第十話 ギルドへ!
「そう言えばサリエル、ギルドってどうやっていくの?
歩いて行ける場所にあるの?
この空間にあるのかな?」
「いいや。この空間にゃねぇよ。
ギルドはそこ自体が一つの確立した空間だからな。」
「えっ? じゃあどうやってギルドに行くの?」
「“あるもの”を使って行くんだよ。
それ使えばすぐに自分の目的の場所に行けるからな。
それを使わないってなったら、どの空間にもある筈のギルドに繋がる門を、わざわざ広い空間の何処にあるかもわからねぇ門を、依頼と関係ねぇモンスター倒しながら時間をかけて探さなけりゃならなくなる。」
「その“あるもの”って?」
「これだよ。これ。」
サリエルはそう言いポーチから石の用な物を取り出した。
ただし、普通の石には絶対にないであろう、不思議な水色の模様が描かれている。
「それは・・・?
変な模様が描いてあるけど?」
「これはな、転移石つぅアイテムでな。
あらかじめポイントを付けておいた所に転移する為の門が出来るアイテムなんだよ。
それと、転移する人数は上限が決まってねぇから、複数人がいるときにゃ使い勝手がいいんだよ。
まぁ、デメリットは一度も言ったことがねぇ所にゃ行けねぇって事だな。あとは、時間制限があるって事だな。
ちなみに一人用の転移石もあるんだぜ?」
そう言い、サリエルは少し得意気な顔をした。
イケメンなのでとても絵になっている。
「へぇ~。そんな便利なものがあるんだね!」
「あぁ。これがねぇと大分苦労するはめになんだよな~。
この転移石のポイントはギルドにしてあるから、これを使って門をくぐった先はギルドだぜ。
準備は出来てるよな?
それじゃあ、早速行くか。」
サリエルは転移石を持った手を胸の前に掲げて、
「転移石、起動。」
と、言うとサリエルの二歩程前に柔らかな水色の光を放つ、人一人が悠々と入れるだろう縦に長い丸の形をした門が現れた。
聖恵は思わずその綺麗な門に目を奪われた。
「ほら、さっさと行くぞ。サトエ!
俺の後ろを付いてくるんだぞ。
これを、くぐり抜けりゃあすぐにギルドだ。
時間制限になる前にくぐらねぇと置いてきぼりになっちまうぜ!」
そう言ったサリエルは体の半分が門に入っていて、聖恵の方に振り返っている所だった。
「あっ! ごめんね、綺麗なんで見惚れてたよ。すぐに行く!」
そう言い、聖恵は小走りにサリエルの後ろに付いて、水色に光る門をくぐった。
門をくぐる時の聖恵の胸中は、これから向かうギルドはどういう所なのか、これからどんな事が始まるのかという、少しの不安と大きな期待が渦巻いていた。
先週は休んでしまってすみませんm(_ _)m
今回の話はギルドへ行く前なので短かったです。
・・・言い訳です、ごめんなさい。
学校が忙しくって、課題も多いので・・・。
お許しを。