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神様?いいえただの悪魔です。  作者: 次元
第3章:死者の星
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第38話:女の子の家にお泊り

中学校ではサバイバルの授業があるんだー(棒)

凄いんだねー(大嘘)


って事で続きをどうぞ

俺は遥か遠く眼下で揺れ動く標的を前に恐る恐るユウコりんに尋ねてみる。


「ゆうこりん、あれ…倒せる?」


俺は校庭の向こう側の柵に居るゾンビを指さす。


「結構な距離ありますよ?」


ここから学校のゲートまで約30m。そこから校庭の端まで約150m位。

標的までは200m位だろうか。


「まぁ89式(これ)の射程内ですけど…」


と、ユウコりんはスコープもない89式を構える。


『タン』と音をたてたがゾンビは健在だがユウコりんが照門を少し調整し再び構える。

『タン』と鳴った直後、彼方のゾンビが倒れた。


「よし当たった、初弾は外しちゃったけどね」


照準を少し弄っただけで当てる?

ってか弾道見えてるの?


「……うん。行けるのね…」


俺も倒れたゾンビの隣に居たゾンビに狙いを定める。


『タン』うん、外れたね。

『タン』うん、やっぱ外れたね。

『タン』うん、これも外れたね。

『タン』うん、これは無理かもしれんね。


ユウコりんはタケシカスタムを半ば強引に奪い取ると、狙いを定めて


『タン』と銃声を上げる。

弾はゾンビの頭部を貫く(多分)うん、当たるんだね。


「やっぱりスコープがある方が狙いやすいね~しかもレーザーサイトまであるんだから外す方がどうかと思いますけどね」


そうだね、狙いやすいね。

もう、俺泣いていいのかな?


「裕子ちゃんは教え方も上手でしたよ。私でさえ教えて貰ったらすぐに当てる事が出来たんですから」


うん、俺も教えてもらったんだけどね。

まゆゆにも慰めて貰ったが…慰めにならなかった。


「それよりまゆゆ、もう大丈夫?」


「はい、多分、お父さんもお母さんも成仏できたと思います」


「そっか、まゆゆは強いな」


「いえ、みんなのおかげです。もし、おばあちゃんが居ても私が撃ちますので、いや、襲ってくるゾンビは私が倒しますよ」


まゆゆは笑顔で強がってはいるが、どことなく悲しさが漂う。


「ああ、分かった」


俺とまゆゆはお互い笑顔を交わす。


『タン』と銃声が聞こえた後にユウコりんの方を向く。

うん、ここから見えるゾンビはみんな始末しちゃったんだね。


俺とユウコりんはドヤ顔と苦笑いを交わす。



「聞こえるか~」


レシーバーから宏樹の声が聞こえる。


「おう!」


「そっちから見て左手、太刀川駅側に教員用の駐車場ゲートがある。そこから侵入可能だ。」


「分かった。速攻行くが、そっちは大丈夫か? ゾンビとか居ないのか?」


さっきまでは居たんだけどね。


「ああ、なぜか学校沿いの道路にゾンビがいっぱい倒れててな。全滅してた」


「そ…そうか。学校沿いに行くための道はどうだった?」


サイレンが鳴り響く中、ゾンビの数はもう把握しきれない。


「道路は小学校に近づくにつれて危険度MAXだから、そこからこのゲートに来るには少し遠回りしないとダメだな」


「分かった、遠回りするが大至急向うわ」


「おう」


レシーバーで会話をしながら非常階段を下りていたので、通信を切った時には車に乗り込むことが出来た。


来た道を引き返し、2本向こうの路地に入るとゾンビがチラホラと居るのが確認できたが、相手にしないでそのまま学校沿いの道路に入る。


前方にゾンビが数体居たが、宏樹とハルちゃんの射撃で倒れてゆく。

宏樹はバリケード替わりにしたトラックに乗り込むと車を動かしゲートを解放する。

ハルちゃんは目に映るゾンビを戸惑いも無く正確に頭部を破壊する。


俺は開いたゲートを通過し、自衛隊の備品が集まっているテント前に停車させる。


速攻で車から降りてワンボックスの後部ハッチを開くと、宏樹とハルちゃんも走ってきた。

トラックは再びゲートのバリケードにしたようだ。


箱の周りには、昨日喰われた哀れな連中の体の一部が散乱している。

さすがにまゆゆとハルちゃんは口を押え、見ないようにしているが、ユウコりんだけはケースを開けて満面の笑みをこちらに向けてきた。


うん、この子、ブレナイネ~。


出来るだけ積める様にワンボックスの最後部シートを畳んで、カーゴスペースを多くとる。


宏樹とハルちゃんは引き続き校舎の方へ銃口を向け注意している。

当然、校舎の中にもゾンビが居る事は確認済みだし、現に昨日小学校の生残りが校舎に入った所で悲鳴を上げていた。


俺とユウコりんは弾薬の入っている箱を一生懸命探している。

銃があっても弾が無きゃただの形の悪い杖でしかない。


まゆゆも念のため、校舎とは逆方向の校庭を哨戒している。


「あった。この辺が弾薬だね。うちらの武器は9mm(パラ)と5.56mmだから…あ~面倒だ! とりあえず中身の確認は後で全部積んじゃおう!」


結構な量になるが、ワンボックスの後部座席にも少し狭いが三人乗れるだろう。

幸いこの車には屋根にもに荷物が載せられるよう、ルーフキャリアがセットされており、長物の荷物は屋根に置けるようになっている。


次々と箱を車に積んでいくが、重いので宏樹にも手伝ってもらうために呼んだら「ファ~~!」と悲鳴なのか叫びなのか分からない声が聞こえた。


皆がそっちの方向を見ると、ユウコりんが再び「ファ~~!」と変な声を出している。


「え…えむひゃくななぁ~~(M107)! マジで!? バレットじゃん!?」


「「「「……」」」」


俺達は何も見なかった事にして荷物をどんどん積みこんでゆく。

まゆゆとハルちゃんも辺りを警戒している。


うん、何も問題は無いな。


しかし、今回の箱はイヤにデカいし重いし…でも、とりあえず乗せちゃおう。

殆んど積み終えた所で校舎からフラフラとゾンビが出てきたが、ハイテンションのユウコりんが問答無用で迎撃していた。


ユウコりん、幾ら何でもバレットを撃ったら…

ほら、ゾンビの頭部なんて何もないのと同じでそんな大口径撃つ?

案の定、校舎に大穴が空く。


ユウコりん、テヘペロじゃ追い付かない程のやらかしですよ。

まゆゆとハルちゃんのヘッドショットで多少の時間的余裕が生まれたし、まゆゆの両親の遺骸をそのままにしておくのも忍びないので、頭部を撃たれたゾンビたちを1か所に集める。

予め用意していた木片などをやぐらの様に積み重ね、そこに燃料をかける。


まゆゆには事前に、遺骨が欲しいか聞いていた。

本当は欲しいのだが、自分の両親だけ荼毘にふすのも忍びないと言う事で、遺骨は取らないでゾンビとなってしまった遺骸を合同火葬する事にした。

その際、両親の遺髪だけは大切にハンカチに包んでいた。


俺たちもまゆゆのご両親に向かい手を合わせる。


そんな状況でもゾンビは校舎から一人、また一人と出ては来るし、フェンスの向こうにも唸りを上げるゾンビが集まってきていた。


目ぼしいものは積んだし、校舎の中にあるのは非常食や水と言う事だったのでそのまま全員車に乗って退散する。


ここにもう用が無いので、バリケードとしていたトラックで強引にゾンビを弾き飛ばす。

別にボディがへこもうがフロントガラスが割れようが問答無用。

その隙にゲートを抜けると宏樹を回収して帰路につく。


さすがに後部座席は狭いようで、ゾンビを避ける為にハンドルを切ると「わわわ」とか「きゃ~」とか声が上がる。


暗くなる前に家に帰ろうと、来た道を戻ろうとしたとき、恐ろしい光景を目の当たりにする。


道路の端までゾンビが犇めき合っていた。

なんで? と思ったが少し騒ぎ過ぎたのか? 遠くのサイレンよりも近場の喧噪に寄ってくるみたいね。


これじゃ、突破は無理だと言う事で、急いでUターン。

しかし、Uターン方向も小学校の方に近づく事になる…これはいよいよヤバいのではないか?


小学校とは逆の方へ向かうが、そうすると今度は駅前の方角だ。


出来れば、駅前やデパート付近には行きたくない。

でも…小学校方面は確実にヤバい事は分かる。

あそこはゾンビ祭りの真っ最中だ。あそこに飛び入り参加する勇気はない。


「仕方がない! 駅方面から逃げよう。生存者や生残りが居ても無視するからね!」


後部座席の三人はさも当然! と言わんばかりにベレッタを取り出す。

助手席の宏樹もベレッタを取り出すと「ホレ」と渡してくる。


このベレッタ92Fは先程の収穫の一つなのだ。

俺はP220よりベレッタの方が好きなので思わずはしゃいでしまった。

実際はP220<ベレッタ<P228なのだが、無いものを強請っても仕方がない。

俺は出来る限り大通りを通らず、ゾンビの少ない道をクネクネと走る。


渋滞時に使ってる細道を通っても良いが車などが道を塞いでいたら八方塞がりになる恐れもあるので、気軽には使えない。


「こっちは一通(一方通行)か…」


車両進入禁止の標識があったので思わず進入に躊躇する。


「おいおい、一通関係ないだろ」


おっとそうだった。

そもそも信号無視を繰り返してたしな。

こんな状態で取り締まりをやってたら警察官の鑑です。


「あ…」


ハルちゃんが後部座席から声を出した。


「ん? どうした?」


宏樹が後ろに振り返りハルちゃんに問いかける。


「あの…ここ、私の…」


と、斜め前のマンションを指さす。


「ここハルちゃんち?」


どうやらここはハルちゃんが住んでいたマンションの様で俺は何も言わずそのままマンションの駐車場に入って行く。


「まさか、行くの?」


宏樹の問いかけに、ハルちゃんも「良いんですか?」と言ってくる。


「ここまで来たんだったら、ついでにね。食料も欲しいし、何より着替えが欲しいでしょ?」


中学生トリオは家で過ごしている時はスウェット(主に俺の)を着てるが花も恥じらう乙女たちがいつもスウェットとかダメでしょ。

幸いにも三人ともズボンだったから良かったが、スカートで出歩かれたら危険がいっぱいです。

色んな意味で。

その前に、こんなサバイバル生活でスカートは有得ない。

素肌を晒さないが基本なのに、スカートとか馬鹿ですか? ってなもんだよ。

と言う事で、暗くなってきたし本日の宿泊はハルちゃんの部屋に御邪魔する事とした。

その間にゾンビの大群もサイレン鳴り響く小学校に集まる事を願いつつハルちゃんの家に突撃なのだ。



やる気と体力は別だと気が付いた。

そんな訳で週休二日制度を取り入れたいと思います。


誤字脱字や矛盾等がありましたらご報告お願いします。

あと、こう言う風にしたら良いとかこんな展開も希望等ご意見ご感想もお待ちしております。

評価など頂けたら嬉しい限りです。

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