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神様?いいえただの悪魔です。  作者: 次元
第3章:死者の星
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第30話:怪しい生存者

まだまだブッコんでいくんで夜露死苦ぅ!


てなわけで続きをどうぞ

ゾンビはフェンスを上がって来れないようなので一安心。


小学校の校舎に生存者が居る事を確認できたのでハルちゃんの方へ向く。


「さて、生存者が居るようだね。それじゃ…じゃあねハルちゃん。」


と軽く手を振る。


ハルちゃんは何か言いたげに右手を力なく前に突出すが、俺はその場から離れゾンビの群れていない場所を探そうとする。


「先輩! 元気でね」


ユウコりんはMINIMIを撃てて機嫌がいいのかハルちゃんに手を振って俺の後ろに付いてくる。


「あ…」


ハルちゃんはまゆゆを見ながら小さく声にならない声を出す。


「…」


まゆゆは少し考えた後、何か閃いたのか俺を呼び止める。


「武志さん! ちょっといいですか?!」


俺は面倒臭そうに振り返ると、ユウコりんと目が合う。

ユウコりんは小首を傾げながら後ろに振り返る。


「はいはい、何ですか?」


「…あ、あのですね。も、もしかしたら、私たちの家族がここに居るかもしれないから…あの、私も…」


ああ、そう言う事ね。

そう言われりゃそうだよな。

なんで最初に考え付かなかったんだろう?

ハルちゃんの身勝手さ他人任せな考えで頭が沸騰していたのか、冷静な判断が出来ていなかった。

反省。

武志反省。


「…そうだな、分かった。念のため生存者とコンタクトを取ってみよう…」


まゆゆの言いたいことを理解した。

当然、子供より大人が出た方が対話も進む。


「あ! ありがとうございます」


まゆゆは頭がいいな。

俺よりも冷静なのか、ハルちゃんと家族の安否両方を考えている。

いや、寧ろこれが普通の考えなのだろう。

俺が自己中なのか?

まあ普通に考えて俺の考えは自己中以外の何物でもないだろう。


普段はコミュ症とは言わない程度に人見知り。

と言うより他人に関わるのを極力避けている。

避けて通れない場合のみ、人との繋がりは大事にするがそれ以外は我関せずだ。


ハルちゃんだけではなく、まゆゆやユウコりんの家族が居た場合、ここでこの子たちともお別れだな。

でも、それは仕方のない事で当然の結果だ。

ってかユウコりんが俺たちに付いて行くと言ってるって事は、ユウコりんの両親はここには居ないのか?


「君たちの家族が居たら、君達ともここでサヨナラだな」


「あ…はい。そうですね…」


まゆゆは少し寂しそうに答える。


「え~! そうなったら…これ(・・)、くれません?」


そう言ってMINIMIを持ち上げる。

ん?

さっきまでは俺たちについてくるって言ってたのに?

ユウコりんの両親は居ないがまゆゆとハルちゃんと行動を共にするって事かな?


「ダメです」


ま、どちらにせよMINIMIはあげません。


「え~何でですか? 私の家族自衛官だし家族が居たらうまく扱えると思うですけど?」


あ、そう言えばそんなこと言ってたね。

でも俺たちは大人数で行動する気も無いですから。


「では、うまく扱える家族とMINIMIを探してください。その前に、ユウコりんの家族が何でここに居るって分かるの? 一緒に避難してたわけじゃないんでしょ? だからさっきも真っ先に俺たちについて来るって言ったんじゃないの?」


「あ、いや~…それは…」


ユウコりんの歯切れが悪くなる。


俺はユウコりんも家族と避難場所に居たと最初は思っていた。

しかし家族は自衛官だと言うと、逆にこの非常事態に家族と居る方がおかしい。


見た所、この小学校に自衛隊が警護しているように見えない。

もしも自衛隊が居るのであれば、先程の騒動の時に先頭に立ってここに現れてもおかしくは無い。

にも拘らず小学校の校舎からは様子を窺う様子ではあるが、未だに誰も出てこない。


まぁ、現に俺たちは銃器を持っているので警戒していてもおかしくは無いが。


「ここにユウコりんの家族は居ないんだろ? ま、大人同士で話をするからそれまではMINIMI(それ)を持ってなさい」


一瞬驚いたような顔をしたが、笑顔で頷くと俺に付いてくる。


「さて、みんなの家族が居るか確かめに行くが…ちょっと俺の意見を聞いてくれ」


神妙な面持ちでまゆゆが返事をする。


「まず、ここの連中は他人を助ける事はしない。それは今見ても分かると思うが、誰もこちらに来ないし、誰も助けに来ないからな。まぁ銃を持ってる俺たちを警戒している可能性もあるが」


皆が納得するように頷く。


「そう言う人間が俺たちに害が無いと判断し、君たちの様な"子供が武器を持っている"場合、何て言うと思う?」


「…子供が武器を持つのは危険だから…渡せ…ですか?」


俺は頷く。


「俺は自分の身は自分で守る。だから自分を守る道具を他人に渡すことはできない」


俺はM4をポンと軽く叩く。


「君たちはどうする?」


まゆゆは考え込んでいる。


「私は絶対渡さないもん」そういってユウコりんはMINIMIを抱き締めてる。


尚もまゆゆは考えている。

答えは今、出そうにないな…


「まゆゆ、M4(それ)返して」


そう言って俺はまゆゆのM4を受け取ると、空のマガジンを挿し直す。

同様にP220を受け取りマガジンを抜き空のマガジンを挿す。


「いいかい、まゆゆの持ってる銃(M4A1)にはまだ1発残ってる。これ(P220)にもね。これをまゆゆにあげる。どう使おうがまゆゆの意思に任せる。」


「はい」


まゆゆも何か察したのか強い表情で銃を受け取る。


「後は向こう次第。俺たちの武器を奪おうとするならそれは敵だ。俺は容赦しないで生存者でも撃つ。俺は善い人じゃないからね」


宏樹も弾倉の確認をしている。

ユウコりんも残りの弾帯を確認している。

おいおい、ユウコりんも場合によっては撃つ気なの? 相手は人間なんだよ?

宏樹とユウコりんに目配せし、お互い頷く。


「それじゃ、行こうか」


俺が先頭で宏樹が殿。

いつもと変わらない陣形で校舎の方へ歩いてゆく。


校舎の入り口から男たち数人が出てきた。

各教室からこちらを見ている連中も男だらけ。

手にはナイフやバット、こん棒やスコップを持っている。

俺は嫌な予感がしてすぐにでも撃てる状態にする。

俺のすぐ後ろを歩いていたユウコりんも察したのか、MINIMIを構え直す。


宏樹に関しては…うん、任せた。


俺達が校舎の入り口に来た時に向こうの男たちもこちらに近寄ってくる。

それぞれ20代中盤辺りだろうか?


「…あんたらは…救援隊じゃないよな?」


始めに校舎から出てきた兄ちゃんが俺たちに話しかける。


「ああ、この子の両親を探しててね。ここに居ないかと思って来たんだ」


そう言うと中学生トリオを見ている。


「なるほどな…」


「この子の親を探す為に校舎の中へ入っても良いかな?」


さて、俺の質問に対してどんな答えが返ってくるかな?


「校舎の中を探しても良いが、ちょっと物騒すぎるだろ。校舎の中に入るんだったらそれを預けてからにしてくれよ」


そう言うのは30代くらいのおっさん。

おっさん…俺達と同じくらいの年代だからお兄さんと言えばいいか?


「ああ、この中は安全だから安心してくれ」


そう言うのは20代半ばの若造。

ニヤケタ感じで三人を舐め回すように見ている。


「これは預ける事は出来ない。だから俺たちは校舎に入らないようにするけど、この子たちだけでもダメか?」


男たちは何かを小声で言っている。

生憎とその小声は聞こえてはいないが、いい話をしていない事は確かだ。

何故ならば武器を持たない子供を校舎に入れるのに何で相談が必要だ?


内緒話が終わったのか、20代の男がこちらに向くと


「いいぜ。その子たち以外は外で待っててくれ」と言い、ハルちゃんとユウコりんを中へ案内させようとする。


「キミは行かないのか? 行くならそんな機関銃は置いて行ってもらうけど」


30代の男がユウコりんに話しかけるがユウコりんはMINIMIを強く抱きしめると


「私の家族はここに居ないし、これを渡す気もないもん」と返す。


その言葉を聞いてまゆゆとハルちゃんはユウコりんを見つめるが、男に促されて奥へと入って行く。

俺は何かキナ臭さを感じずにはいられなく、ユウコりんに小声で話しかける。


「ユウコりん、MINIMIを置いてまゆゆ達についてあげてくれないか?」


「え? なんで?」


「後でこの校舎の状況を教えて欲しい」


ユウコりんは少し考え事をするように目を瞑ると何かを察したのかユウコりんが小さく頷く。


「…分かった」


MINIMIを俺たちに預けるとユウコりんはまゆゆとハルちゃんの後を追う様に


「ちょっと待って! 私も行く~!」


男たちも、MINIMIとホルスターを置いて行ったユウコりんは丸腰と判断したのか、30代のおっさんを残して校舎の中に走って入って行く。


俺と宏樹は残った30代のおっさんに近況を聞く事にした。


まだだ!

まだ終わらん(投稿します)よ!

By金色の赤い人


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