第42話 タリウスのダンジョン 10階層まで
全然更新できず申し訳ありません。
苦手な恋愛話書いてて疲弊したとかそんなわけではないDeathよ
ホントは18時更新したかったんですが、残業がorz
日本刀の方はもうちょっと待ってくれ、納得のいくデキのものがまだできんのじゃ」
「そっちは無理を言ってるから構わないよ。あ、そういえば完成品のサンプルをこないだ置いていくの忘れたんだけどいる?」
「参考に受け取っておこう。……ふむ、なるほどのぉ、これは素晴らしい」
次元倉庫からサンプルとして取り出した刀をカリンドに渡す。神坂忍時代に知り合いの刀鍛冶からもらった物だ。銘はないが、無銘の刀とはいえなかなかの逸品だった。カリンドもそこに気づいてか、自分の刀と比べたりしている。
「そうじゃ、こっちのスタッフの方は2種類つくってみたんじゃが」
見た目はほぼ同じの金属製の杖を俺に持ってくる。
「持ってみるとわかるけど、重さが違うな」
「うむ、重い方はミスリルのみで作ってある。軽い方は木製の杖を加工してミスリル製の筒に入れて蓋をしておる。すべて金属だと重いから魔術師じゃと振り回すのは難しいと後者を考えてみたんじゃが。中に木材を入れた方は軽量化もそうじゃが、魔力の伝達がそちらの方が優れていることがわかったんじゃ」
「なるほど、あとは耐久性のテストってとこだな。今度ダンジョンに行って確認して見る。そのあと修正を加えて完成ってことでいいかな?」
「うむ、それでよい」
「こいつはとりあえず、シンプルにバトルスタッフとでも名付けようか」
「それでいいじゃろ。シンプルが一番じゃ」
俺は2種類のバトルスタッフを受け取り、その2本の代金を支払う。その後、冒険者ギルドの訓練場にて2本の使い心地をチェックするために簡単に素振りをする。自分としては重い方がしっくりくるが、たしかに普通の魔術師ならば軽い方がいいと感じた。今度クラインに振ってもらって感想を聞くことにするか。
数日後、俺達は学院の休みの日を利用して、迷宮都市のダンジョンにやってきた。目的は、マリーとセリアの冒険者ランク上げと、装備の素材集めだ。更にいうと食材集めもする。タリウスのダンジョンは30階層までは石造りのダンジョンなのだが、31階層から下は様々な環境になっているらしい。ちなみに31階層から50階層までは森林エリアと言われており、食材としての植物などが取れるらしい。タリウスでも販売しているがさすがに31階層以下の素材となると値段が跳ね上がるらしい。良い物が採れたら研究会にもっていこう。
「今回の目標は31階層以下。戦闘は基本的にマリーとセリアメインで、俺とリズは二人のサポートをメインとする」
「わかったわ」
「りょーかい」
「少なくとも20階層のボスまでは二人メインでいくからな。21階層以下からは俺たちも参加する。さすがにそこまで連戦すると二人の負担も大きくなるだろうし」
「そうですね、そのプランでいいかと思います」
簡単に打ち合わせを済ませて、ダンジョンに入る。1階層から10階層まではマリーたちの実力を考えると楽勝だろう。出てくる魔物もゴブリンやウルフなど、Eランク冒険者あたりが依頼で戦う魔物がメインだ。中にはDランク冒険者が戦うような魔物も現れるが、ほとんど単体で問題とはならない。二人もD+の冒険者とはいえ、その実力はC+ランクは余裕である。今回のダンジョンアタックで、C+まで一気に駆け上がってもらい、Bランクの試験を4人で受けようと思っている。
「ゴブリン6匹がそこの曲がり角を曲がったところにいる」
「私ひとりで戦ってみるわ、セリアはバックアタックとかがこないか警戒よろしく」
「りょーかいだよ、マリー」
俺とリズは二人に挟まれる形の位置に入る。セリアは後方に注意しつつ、マリーの動きを見ている。俺たちの近くにすぐ来る魔物の気配はないのだが、そこまで知らせては修行にならないだろうか?
「やっぱりゴブリンくらいじゃ相手にならないわね」
ゴブリンをすべて1撃の元に斬り伏せ終わり、自分の剣の血を拭いとりながら楽勝といった感じでマリーが呟いた。
「次はあたしね、マリーは背後をよろしくね」
「わかってるわよ」
「階段の方に向かうところにワークアントが5匹ってとこだな、近くに他の群れはないからリンクの可能性はないから安心してぶん殴れ」
「おーけぇー」
ワークアントは1mくらいの大きさの蟻だ。基本群れになって動き、近くの仲間が戦闘しているのを感知するとどんどんと集まってくる特性がある。また蟻だけあって、蟻酸を吐いてきたり、強力な噛み付き攻撃をしてきたりする。ついでにいうと甲殻も結構硬いので、防具の素材になったりもする。
そんな蟻をセリアは楽しそうに蹴り飛ばし、殴り飛ばし、粉砕していく。こんなところ、彼女を聖女だと崇めている女神教信者の皆さんには見せられないわ。まぁ、俺には関係ないことだけど。
そんなこんなで10階層のボス部屋までサクサクと進む。さすがに罠などは俺が感知と解除を行った。だって俺は斥候職だから。勇者なのに斥候職……魔法陣がグルってるアレの主人公もそんな感じだったなぁとか思いつつ、どうでもいいことかと思ってしまう。差すがに10階層の隠しボスの部屋には行かない。マリーとセリアではとてもじゃないが相手にならないからな。
「さて、10階層のボスはウッドゴーレムだ。俺やリズなら火魔法を使えば簡単に行くが、二人は火魔法は使えないから苦戦するかもしれない。でも倒せない相手じゃないからがんばれよ」
「あまりに苦戦するようでしたら、私がお二人の武器に火のエンチャントをかけますので、そうならないよう頑張ってください」
「切り刻んであげるから、大丈夫よ」
「あたしの方でマリーにサポートと回復するから二人は見てて」
ボス部屋に入ると大きさが3mくらいの木製のゴーレム――ウッドゴーレムが立ち上がる。木製とはいえさすがはゴーレム。硬そうである。あんなのにぶん殴られたら痛いに決まってるだろう。
「ディフェンスブースト、あとアタックブースト」
セリアが自分とマリーに光魔法の防御と攻撃の強化をかける。それを受けてから、マリーは剣を抜き、ウッドゴーレムに斬りかかる。なかなかいい攻撃だ。そのあともウッドゴーレムの攻撃をよけつつ、攻撃を加えていく。マリーにゴーレムの気がそれている間に、セリアも拳打や襲撃で攻撃をし、二人で徐々にウッドゴーレムの装甲を削っていく。
「バリア・フィールド!!」
「ありがとうセリア」
連撃の後に止まったところにウッドゴーレムの攻撃がマリーを襲ったのだが、済んでのところで、セリアの防御魔法でその攻撃を受け止める。ゴーレムの攻撃は、セリアの魔法によって作られた障壁によって弾き返される。
「マリー、核が見えたよ!!」
「任せてっ!!ウィンドブースト!!」
マリーは露出したゴーレムの核にめがけて、自分に風のエンチャントをまとわせて速度を上昇させて突っ込む。
「チャージスラストっ!!」
そのまま剣技の突撃突き――チャージスラストを放つ。風魔法によって速度を上昇させたそれは、威力を増幅させていた。マリーの剣はゴーレムの核を一気に貫く。その後に剣を引き抜き、着地する。同時にウッドゴーレムは崩壊し、光の粒子となって消えた。
「お疲れ様、俺たちのサポートは要らなかったな。見事だったよ」
「どうぞ、飲み物です。お疲れ様でした」
「ありがとう、でもまだまだ楽には倒せないわね」
「20階層のボスはアレより硬いんでしょ?イヤンなっちゃうよね」
「階段前の小部屋で少し休憩したあとに、11階層に向かうとするか」
「「「了解」」」
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