表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/17

第十四話 スーハースーハー

 「もう、この扉を抜けりゃ闘技場だ、気を引き締めとけよ?

 闘技場の雰囲気に圧倒されちまって、何も出来なくなっちまっうこともよくある見てぇだしな。」

 

 二人はギルドの受付があった場所から少しの間廊下を歩き、そして扉の前に立った。

 

 「どうしよう、サリエル。

 僕、ちょっと緊張してきちゃたな~・・・。」

 

 そう言い、聖恵はサリエルの方を向き、おどけたような、笑ったような表情を見せた。

 

 「おいおい、しっかりしてくれよぉ?」

 

 そう言いサリエルは少し困ったような顔をした。

 

 「あはは、大丈夫、大丈夫。

 緊張も凄いしてる訳じゃないし。」

 

 「そうか、なら、もうちょいしたら行くか?

 待ってやるから、深呼吸でもしとけ。」

 

 そう言われた聖恵は、サリエルに言われた通りに、

 『スーー、ハーー、スーー、ハーー』

 と、深呼吸をした。

 その間サリエルは聖恵の横で少し落ち着きなさそうに待っていた。

 

 「うん、もう大丈夫だよ。

 緊張も随分軽くなったしね。」

 

 「・・・じゃあ、行くぞ?」

 

 聖恵がそう答えた後に、サリエルは扉に手をかけ、押し開いて行った。

 

 『ギギギギギィーー』

 

 そう、重厚な音と共に扉は開いていった。

 

 「おっ、来た来た。ルーキーが来たぞ!!」

 「おい、ルーキー! 少しは楽しませろよ!」

 「いやいや、無茶言ってやんなって。相手はヴァン達三人組なんだぜ? 無理無理。」

 「いや、あのサリエルが連れてきた奴なんだぜ? もしかしてがあるかもしれねぇぞ?」

 「バーカ、言ってもさっき登録したばっかのルーキーだぜ? 賭にもなんねぇよ! ギャハハハハ!」

 

 そんな下賎な会話と笑い声が、どこから湧いたのか、日本ではコスプレでもないとなかなか見ないような髪色や、服装の多くの冒険者たちから、聖恵達に投げ掛けられた。

 

 「チッ、どっから来やがったんだか。

 うっぜぇ奴等ばっかだぜ。」

 

 そう言いながら、サリエルはガツガツと闘技場の中を歩いていき、聖恵はサリエルの後ろをついていった。

 闘技場の中には舞台のような物があった。

 簡単に言えば、プロフェッショナルレスリングのリングにロープがなく、もっとリングを広くしたような物だった。

 そして、その舞台の近くにはあの三人組が立っていた。

 三人組は聖恵達に気づくと聖恵達に言った。

 

 「俺様たちから逃げなかったことは誉めてやるよ。

 まぁ、この後ボコボコにしてやっけどな。ギャハハハハ!」

 

 「まぁ、確かに。逃げなかったのは立派ですが、カクの違いと言うものを、しっかりと先輩として見せて差し上げましょう。」

 

 「うむ、そうだな教えてやろう。」

 

 上からヴァン、キュラソー、コアンの順で負けるなどとは一欠片も思っておらず、まさに余裕綽々と言った様子であった。

 

 「俺が見てんだ、碌でもねぇことしやがったら、わかってんだろうな?

 もし、聖恵になんかありゃ、てめぇら三人ともシメてやっからな。」

 

 そう言いサリエルはヴァン達を睨んだ。

 

 「サリエル、僕は大丈夫だから、ね?」

 

 「サトエもあんま油断してんじゃねぇぞ?

 ただでさえ彼奴等はサトエより断然上なんだからな。

 もし、何かあったら俺が舞台から引っ張りおろしてやっからな。」

 

 「お~うおうおう、随分とそいつを気にかけてる見てぇだな?

 えぇ? サリエルよぉ?」

 

 ヴァンはそう言いニヤニヤとした笑みをサリエルに向けた。

 

 「チッ」

 

 そうサリエルは聞こえるように舌打ちをして、不機嫌そうな顔をしたまま、闘技場の舞台が一番見えやすい席の場所に腰をおろした。

 

 「で? お前ら三人のうち、どいつが試合をすんだよ。」

 

 「こちらはリーダーのヴァンですよ、えぇ。」

 

 「うむ、ヴァンだ。」

 

 「つー訳で俺が相手だぜ? ルーキーよぉ?」

 

 そう言いながらヴァンは闘技場の舞台に上り、剣を抜いた。

 

 「大丈夫(でぇーじょうぶ)だって、殺したりなんかしねぇからよ?

 だから、早くやろうぜ、な?

 俺は早くてめぇをボコボコにしてぇんだよ!」

 

 そう言ったヴァンは闘志を漲らせているようだった。

 

 「じゃあ、行ってくるよ、サリエル。」

 

 そう言い聖恵は笑顔でサリエルに小さく手を振った。

 

 「ぜっってぇに無事に帰ってこいよ?

 なんか策があるみてぇだしな。頑張ってこい。」

 

 「うん、頑張ってくるよ。」

 

 そう言って聖恵は闘技場の舞台に上がった。

今回やっと試合前まで行きました・・・あれ?

予定では戦闘シーンくらいまで行くはずだったんだけどな~・・・。


どうしよう、作者、サリエルさんにホレそうです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ