第24話:今後の方針
もう行ける所まで毎日投稿してやると言う訳の分からない気持ちでモチベーションが上がっております。
屋上へ通ずる階段にドスドスと少女では出せない足音が聞こえる。
「お~い。みんな風呂上がったぞ~」
宏樹が屋上に来て俺に教えに来た。
ってみんなにはお前も含まれるのかよ!
俺が一人寂しく監視をしてる最中に少女の残り湯で風呂に入りやがって…
なんてうらやまけしからん!!
「いいから、風呂入ってこいよ」
「じゃ、行ってくるわ」
そう言って89式を宏樹に渡す。
「ごゆっくり~」
宏樹は監視用のテントに入り89式を置くと本日何本目になるか分からないビールを開ける。
まあ、風呂上がりのビールは格別なのは俺も理解しているのでとやかくいう事はない。
でも思うところはある。
頼むから寝落ちしないでくれよ?
2階のリビングに降りるとみんなソファーで寛いでいるどころではなかった。
まゆゆに凭れかかり、ユウコりんとハルちゃんが寝てる。
そして、三人が三人とも俺のスウェットを着てる。
宏樹の野郎…俺の部屋着を勝手に配布しやがって!
自分のも提供しろってんだ!
「お先にお風呂頂きました。ついでにこれも」
そう言ってまゆゆはスエットの胸元を引張る。
「ああ、いいよ。それより加齢臭大丈夫かな」
まゆゆは含羞みながら「大丈夫です」と答える。
「じゃぁ、風呂に行ってくるからゆっくりしてて」
俺はそのまま階段を下りて自分の部屋からパンツとスウェットを出し風呂場に向かう。
しかし、二人にとってはまゆゆはお母さん的ポジションなんだろうか?
そんな事を考えつつ下に降りる。
普段は毎日入っていた風呂も、ゾンビパニックから数日に1回のペースになっていた。
やっぱり風呂は良いね~。
命が洗われるようだね。
日本を守る組織に属すヘッポコ現場監督が言ってたっけ?
風呂は命の洗濯だそうですよ。
風呂から出て、自分の部屋の冷蔵庫からビールを取り出しプルタブを開けると、気持ちの良い音と共に泡が競り上がってくる。
一気に内腑に染み渡らせると、一日の疲れがフッ飛ぶ。
屋上に行って宏樹を呼びに行くが、宏樹の監視はザルだ。
案の定、目が逝っちゃってる。
これ監視の意味ないだろ。
宏樹はそのまま三階の自分の部屋に入るとそのまま0.1秒で寝てしまった。
まさか、歩きながら寝てたとか? 何て器用な奴なんだ。
リビングに戻るとまゆゆも二人に寄りかかられて船を漕ぎだしている。
「眠いんだろ? 寝ていいぞ? でも、そんな所じゃ何だし…俺の部屋使えよ」
「…大丈夫です…」
そう言いながら、目が…逝ってる。
「いいから」
「…大丈夫です…」
うむ、これは宏樹と同じ症状だ。
人の話聞かない症候群だな。
起こしては悪いと思い、俺は自分の部屋から毛布を持って来た。
毛布と人の体温で暖かくなったのか、まゆゆも眠りの中に落ちて行った。
中学生が三人も俺の家に居る事があり得ない事なのに、当の三人は眠りについている。
ゾンビと言うありえない現実に中学生と同棲って、何これ、どんなハーレムゲーですか? あ、うちには宏樹と言うお邪魔虫が居た。ハーレムゲーは程遠いな。
俺は静かに自分のリビング(1階)に戻る。
やってるか分からないTVの電源をONにし音量を小さくして民放TVを見る。
ふぁ~さすがに『緊急非常事態宣言』の文字と『最新の情報が入り次第、放送を開始致します。』しか出てないよ。
他の番組もどれも同じような感じだ。
番組はどうした番組は! こういう時こそお笑い番組を流せ! 暇だ!!
荒廃した世界にはお笑いが必要だろう!
ビールを飲んだのに目が覚めたのか、全然眠れん…。
原因は分かってる。俺達の生活に三人も増えた事による不安と今後の予定だ。
散々自分の身は自分で守れって言っちゃったもんな~…ハルちゃんを脅してまで。
そうだ、物資の調達も倍以上にしなくてはいけないんだった!
はぁ、家計簿を見ながら溜息をつくお母さんの気持ちが分かりました。
もう少し民家を探索するか…
さすがに武器の扱いとゾンビの対策にも慣れないとな…いざと言う場面で体が硬直してゾンビに咬みつかれましたじゃ話にならん。
眠れないこんな時は明日の計画を立てるか…
まず、近場の家は入ったから…そうだ、三人が元々居た避難場所方面に向けて探索するか。
物資も探せて方向も絞れて三人の親も探れて一石三鳥。
しかし問題がある。
生存者の存在だ。
三人の話だと、自衛隊が守っていたらしいが、ゾンビで壊滅。
生存者はゾンビに襲われたと言っていたが、自衛隊が居たと言う事は武器もあっただろう。
その武器で武装した市民が潜んでいる可能性大だ。
運よくこの子たちの家族が自衛隊の人たちに助けられたり、ゾンビから逃げ切れればいいが…喰われてたらどうする?
先程は『ゾンビは倒す』と言ったが、ゾンビとなった家族を倒せるか? 襲ってくるのがゾンビならまだしも生存者が居たらどうする? あの三人が生存者に撃てるのか? と言われたら、まず無理だろうな。
躊躇している内に喰われるか生存者だったら撃たれるか、それこそ性奴隷まっしぐらだろう。
何でかこの3人可愛いんだよ。
肩より少し下まで伸びる細く滑らかな黒髪。
大和撫子を地で行くような雰囲気を漂わし、凛とした大きな目が特徴のまゆゆ。
身長も大きすぎず小さすぎず、華奢なのにけしからん胸の持ち主。
趣味は茶道で弓道も少々…とか言いそうだ。
13歳と言う年相応な小柄でボーイッシュなシルエットなのに、その大きな目のおかげでとても可愛いと言う言葉が鼻に着かないユウコりん。
普段だったら元気よく走り回り、スポーツ万能に見える。
ドストレートな髪が背中まで伸び、どこか甘やかされたお嬢様タイプのハルちゃん。
体の細さを見るにスポーツは得意には見えないが"勉強は負けませんわ"とか言いそう。
この三人には物語補正とかヒロイン補正でもかかってるのか、30歳のおっさん目線だからなのか?
いや、別にロリコンとかじゃないぞ?!
俺は『胸が有る子~胸が垂れる前』がストライクゾーンだからな!
キャッチャーが取れない範囲も俺のストライクゾーンなのだよ。恐れ入ったか!
もう一度言う。『ロリコン』じゃない!
しかしよ~、女1人だけでも面倒なのに3人とは…お父さんお母さんの苦労を垣間見た。
あ、リビングに銃を置き忘れたと思いだし静かに2階のリビングに上がる。
置き忘れた銃はそのまま置いてあった。
良かった、寝てる間に撃たれたらシャレにならん。
まゆゆとユウコりんは大丈夫だろうけど、ハルちゃんには撃たれかねんからな。
そう思いマガジンを抜き弾の数を確認する。
うん、大丈夫だ。
別に3人の事を信用してない訳では無いけど念にな念をです。
安心してると3人にかけている毛布の内、まゆゆの毛布が足元に『ファサッ』と落ちた。
やれやれ、と毛布を掛け直す。
「まぁ、安心しろ。お前たちは守ってやる」と言いながらまゆゆの頭を起きないように軽く撫でた。
冷蔵庫からビールを取り出しテーブルに静かに座り直しビールを呷る。
3人の方に目をやると、まゆゆの顔が赤い。
ああ、2人に寄りかかられて暑いのか? だから毛布を落としたのかな?
もしかして余計な事しちゃったかな。人の体温は何だかんだ温かいが、長時間だと暑くもなる。
外気を取り込むためと言ってシャッターを開けると光が漏れだすから開ける事も出来ない。
俺は、夏本番が来ると思うと嫌気がさしてきた…
俺はビールを飲みながらまゆゆたちの経路を頭で纏めながらWebを起動させる。
モニターにはまゆゆたちが避難していたであろう学校のストリートビューを見る。
まゆゆたちが避難していた場所が襲われて3~4日?
避難場所が破られるって結構な量のゾンビが居たんだろ?
しかも避難民までゾンビ化したとなると…結構な量のゾンビ達は逃げた生存者を追って行くはず。
次に避難民が逃げる先は、近くの小学校か? 公園はダメだ。フェンスはあるが出入り口にゲートはない。避難場所としては最悪だ。
ストリートビューを閉じて別のブラウザを立ち上げる。
うわ、みんな結構逞しく生きてるのね。
防災用の掲示板の殆んどが避難場所での家族の安否を掲載している。
そうだ、この3人に携帯があればそれで安否確認…なんてもうしてるか。
念のため、明日確認してみよう。
そうこう考える内に俺も眠くなってきた。
ビールも空になったので俺は1階に下りて自分の部屋で寝る事にする。
何でリビングで寝ないのかって? おじさんは若い子に鼾を聞かれたくないのだよ。
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