第5話 虹色の世界
自己紹介を終えた桃華は自分の席に着く。
「よし。じゃあ、お前らも知っている奴らが殆どだとは思うが、簡単に自己紹介するかー。じゃあ、一番の青木から!」
「俺っすか!?、、、えっと、、、」
そう言って、出席番号が1番の人から自己紹介を始めた。
時折、男子が面白いことを言いクラスが笑いに包まれる。
そして、私の番も、勿論くるわけで、、、
こういった事が苦手な私は簡単に済ませる。
「川上 紗季です。写真部所属です。」
そして、桃華ももう一度自己紹介をする。
「えっと、、、さっきも言いましたが、転校して来た橋本 桃華です。よろしくお願いします!」
桃華の方を向く。
やはり、桃華の周囲だけが色鮮やかに見える。
37人もいるクラスの自己紹介も終わり、課題提出も終わったため、お昼休みとなる。
「あの、、、」
桃華が少し遠慮がちに声をかけてくる。
「今朝、絆創膏をくれた人ですよね?ありがとうございました!」
転校して来たことを気にしているのか、敬語の桃華、、、。
なんだか、距離を感じて寂しくなる。
「気にしないで?それと、、、敬語じゃなくていいから」
笑顔で桃華に答える。
すると、、、
「あの、、、じゃあ、、、紗季って呼んでもいい、、、?」
少し涙目気味のうるうるした目で聞かれる。もちろん、断るわけがない。
「もちろん!私も桃華って呼んでもいいかな?」
私はまた、笑顔で答える。
その様子を、綾香がいつもと違う表情で見ていたことを私は知らない。
「うん!あっ、、、一緒にお昼食べでもいい、、、??」
「いいよ。」
そして、私は桃華とお昼ご飯を食べた。
桃華にひよこのネックレスのことを聞きたかったが、何て聞いたらいいかわからず、聞けないまま。
そのまま、昼休みは終わってしまい始業式が始まる。
長い校長先生の話が終わり、始業式が終わる。
「紗季~♪校長先生の話、長かったね。あっ、、、紗季は家どこ?よかったら、一緒に帰りたいんだけど、、、」
「長かったよね。えっと、、、城北駅ってわかる?そこの近くなんだけど、、、」
「嘘!?私も城北駅だよ!一緒に帰ってもいいかな、、、??」
「もちろん、いいよ。」
「やった!」
綾香も声をかけてきたが、綾香とは方向が違う。そのため、私は桃華と2人で城北駅まで帰った。
城北駅までは、桃華と学校や近所の話をしながら帰った。
やはり、桃華といると世界は砂色なんかではなくなる。色鮮やかな虹色の世界が広がる。と、同時にこころから楽しいと思えた。
楽しい時間は過ぎるのが早く、城北駅に着いてしまった。
「じゃあ、また明日!」
桃華が元気に明るく言ってくる。
それに、私も答える。
「うん。また、明日。」
お互い別れを告げ、家に向かい歩く。
駅からしばらく歩き、家に着くと、見知らぬ靴があった。
「ただいまー。お母さん?お客さん?」
そう言いながら、リビングに行くと、見知らぬ女性がいた。
「こんにちは。初めまして。私、橋本桃華の叔母なの。」
見知らぬ女性は桃華の叔母だという。とりあえず、挨拶はしておく。
「こんにちは。初めまして。」
「紗季もこっちに来てくれる?」
自室に戻ろうとしていた私を母が呼ぶ。
「えっ、、、。うん、、、。」
なんだか、不安になる。
「急にごめんなさいね?叔母さんの話を驚かないで聞いて欲しいの。」
「、、、はい、、、。」
私の反応を見てから叔母さんは語り出した。
ーーーパリンッ
私が持っていたコップが床にキラキラと散らばる。
「えっ、、、桃華には、、、過去の記憶が、、、ない、、、?」




