第十二話 三人組
6/4 サリエルのランクの部分を編集いたしました。
「チッ、嫌な奴らと会っちまったな。
だから、早く出ようと思ったんだがな・・・。」
サリエルはそう小声で言いながら苦虫を噛み潰したような顔をした。
「おいおい、連れないじゃないかよ? えぇ?
トップランクのサリエルさんよ~。」
「何が連れねぇだよ。」
「まぁまぁ、ヴァンもそこらへんで。」
真ん中にたっている男──ヴァン──を右隣にいた男が制した。
「あぁ? 俺を止めんなよ、キュラソー!」
「私達は今日そんなこと話をするために、声をかけた訳じゃないでしょう?
ねぇ? コアン。」
そう、一番左に立っていた男にキュラソーはそう話しかけた。
「あぁ・・・。」
「相変わらず、あんたらはバカみてぇにやってるみたいだな。」
サリエルはそんなやり取りをしている三人に向けてそう言った。
「あぁ? なんだとサリエル!
もういっぺん言ってみろよ!」
「まぁまぁ。
サリエル、今日は本当にこんな話をしに来たんじゃないんですよ。
話って言うのはですね?
また、私達とパーティーを組みませんか?
前のように、ね?」
「お断りだ! あんたらとは反りが合わねぇ。
あんたらとはもう絶対に組まねぇ、そう決めてんだよ。」
「おいおい、酷いじゃないか?
俺達はただ前と同じように出来たらと思って声をかけたんだぜ?」
そう言いながら、ヴァンはサリエルの方に馴れ馴れしく近づいて行った。
「ん? あぁ? 誰だ? そいつ?」
そこで初めて聖恵に気付いたようだ。
「あっ、えぇっと。」
「こいつは俺のパーティーだ。
あんたらよりよっぽど良い奴だ!」
聖恵は何かをしていたようで、突然の事にしどろもどろしていると、サリエルがそう言って聖恵の肩に手をおいた。
「へぇ~。ただの弱そうなルーキーみたいだけどよ。
俺達よりもサリエルに釣り合うってのか?」
「そうですね~。確かに弱そうですよね。
あっ! それなら私達と、そこの彼とギルドにある闘技場で戦いませんか?
それならハッキリとしますからね。
そこの彼が勝てば私達はもうサリエルに話かけないと約束しましょう。」
「それがいい・・・。」
「なっ・・・! そんなこと!
サトエはルーキーで、お前らはランクAなんだぞ!
そんなこと俺が許すわけがねぇだろ!」
そうサリエルが言った直後に、聖恵はサリエルの方を向いて笑顔で驚きのことを言った。
「いや、サリエル。僕、戦おうと思うよ。」
「なっ・・・!
バカ! お前はルーキーなんだぞ! 勝てるわけがねぇだろ!」
サリエルはそう聖恵に言い聞かせるように言った。
「へ~。随分と自信があるんだな、ルーキーがよぉ?」
「そうですね、私達もルーキーになめられて負けるわけにも行きませんしね。」
「あぁ・・・。」
どうやら三人は聖恵の発言で怒りが沸いたようだ。
「じゃあよ、早速やろうぜ!
俺達は先に闘技場に行ってるからよ。
精々サリエルに作戦でも立てて貰いな!
まぁ、俺らに勝つなんてのは無理だと思うけどよ! ガハハハハ!」
そう笑いながら三人は歩いて行った。
「サトエ、お前・・・! どうすんだよ!!」
サリエルは聖恵に向かって怒鳴った。
「大丈夫、大丈夫だって。僕に任せてよ。考えがあるんだ。
それに、サリエル本当に嫌そうだったから、さ。」
聖恵は少し申し訳なさそうな顔をして言った。
「はぁ・・・。とりあえず、公言しちまったからにはやんねぇといけねぇしな・・・。
ただしこれだけは約束しろ。危なくなったらすぐにギブアップすることだ、いいな?」
サリエルは真剣な顔をして聖恵にそう言った。
「うん。わかった。約束するよ。」
そう聖恵は頷いた。
今回ちょっとややこしいですかね。
ゴールデンウィークが終わったらしいですね。
私は課題に追われどこかに行ったわけでもないのでゴールデンウィークは味わっておりませんね・・・。
皆さん五月病には気を付けてくださいね~。