第14話 紗季は……(綾香side)
部活紹介で紗季にゴスロリの格好をしてもらったのは、間違いだったかも………
体育館での新入生の反応、仮入部の人数…紗季目当てでの入部希望者が多い。
「はぁ……。」
ため息が漏れる。
(私だけの紗季でいて欲しいのに…。まぁ、紗季のゴスロリ姿が見れて嬉しかったけど…。)
今日の学校でのことを思い出していた。
ライバルが増えた…。
紗季は学校でモテてるから、ライバルは多い……。
紗季は、女子からも男子からも好かれているのに、本人に自覚が無いのが、困る。
まぁ、そこが可愛いんだけど…。
クールでかっこいいのに、可愛い…そんなとこが好き。
女子の間では、紗季はアイドル的存在。
だから、私や他の女子たちで、男子が必要以上に紗季に近づかないようにガードしている。
そして、女子も必要以上紗季にに近づかない暗黙のルールがある。
まっ、私は別だけど♪
それにしても、最近、紗季はよく笑うようになった。
今までも笑っていたけど、もっと優しく微笑むようになった。
それ自体は嬉しい。
けど、紗季の横にいる橋本が許せない。
紗季の笑顔を隣で見ているアイツが…そこは、私の居場所なのに…!
紗季は私だけのもの。
誰にも渡さない。
せっかく、観覧車で忠告してあけだのに…。
ペアストラップを持つなんて…。
痛い目見ないとわからないのかな?