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神様?いいえただの悪魔です。  作者: 次元
第3章:死者の星
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第4話:始まりの始まり

余裕が出来たら連続投稿もしたい(願望)


それではどうぞ。

無事、買い物を終えて家で寛ぐ…前にやる事がある。


門扉を厳重にすると言う使命が。


幸いにも、俺の家は注文住宅で、火事に強く、最近では災害にも強いと実証されたエンジェルハウス。


真っ当な23歳では購入不可能な住宅なのだが、その辺は色々あるわけだ。

俺の実家は裕福な家庭では無かったが、私立の高校に入学したのでド底辺と言う訳でもない。


しかし、親の期待を裏切って高校を中退し働き出した愚か者だ。

親を納得させるために大検にも合格したし、それほど問題は無かったが。


そして、コネと言うかツテと言うか、思い付いた幾つかのアイデアを企業に売り、その時の資金を頭金にして購入した。


その時に資金出資と言う名目で宏樹もこの家に住んでいる。

と言っても、頭金を出しただけで、毎月のローンと言う重圧に立ち向かっているのは俺だけだが…。


もう、俺の過去には触れないでくれ。

若いうちに大金を手に入れて悪い事でもしたのでは無いかと疑われたりもしたが「薬は売ってない!」とだけ言っておく。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



とにかくエンジェルハウスは丈夫だ。


そして、窓は自動シャッター装備。


駐車場は縦に2台止められる。


生憎とガレージではないのが悔やまれるが、俺にそんな金は既にない。


唯一の救いは、塀が高い。

そして進入路は駐車場の門扉だけ。


だから、ここを重点的に防御すれば安心は得られる。


動画のゾンビは動きが怠慢で思考能力は無いに等しい。

この辺は映画のゾンビに近いものがある。

そうでなければ、今頃は無人島に向け出発している所だ。


その代り、握力だけはあるらしく、掴まれたら最後っぽい。

どうやら、脳のリミッターが解除されているようで、人間を捕食する為に自身の骨が折れようとも相手を掴んだら放さないようだ。

まぁ、ゾンビだったら死んでいるのだし、痛みなんて無いから出来る芸当だろう。

脳のリミッターと言うよりも脳だって死んでるだろうし。


そもそも、人間が生肉に齧り付いて捕食できるか? と問われれば答えはNOだろう。

ビックリ人間でも紹介される程、顎の筋肉が発達しているのならばYESだが、ゾンビは老若男女問わず人間の皮膚に噛みつき捕食する。

レアチーズケーキみたいに噛付き引きちぎるなんて、男の大人だったら百歩譲って出来るかもしれないが女子供には無理だろう。

どこぞの金持ちが食べるシャトーブリアンの様に噛み千切れる部位なんてあろうはずもない。

腕であろうが足であろうが筋肉が存在する場所には筋も当然あり、人間が一噛みで食い千切れるものではない。

現に肉食獣だって筋を切る為に何度も何度も咀嚼する。

それ程までに生肉と言うのは硬く筋張っている。

そう意味も含めゾンビはリミッターが解除されていると俺は予想している。



そして現実問題、このゾンビがどれくらい活動するのか?



生憎とゾンビを飼ってる動画は存在したが、数十日しか経過しなかった所で今回の騒動だ。

そもそも、ゾンビが発生してから日数が経過しているわけでは無い為、どうも不明な部分が多すぎる。


そりゃ死体が動いている時点で非現実なんだ。

ゾンビが跋扈する世界であれば剣と魔法の世界として異論はない。

その場合、魔法が使役できても不思議ではないが、現実はそう簡単では無いらしい。

残念だ。

非常に残念である!

俺も魔法が使えたらと思うと残念でならない。


され、現実の話に戻そうか。

普通の死体だったら数か月で原型は留めないだろう。


今が丁度春先で、暑くも無く寒くも無い時期と言う事を考慮しても、筋肉の組織が崩壊するまで1ヶ月程か?

それを乗り越えられれば大きなヤマは超えられると思うのだが…


問題は腐食しない場合だ。


ある海外のゾンビドラマでは何年経ってもゾンビは活動している。

こうなると完全に詰みだ。

どうやっても全滅させるプランが見つからない。


日本だけをターゲットに1億2000万人の9割がゾンビとなった事を想定する。


俺と宏樹の2人VS108000000体のゾンビ


毎日1人1日10体倒して5400000日…約14800年…はい詰んだ!


1000人の強力な助っ人が無双しても14年ですよ。


1割の生き残った人間12000000人が無双したらスグに終わりますけど…幼稚園児やじいちゃんばあちゃんに無双させますか?


高齢化の時代に何人無双出来る人が居るのでしょう?


俺? 無理無理。いっその事、核ミサイルを落としてください。100m間隔で。



そんな悲観的な事は当面排除しよう。

いつも自分の都合の良いように生活してきた俺としては、とにかく1ヶ月はここを拠点にして生活しようと思う。


軽トラから物資を家の中に搬入し、屋上に簡易テントを設置する。

この家は3階建で、屋上だったら比較的周りも見渡せる。



ついでにこの家は太陽光発電完備。

もう至せり尽くせりだが、他人からしても美味しい家だと言う事は忘れていない。


スーパーから物資が消え、略奪が始り1週間ほどで収まるとする。

それは物資を手に入れて、一時の安心が掴めただけだ。


そこからは、食料を奪う為の本格的な殺し合い。




―――時間は22時を回った頃



「さて、テレビもいよいよ本気で放送しだしたぞ」


テレビに映し出されるのは病院で起こった騒動。

患者が医師や看護師を襲う。


そんなニュースだ。

しかも発生した場所が不特定多数と来たもんだ。


しかも有識者が広範囲におけるウイルス。

もしくは寄生虫と言ってたし。

別の有識者は狂犬病の変異体の可能性とか言ってるし。

もう情報が錯綜してる。


「ああ、こりゃ明日にも買い込み騒動が起こるな」


「だね。この近所でもみんな買い込みしてくれたら後々楽だよね」


不謹慎極まりない発言がタバコの紫煙と共に吐き出される。


「うわ、もう奪う気満々ですか?」


「その前に、まだ徘徊してるゾンビを見てないんだけどね」


「俺なんか一度もゾンビ見てないぞ」


「まぁ、明日には密集地域で大量に出現するんだろうけどね」


「マジか? うわ~…マジでそうなるのか…? ―――…マジでか~!」


明日からの現場どうしよう?

とか心にも思ってない事を宏樹が言う。

あんたは今日現場をすっ飛ばして帰っちゃったもんね。

逆に騒動にならなかったらしばらくは宏樹の現場を手伝う事になる。


「ゾンビが徘徊し出したら、どれくらいの家庭が立て籠もるんだろうね?」


「みんな立て籠もるんじゃない? ま~1週間くらい?」


「良くてそんな所だろうね。でも、1週間立て籠もっていたら結構ゾンビが徘徊するでしょ。ゾンビを殺してまで奪う家族は何世帯居るだろうね?」


「どうなんだろうな?」


「まず居ないでしょ」


「その間にもTVとかで避難場所や対処法を放送するだろうけど、TVが『徘徊しているのはゾンビで死人です。ゾンビは脳を破壊すれば倒せます』とか言うと思う?」


そもそも政府がゾンビなんて非現実的な事を受け入れるとも思わないし。


「対処方法ったって家から出ないで下さい! とか位だよな。」


「だろうね。結局は自分の身は自分で守らないとって事だよ」


「まぁ、しばらくは引き篭もり生活って事でしょ? 俺はもう寝る」


「んじゃ俺も」



騒動初日と言う事もあり、ニュースに多少取り上げられただけ。

世間も大ごとには考えていないようだし。

俺たちは既に酒を飲んで出来上がっていた為、あっという間に眠りに落ちてしまった。

考えている様で考えてなさそうな呑気な二人であった。



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