第十一話 ギルドに登録!
5月14日、少し編集をいたしました。
聖恵がサリエルの後ろを付いて行き水色の門をくぐった先は、一本道の廊下のようになっていた。
「この場所は、門までの通り道さ。
そこまで長い訳でもねぇからよ、ちょっと歩けばまた門があるから、それをくぐればギルドだぜ。」
そう言い、サリエルはずんずんと歩いていった。
「ギルド・・・、ちょっと緊張するな~・・・。
絡まれたりしないといいんだけど・・・。」
「大丈夫だって、俺がついてるからな。
もし、なんかあっても、俺に任せとけや。」
サリエルは顔を聖恵の方を振り向き、頭をガシガシと撫でた。
「ちょっ、やめてよサリエル!」
聖恵は少し恥ずかしそうにしながらサリエルにそう抗議した。
「わりぃわりぃ。」
サリエルはくつくつと笑いながらそう謝った。
そんなことをしながらしばらく歩いていると、水色の門があった。
そしてそのまま聖恵はサリエルの後ろにくっつきながら門をくぐった。
くぐり付いた場所は木製の壁、床、椅子や机、樽がおいておりだいぶ広い部屋のようになっており、アルコールの匂いと喧騒が渦巻いていて、小説やゲームでのギルドのイメージそのままの場所だった。
「ここが、ギルド・・・。」
聖恵はそう小さく呟いた。
サリエルにはそれが聞こえたのか、聖恵にこう言った。
「思ってたギルドと同じだったか?
あぁ、それと、ここにいる奴らとはあんまり目を会わせるんじゃねぇぞ。
今は下向いとけ、俺に付いてくりゃいいからよ。」
「あっ、うん。わかったよ。」
聖恵は言われた通りに下を向き、サリエルの後ろにくっついていった。
サリエルと聖恵が歩き出した時には、先程まであった喧騒が嘘のように静まり返り、ひそひそとした声が少し聞こえるだけであった。
「おい、あいつって・・・・・。」
「あぁ、・・・。」
「けどよ、なんか・・・を連れてるぜ?」
サリエルは全て聞こえていないかのように、平然と歩いて行った。聖恵に聞こえているのだから、勿論のこと、サリエルには聞こえているのだろうが。
ひそひそとした声に二人はさらされながら少し歩いて、サリエルは受付のような場所で立ち止まった。
「おい。すまねぇが、こいつの登録お願い出来るか?」
サリエルは受付にいた女性にそう言い、聖恵を自分の前に出した。
「さっ、サリエルさん!?」
受付の女性は大きな声を出し驚き、ついでサリエルと気付いてガチガチに緊張しているようだ。
「わっ、わかりました。貴方が登録したい方ですね?
えぇっと・・・。まずはお名前を・・・。」
「あっ、はい。
僕はさとえ、聖恵って名前です。」
「はい。では、年齢を・・・。」
「おい、もう良いだろう?
名前と認証さえありゃ登録出来んだろ?」
そうサリエルは、少し低いすごんだような声で女性の話に割り込んだ。
「は、はひ。確かに登録できます。
えっと、では、この水晶の上に手をおいて認証をお願いします。」
サリエルにすごまれて、受付の女性は声を上ずらせながら言った。
「はい。わかりました。」
聖恵はサリエルの行動を不思議に思いながらも、受付の女性に言われたように、水晶の上に手をおいた。
「・・・はい。もう離してくださっても構いません。
これで登録は完了いたしました。」
そう言って、受付の女性は聖恵にカードと思われる物を差し出した。
「あっ、ありがとうございます!」
そう聖恵が言い終わり、女性からカードを受けとるとすぐに、サリエルが聖恵の手首を掴みすたすたと歩き出した。
「すまねぇが、ちょっとだけでいいから我慢してくれや。」
サリエルは小さな、聖恵にだけ聞こえる声で言った。
「痛くないですし、それは全然いいんですけれど・・・。
どうしたんですか?」
「ちょっとな・・・。」
サリエルはそう言い淀んだ。
そのまま聖恵の手首を掴んだまま、ギルドに来た時の門の場所に足早に歩いていると。
その門から数人の男が出てきた。
三人はそれぞれ、真ん中が赤、右が黄、左が青と、日本ではなかなかお目にかかれないカラフルな髪をしていた。
そして、その男達とサリエル達は必然的に向かい会うような形になった。
すると男達の一番前に立っていた人が突然。
「サリエル! おい、サリエルじゃねぇか!!」
そう叫んだ。
皆さんゴールデンウィークはどう過ごされましたか?
俺は課題に追われていました・・・。
遊びに行ったりしたかったな~。
次回はちょっと不穏な感じ・・・?