表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様?いいえただの悪魔です。  作者: 次元
第3章:死者の星
162/384

第47話:予感

遅く起きた朝は、なんて日だ!



それでは続きをどうぞ

―――その世界はゾンビが蔓延る世界になっていた。


親友の宏樹と洞窟を改装して作られた研究施設の中を銃を撃ちながら迫りくるゾンビから逃げている。

弾も残り少なくなった時、目の前のエレベータが開き、俺たちの後方に迫るゾンビを撃ち殺しながらエレベータの中の女性は「早く」と手を前に突きだす。


俺はその手を掴むとエレベータの中に引きこまれる。


宏樹もエレベータの中に入り、扉が閉まる寸前に押入ってきたゾンビの頭めがけショットガンを放つ。


頭を吹き飛ばされたゾンビは後方に迫ってきていたゾンビを巻き込み吹き飛ぶとエレベータの扉が完全に閉まる。


「ああ、危なかった! 助かったよ~」


とエレベータの女性と握手を交わすと、自分の腕に血が流れる。

真新しく、現在進行形で流れ出る鮮血。

そう俺の腕に歯形があり、そこから血が滲みだしているのだ。


「あ……俺も噛まれてたのか……」と痛みを感じない腕を眺める。


宏樹は気難しそうな顔をしている。

窮地を救ってくれた女性も目を瞑り、落胆の表情だ。

この女性、見た事あるし何というか良く知ってる人物なのだが、誰なのか良く分からない。


「「「………」」」


無言がエレベータ内を包み込むと一瞬体が軽くなり、その後自身の体重を感じると目的の階に到着したようで扉が開く。

エレベータが地上階に到着するとエレベータの到着音に釣られたのかゾンビがこちらに振り向き歩いてくる。


宏樹と女性は銃を構えゾンビを迎え撃とうとするが、俺はその前に一歩踏み出す。

目の前に迫りくるゾンビに俺は掌をゾンビに向けると炎が飛び出しゾンビ達を炭に変えてゆく。

その炎は全てのゾンビを飲み込んで消滅させてゆく。


俺は「後の事は任せてお前たちは逃げろ!」と二人に告げる。

宏樹は「お前…」と後の言葉を紡ぐことが出来ない。


その直後、後ろの女性に頭を叩かれ―――。




………

……




「んぅ? …ふぁ………夢か……」


俺はうつ伏せで寝ており、右腕を枕代りにしていたのか、痺れて重く感じる。

そして自分の腕にベットリと涎が付いていて歯型も付いてる。

そして涎臭い。


どうやら、ユウコりんが寝返りをして放った裏拳が俺の側頭部に決まった衝撃で目が覚めたようだ。


寝ててもゾンビって。

昨日の夜は映画バイヲハザードを一挙観したおかげか、主人公アリスが使える超能力を自分も夢の中で使っていたらしい。

うん。完全に今日の夢は人に話せない黒歴史だ。


俺は洗面台に行きヌルヌルになった腕を水で流し、ついでに顔を洗う。


時刻は朝の8時を過ぎている。

二階のリビングに行くと、まゆゆがベランダからリビングに入ってきて「おはようございます」と朝の挨拶をしてくる。


この家と隣の家のベランダを宏樹特製足場橋を架ける事によって簡単に危険なく行き来を可能としていた。

地上に出ない分、ゾンビに襲われる心配はない。


「おはよう」と返し、野菜の出来を聞く。


「カイワレの芽が少し出てきたんですよ!」


と天使の笑顔を俺に見せると、俺も「そっか」と将来実るであろう野菜たちに期待を馳せながらまゆゆの頭を撫でる。


まゆゆは天使の微笑のまま目を細め、俺の唇に軽く自分の唇を合わせる。


はて? まだ夢でも見ているのではないだろうか?

こんな美少女にキスされるなんて…


「コーヒーでも淹れますね」とまゆゆはキッチンの方へ行きお湯を沸かす。

例えインスタントでもまゆゆの淹れたコーヒーは盲目の元傭兵で海坊主と呼ばれているマスターが淹れるコーヒーより旨い!

実際飲んだことないしフィクションなのだが。


「んん…おはよ~…」とユウコりんもリビングに上がってくるとソファーに項垂れる。


「ユウコりんは今日も良いパンチだったな!」


俺は朝の衝撃を伝えながらサムズアップする。


「もう、裕子ちゃんにまた殴られたの?」


「今日は体勢から言って"裏拳"だったよ」


「もう、裕子ちゃんは~…」と言いながらコーヒーをテーブルに置く。


「ん~~」と言いながらユウコりんはソファーの上で再び夢現(ユメウツツ)


平和だね~。


リビングでグダグダしていたら、宏樹がリビングに駆け下りてくる。

俺は呑気に「どした?」と声をかけると、言葉短めに「火事だ」と答えると、そのまま再び階段を昇ってゆく。

今更火事だとか言われても、日中、屋上に上がればイヤでも狼煙の様な煙は確認出来る。


しかし、宏樹が言ってくると言う事はそんな狼煙の様な火事ではないはず。

不審に思い俺も壁からM4を持ち屋上に上がる。


宏樹は煙が濛々と上がっている方角を見て「駅の方だな」とつぶやく。

駅の方とはアインズホームやフォレストタウンと呼ばれる複合ショッピングセンターが立ち並ぶ秋志摩駅だ。

アインズホームに行ったときは近くで火災は起こってなかった。

とすれば、生存者以外考えられない。


何があったのか?

本当は放置していたかったのだが、現状を確認しないで安心できないとは宏樹の言。

今までの宏樹では考え付かないだろうに…此奴、相当に腕を上げおったな?


宏樹の言葉に納得する。

確かに現状を確認する為、行く必要があるだろう。

情報とは何時いかなる時でも重要なのだ。


リビングへと降りてゆき、事の内容を皆に話す。


「とりあえず、俺と宏樹で様子を見に行ってくる」


と言うと、やはりと言うか予想通りというか、ハルちゃんが「私も行く」と言い出す。

こうなると面倒臭い。

非常に面倒臭い。


正直、時々ハルちゃんの我が侭(ワガママ)が無性に腹立たしくなることがある。

宏樹と行動を共にしたい事は分かるよ?

でもさ、何ていうの? チームの輪を乱すって言うの?


俺は半分イライラしながら「じゃ宏樹とハルちゃんで行く?」と言うと、良い笑顔でハルちゃんは外出の準備を始める。


俺の様子に気が付いたのか宏樹も「何か、悪いな…」と苦笑いで言ってくる。

もう俺の中では、ハルちゃんは心の壊れた我が侭娘という構図が出来上がっていた。


「とりあえず様子見だけ。生存者に見つからない様に行動して」


宏樹は心得たと首を縦に振る。

念のためと、届くか分からないがレシーバーも持たせる。


「今日の日の入りまでに戻らない場合は……」


そこで俺は少し考え込む。


「「「………??」」」


みんなもどうした? って感じで言葉の続きを待っている。


「―――やっぱり俺達も行こう!」


ユウコりんは待ってました! と声には出さないが、急いで下に降りて準備を始める。


「なんだ? やっぱり来るのか?」


宏樹も顔に笑みを浮かべる。


「何かわからない事態が起きてて、それをただ待ってる身って嫌じゃん? 宏樹達が戻って来なかったら? そうしたら、どこでどうなってるか分からないから俺達も結局確認しに行くわけでしょ? 取り返しのつかない事になってたら後悔しかないじゃん」


宏樹は笑みを浮かべて俺の肩を叩く。


「単純だな~。武志らしいっちゃらしいか」


俺は無線機を持ち上げると


「無線だって繋がるか分からないし、宏樹も結構アホだから何するか分からないし」


「いや、お前に言われたくないわ!」


「「準備できたよ」」


と、ハルちゃんが上から、ユウコりんが下から来る。


俺達は自分の銃を持って車に乗り込むと、「あっ、ちょっと待って」とユウコりんに制止される。


「どうした?」と聞くと、


「もしかしたら、狙撃の可能性が高いよね。」


と言って、家に入る。俺もユウコりんの後を追い、家の中に入る。

案の定、地下からバレットM82A1を持って上がってくる。

俺も地下からバレット用の弾薬を肩に背負って車に戻る。

出来ればこんな極悪な武器を使う機会がやって来ませんように。と心の中で願った。


準備の確認を行い、皆が示し合わせるように首を縦に振ったのを確認すると駅が見渡せる高い構造物を目指して車を発進させた。



夢の中の自分って結構カッコいいところあるよね?

って話でした。


誤字脱字や矛盾等がありましたらご報告お願いします。

あと、こう言う風にしたら良いとかこんな展開も希望等ご意見ご感想もお待ちしております。

評価など頂けたら嬉しい限りです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ