第十三話 犬のあの顔は狡いよね
「さてと、取り敢えずは闘技場とかの説明からするか。」
「うん、お願いします。」
「闘技場ってのは、ギルドが持ってる場所でな。
ギルド登録者達が争いを起こしたときに、そこで試合をやって決着をつけろってことだな。
試合は剣でも魔法でも、基本何でもありだ。
ただし殺しは絶対に無しっつうことになってる。
殺しがあったら、やった奴はギルドから強制的に登録者資格の剥奪がある。
まぁ、逆に言えば殺さなければ何でもあり、過去には試合で手が折れて動かせなくなって、冒険者をやめたやつも山ほどいる。
ぜっっってぇにサトエはそうなるんじゃねぇぞ。
あとは試合は基本一対一だな。
まぁ、大体そんくらいか。」
「なるほど、取り敢えず死ぬ心配はないんだね。
ただ、大怪我をおう可能性はあると。」
「それで・・・?
どうやってあいつらを倒す気なんだよ。
あいつら、あんなんでもランクAだからよ。
認めたくはねぇけど、腕は確かだぜ?
生半可だと蹴散らされて終わりだ。」
「あの~。先ず聞きたいんだけど。
その、ランクって何?
さっき渡された僕のギルドカードにもFって書いてあったけど・・・。」
聖恵はおずおずと手を上げながらサリエルにそう聞いた。
「あぁ、あんま時間は無駄にしたくねぇけど、そう言う説明はしといた方がいいか。
ランクっつーのはな、ギルドが依頼の達成数やら一定の素材の売却数なんかでランクを付けんだよ。
そんで、そのランクによってどのレベルの依頼を渡すかってぇのを決めんだよ。
ランクは上からSS・S・A・B・C・D・E・Fだぜ。
もう、ただあるっつうだけになってるけど、SSSってのもあるらしいぜ。」
「ってことは、僕はFで、あの三人はSSSを除けば上から三番目ってことなんだ。
だいぶ強いってことですね。」
そう言いながら聖恵は少し考える素振りをしていた。
「あっ、そう言えばサリエルって何ランクなの?」
「・・・言わなきゃいけねぇか?」
サリエルはそう言いながら聖恵から顔をそらした。
「絶対って訳じゃないですけど・・・。」
聖恵は、まるで構ってもらえなかった犬のようになった。
もし犬耳と尻尾があれば、耳は頭にヘタリ付き、尻尾は大きく垂れ下がっていただろう。
「あ~ぁ! 言う! 言うよ!! 言うから!! だからそんな顔すんな!
・・・・・・SSだよ、SSランク。」
「SS!! ってことは、ランク一番上!?
サリエルって、凄いんだね!」
聖恵はキラキラとした目をサリエルに向けていた。
「あぁ!! もういいから!
それより、どうやってあいつらを倒すのか教えろよ!
あんだけ自身満々だったんだから、何か策はあんだろ?」
サリエルは少し顔を赤くしながらそう言った。
「ふふふ、サリエルって案外照れ屋なんだね~。」
「おい!! 真面目に答えろよ!!」
「ふふふ、そうだね。
う~ん・・・まだ内緒ってことで!」
「はぁ!? おい、どう言うことだよ!
ちゃんと聞かせろよ!」
サリエルは声を荒げながらそう言った。
「まぁまぁ、絶対に試合には勝つから、ね?
信頼して任せてよ、お願い。」
「・・・わぁったよ!
ただし、危なくなったらすぐに降参しろよ?
いや、俺が危ねぇと思ったら、なんとしても降参させるからな!
いいな?!」
「うん、わかった。
さっ、じゃあ早く闘技場に行こ?
僕は場所わからないしね。」
「あぁ、そうだな。
俺が案内してやるから、ちゃんと付いてこいよ?」
「うん!」
先々週、先週と休んでしまい申し訳ありませんでしたm(_ _)m
何分私は学生でして・・・
そして、嬉しいことにpvが1000を越えました!!
いや~、本当に嬉しいです、誠にありがとうございます。
今回話は本来なら闘技場で戦う直前までいくつもりだったのですが、なんだか長くなってしまいました・・・。次こそは・・・。