとき、体を硬直させ唾を飲む。


俺は珍走屋B君に目配せし、地下1階の状況を教えてもらう。

彼が言うには


「恐らく階段下の非常扉に何人か見張りが居て、端のフードコートに生存者を含めて居るはずっス」


と言った。


「と言う事は、ここを開けると見張りが待ってると言う事か…どうする?」


宏樹は俺に質問する。


「エレベータシャフト伝って行く?」


階段でもエスカレーターでも無いと言ったら、残るはエレベーターしかない。


「…まさか、ワイヤーを伝って?」


「そのまさか」


「グリースべったりで、結構大変なんだぞ?」


ロップ(ロープ)で降りれば問題無いでしょ。俺とユウコりんがエレベータシャフトを下りて地下に行って、先に非常扉の前に居るであろう見張りを始末する。それまで待ってて」


宏樹が来るとハルちゃんも来ると言う面倒な状況になるし、何より、射撃スキルMAXのユウコりんに来てもらうようにするとB君が意見具申してくる。


「あの…エレベータ使えますが」


え? エレベータ動いてるの? そりゃそうか。電気が止まってる訳じゃ無いんだし、すっかり忘れてました。


「あのさ…エレベータ動いてるならエレベータで行けばよくね?」


俺は宏樹と目が合い、瞳が虚空をフラフラと眺めた3秒後…そうだね? と頷いた。


「じゃみんなで行こうか? エレベータに見張りとか居るの?」


「あ~…どうでしょう?」


階段にもエスカレータにも見張が居るなら当然エレベーターにもいるだろうな。

どちらにしろ見張を倒さなきゃいけないなら色々考慮しても階段だろうな。


「オッケー……エレベータは楽だけど、後の事考えたらメンドイ事になるかもしれないなら、非常階段から行こうか。エレベータが動いたってバレたら奇襲にもならないし」


そう言うとみんなが納得したように頷く。


「ほら、お前が先頭だよ」


銃口をB君に押し付け突き放すとB君は非常用シャッターの横の扉を叩く。

叩き方に合図があったのか、少しリズミカルだ。

程なくして扉が開かれると、すかさず宏樹と一緒にパチンコで見張り2人を倒す。


ゾンビを倒せる武器なだけあって、当然人間も倒せるんだね。

こんな至近距離だったからか驚きの声を上げる前に即死したようだ。

まゆゆとユウコりんに任せたら、銃で射殺してしまう恐れがある。

極力銃声でバレバレになるリスクは抑えないとね。


「ほれ入れ」とB君を中に入れ、生存者のいる場所や他のメンバーの居る場所を指示させる。


宏樹とハルちゃんが左から、まゆゆとユウコりんが右からメンバーが居るらしき場所へ移動する。

俺はB君を先頭にしてその場所まで案内させる。


インカムのイヤホンから「「配置完了」」とそれぞれ連絡が来た。


フードコートと言うより、小さいカフェテリアに12人程でコーヒーでも飲んでいるようだ。

端から見たら『集会』って感じなんだけどね。


俺はB君を先頭にして付き添ってゆく。


「よぉ。アインズは制圧出来たんか?」


B君に気づいた珍走屋がB君に声をかける。

他の連中もB君を確かめると次々に声を発する。


「武器は調達出来たんかよ?」

「他の連中どうしたよ誰かゾンビに喰われたか?」

「マジで他の連中はどうしたよ?」

「ん? その後ろの奴…誰だ?」


見ず知らずの俺の姿に疑問が上がると同時に俺が銃を構える。

と、それを見たゾッキーが数名立ち上がるが、頭を撃ち抜かれ一瞬のうちに崩れ落ちる。

流石に大人数相手にパチンコは不利すぎる。


状況が飲み込めないのか立ち上がっていない奴が、何か言ってるが理解できない。

うん、外道の言葉は良く分からん。


何を言っているか分からない内に頭を打ち抜かれ無言となる。

B君は顔を青くして震えている。


残った輩が俺に向かい


「な、何だおっさんよ! あ? てめーが撃ったのか?!」


俺は人差し指を口に当て「し~」と言うが外道には通じていないのか「声を出したら殺すよ?」と言うと「あ?」と凄んできたが自分に向けられる銃に視線を下ろすと静かになった。

それでも、鋭い目をこちらに向けて上下させている。

これは、遥か昔から受け継がれている伝説で伝統の『ガンつけ』と言うやつじゃないでしょうか?


もう、おじさんはそんな世界から15年は離れてたから忘れてたよ。


しかし、11人が『あっ』と言う間に退治され、今や残ってるのは頑張って虚勢を張ってる1人になってしまった。


恐るべき射撃スキル。

俺のバックには特殊部隊が控えているんだぞ。


「ん? ボク? おじさんに一生懸命『ガン』を飛ばしてるのかな?」


俺はそう言いながら脳天に風穴を開け脳漿を垂れ流す仲間を彼に見せると、「あ……いや…」と大人しくなる。


「他にも仲間いるでしょ? 他の連中はどこに行ったのかな?」


「………」


俺の質問に答えようとしない珍走屋。

ここで言う事聞かないとどうなるか、想像もできないのかな?


「もう一回言うけど他の連中はどこに行ったのかな?」


彼は頭のねじがどこか飛んじゃったのだろうか? 俺の質問に答えようとしない。


すぐに、宏樹、ハルちゃん、まゆゆ、ユウコりんがこちらに来る。


「向こうには誰も居なかったぞ」

「向こうにも誰もいる気配はありませんでした」


宏樹とまゆゆが報告してくれる。


「さて、これで最後だ、答えなかったら()()も死んじゃう事になるからちゃんと答えてね」


全員が生き残った彼に銃を向けている。

無言の圧力に虚勢を張っていた彼も、既に小さく固まって震えている。


「他の連中はどこに行ったのかな?」


震えながら口を開く。


「み……みんな……三階に……」


「三階で何してるのかな?」


「お……お…女…」


『パン』とまゆゆとユウコりんがダブルヘッドショットを喰らわす。

俺には銃声が1つしか聞こえませんでしたが、同じタイミングで撃ったのでしょうか?


B君が蒼くなってる。

宏樹が蒼くなってる。

俺が蒼くなってる。


ハルちゃんは半笑い!?

恐いよ。


まあ、撃った理由も分かるけどさ。

俺は気分転換にB君へ声をかける。


「…なぁ、君歳いくつ?」


質問されたB君は青い顔を向け即答で答える。


「じ…17っす」


17歳の少年より13歳14歳の少女の方が怖いんですけど~!!


目指すは三階か。

もうこの後の惨劇が目に浮かぶ。


でも俺の中では、略奪するこいつらも悪いが、用心もしてない生存者も悪いと思う。

こんなショッピングセンターに立て籠もっていたら狙われるのが分からんか?


かの有名な映画『ゾンビ』でショッピングセンターに立て籠もっていたら略奪者というか、ヒャッハ―に滅茶苦茶にされたと言うのに。

しかしあの映画の略奪者で結構な年齢のばあさんも居たけど…ま、そんな事は気にしないしない。


それに守るべき(ひと)が居るのなら男連中は何をしていたのかと言いたい。

俺達でさえ銃が調達できるんだぞ?

こいつら(ヒャッハ―)だって警察から奪ったのか、元警察ゾンビから奪ったのか分からんが銃を持ってるんだぞって話だ。

それなのに、ショッピングセンターで悠々自適に生活していただけかと、小一時間ほど説教してやりたい。

もう生きてないと思うけど。


「で…作戦はどうする?」


俺は少し引き気味に聞いてみる。

ユウコりんは換装完了と言わんばかりにSR-25を背にMINIMIを構えている。


「私が狙撃する」


とまゆゆが名乗りを上げる。


「じゃ、俺も狙撃する」


はっきり言って俺は未だ活躍していない。

少しは活躍しないと何のためにM4タケシカスタムで狙撃の練習したのか分からない。


「私はまゆゆの援護に付く」


ユウコりんはMINIMIを構えてドヤ顔で答える。


俺は宏樹に目を向けると、


「今度は俺が話をしに行くわ」

「じゃああたしも」


と賛同するハルちゃんは無視。


俺はB君を宏樹に預け、左翼に回る。

まゆゆは右翼担当。


連中を狙いやすい位置に移動するとスコープを覗く。

ここからでも半数以上が狙いに入る。


元々は3階寝具売り場で展示用ベットなどが複数置いてある。


俺はまゆゆにインカムで「準備OK」と連絡すると、まゆゆも「もう…撃っちゃって…いい?」と聞いてくる。

「まてまて、とりあえず宏樹に任せよう」とまゆゆに言うと、小さな声で「………はい」と答える。

まゆゆは何が見えたのか、声を絞り出すように、怒りを抑えるように返答する。


「宏樹、準備完了だ。好きに交渉してくれ。合図を貰ったら一斉射するから念のため伏せてね」


とインカムで合図を送りスコープを覗く。

その前に何を交渉するのか分からんがね。


「…OK」


こちらに顔を向けて若干引きつる宏樹であった。


俺も位置を少しずつ変え、標的が見える位置に着くと男たちが腰を振ってるのが分かる。

もう、どこのAVなの? と言いたくなるくらい卑猥で下品だ。


女も諦めているのか、悲鳴も上げていない。

寧ろ…喜んでる? いや、演技だろ? 演技と思わせて下さい。

ここからじゃ女性の表情を伺い知る事はできんが。

レーザーサイトが男の後頭部を赤く照らしている。あとは宏樹の合図待ち。


B君を先頭に宏樹、ハルちゃんが男たちの酒池肉林地帯に踏み込んでゆく。


「お…お疲れっした!」


B君が勤しんでいる男たちに向かって挨拶する。

するとレーザーサイトを当ててた男が振り向く。

ん? 何か…見覚えのある顔が?


「ん? あれ? …宏樹じゃね~か?」


俺は相手の顔を見て思わず自分の顔に手を当てる。


「………良太?」


宏樹も驚きながら振り向いた相手の名前を呼ぶ。

他の男たちも宏樹を見る。


そこには知ったる顔ばかり…

中学時代から俺達とは生息しているベクトルが違う所謂ヤンキーと呼ばれる種族。


こいつらは30歳になってもまだこんな事をしてるのか?

17歳の少年を従えて王様になったつもりなのか? バカなのか? いや、バカか。


もう…撃っちゃおうか? もう…いや…ダメだ。しかし我慢が出来ん! 何だそのニヤケ顔は!!


「まゆゆ…俺は我慢できん! …撃つ!!」

「分かりました!」


俺とまゆゆのやり取りを聞いていた宏樹もヤレヤレと言った感じで銃を取り出す。


「あ? なんだ? お前に撃て…"パン"」


はい、宏樹さんGODJOBです! 喰い気味で撃ってやりましたね。

俺も負けじと、後ろのおっさん(元同級生:信行)も銃を持ったので優先的に排除。

こいつらにはいい思い出が無いからね。

一人では何もできないけど集まると態度が豹変するんだよな。


宏樹も無言でベレッタを連射している。

それに続きハルちゃんも銃を持つ男を優先的に撃ち殺した。


え? 何で!? と思う間にユウコりんがMINIMIを連射しだした。


乱交状態の男15人を数秒でハチの巣にする。

幸いにも女性を上にしている奴がいなかったので女性に被害なし。

まあ、多少血を浴びたがその辺は勘弁してくれ。


現状だけ見たら猟奇殺人事件発生と言っていいほど、酷い惨状だった。

うん、概ね予想通りだったが、まさか中学の時の同級生が居たとは…現実はいつも斜め上を行くものだと軽く笑ってしまった。


「良太に信行、隆に川村まで居るじゃないか? こいつらが先輩なの?」


俺は震えて固まってるB君に尋ねてみる。


「は…はい」


振るえるB君にため息を一つし、遅いが裁量のアドバイスをしてやる。


「先輩はちゃんと選ばないとダメだよ?」


「は…はい」


「良太がリーダー?」


「い………いえ、信行先輩っス」


先輩って歳でもないだろうに。


「ふむ…もう先輩じゃないよ。死んじゃったし」


B君も完全に委縮している。

この子(B君)、どうするかな?

幸い、足の銃創も撃たれたと言うより、掠った程度だから大した事ないんだよね。


生存者の女たちも裸で只々震えてこちらの様子を窺っている。

本当の恐怖を味わうと声が出ないと言う状況なのか?


まゆゆ、ユウコりん、ハルちゃんが保護された女性達にシーツや布団をかけて何か言ってる。

こういう時は、男じゃダメだよな。

女の子が居て助かりました。



同級生がみんな良い奴ばかりではない。

そんな回でした。


誤字脱字や矛盾等がありましたらご報告お願いします。

あと、こう言う風にしたら良いとかこんな展開も希望等ご意見ご感想もお待ちしております。

評価など頂けたら嬉しい限りです。

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