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第3話 魔力適正

 とりあえず3歳になった。

 年月のすぎるのはあっという間であるわけだ。

 そもそもできるんだけど、読み書きを母上とミレーネに頼んで教えてもらい、暇があれば書斎に行って本を読むという生活をしたりしてる。母上は「あらあらクエストは天才ね」って喜んでいる。いきなり勉強しだしたせいで、父上と祖父はこのまま学者にでもなってしまうんじゃないかと不安になっているようだ。大丈夫ですよ、お二人共、ちゃんと武術も習いますから。


 書物を読むことで1000年後のこの世界のことがなんとなくわかってきた。

 1000年前のことはやっぱり勇者の物語としてかなり美化されてだが伝説として語り連れていた。諸説いろいろあるらしいが、どれもだいたい間違ってはいない。なぜかというと監修役として仲間の1人であったエルフのアトモスが未だに存命しているからである。そーいやあいつハイエルフだったから寿命めっちゃ長いんだったな。大きくなってまだ生きているようなら会いたいと思う。神剣見せて過去の話をすれば転生のことは信じてくれそうだし。

 現在この大陸は人間がメインであるローレンド王国(俺が済んでるこの国)とグランベルト教皇国、獣人のラーズリーグ獣国、竜人たちのガーラ帝国、エルフ達の住むエリクシル王国の5つの大国家といくつかの都市国家郡が存在する。特に戦もなく現在は平和な状態だ。当然だが、メインがその種族というだけで、各国いろいろな種族がすんではいる。特にこのローレンド王国は貴族に獣人やエルフ、竜人なども存在する多種族国家である。

 南の大陸には、魔族の国や人間の国があり、交易も比較的盛んだという。

 貨幣は1000年前と特に変わらず、俺の前世からの硬貨も十分使えることがわかった。

 宗教は1000年前から変わらず女神信仰がメイン。ただしグランベルトは自国から発祥した女神と勇者を信仰した宗教だとか。詳しい教義などはしらないが、まぁ信仰対象に勇者が増えただけで対して変わらないだろうと思っている。たぶん、女神信仰の分派みたいなものだろう。

 文化的にもそこまで急激な発達はしていないようで、魔道具がある程度普及して生活がある程度は裕福になっているようだが、まだまだ中世を抜けようとしているところくらいの認識でいいと思う。


 ラインバッハ家については、ローレンド王国の西南に位置するラインバッハ辺境伯爵領を治める大貴族だった。西をグランベルトとの国境に面していて、南側は海が広がる。領都となるこの城塞都市ラインバッハ(まんま家名かよって思った)はグランベルトに最も近い都市となる。北西に通称『魔物の森』と呼ばれる森があり、魔物を狩り生計を立てる冒険者の拠点としての機能もあり、また港もあるため南の大陸との貿易拠点の一つともなっている。そのため、かなり栄えた都市となっている。その他に領内にはいくつかの農村を抱え、主要な作物は小麦、大麦、大豆などである。当然ながら漁村も存在する。もう少し大きくなったら父上に視察の同行をお願いしたいと思っていたりする。


「クエスト、そろそろ魔力適正を測定してみようか?」


 そーいって書斎で本を読んでいる俺を母上が呼び出し、水晶玉が置かれた部屋に連れて行かれる。

 あーなんかで読んだ。この水晶球に魔力を込めると色がでて属性がわかり、光の強さで魔力量がわかるってヤツだ。ん?ちょっとまてよ、俺のステータスだととんでもないことにならないか?

 ちょっと不安になって、魔術師だった母上のステータスを鑑定で確認する。


名前:ピューリス・ラインバッハ

種族:人間

性別:女

年齢:22歳

Lv:63

HP:128/128

MP:432/432


 MPが俺の3分の1だ。細かいステータスは見てないけどきっと魔力もそのくらいなんじゃないだろうか?鑑定のスキルだとここまでしか他人のステータスは見れないわけで。

 この世界のレベルというものは上げれば能力値が上がるというものではない。レベルが能力やスキルへの修正として働くといった感じだ。だから極端な話レベル1だが能力値は俺並みということもあり得る。能力値は鍛えれば上がる。レベルは戦闘経験によって上がるモノである。鍛えれば上がるというのは訓練やスキルの使用で上がるということで、当然戦闘でも上がることはあるわけだ。弱いモンスターを狩りまくると能力値は上がる可能性があるがレベルは上がらないといった減少も起こることがたまにある。レベルは戦闘経験の大体の指針ってわけだ。

 

 で、話は戻って俺のステータスなんだが、MPは1400近くあり、更にレベルは289。ステータスでは確認できない能力補正を考えるとぶっちぎりで魔力が大変なことになっていそうなわけで。しかし、もう、なるようになれとしか言えない。


「母上、どうすればいいんですか?」


「この水晶球の上に手を乗せてね、魔力を流せばいいのよ。

 魔力を流すって言ってもよくわからないかもしれないけど、なんとなく『流れろー』って念じれば流れるわ。そーいう魔道具だしね、これ」

 

 母上、適当すぎます。でも使い方は分かったからとりあえずやるだけやってみよう。なるようになれ!!


「ちなみに母上はどんな感じだったんですか?」


「私?私は地水火風の4属性に適正有りよ。魔力量は上の下くらいだったわ

 さ、クエスト、やってみて」


 言われるがままに水晶球に魔力を流す。水晶球は俺の流した魔力に反応して虹色に輝く。思ったより眩しくない。てっきり閃光弾のような感じになるのでは?っと予想したのだが、ちょっと拍子抜けだ。

 魔力測定を見ている両親とミレーネの顔を見る。

 信じられないという顔で水晶球を見ている。

 あーやっぱまずかったかなぁっと心の中で冷や汗をかく。


「すごいわ、全属性持ちで魔力量も最大だなんてっ!!」


「ピューリス、キミ以上の適正なんじゃないか!!」


「ラインバッハ家は安泰ですね、旦那様、奥様」


 すっげぇ興奮してる。あーこりゃ魔術師に育てられるかな?ちなみに属性は地水火風雷光闇の6つがこの測定でわかるらしい。俺は全部使えると。この他に治癒魔法などの魔法も存在するわけだが、そちらは専門に習って適正をみるらしい。治癒魔法は使えること確定なんだけどさ。そーいえば闇魔法も使えるのか。前世では覚えなかったから今回は覚えてみるか?前だと闇属性は魔族が使う魔法って言って人間とかはあんまり習得しようとしなかったんだけど。


「母上、属性魔法以外の魔法ってどんなものがあるんですか?」


「そーね、私は使えないけど有名なので治癒魔法ね。あとは使える人を見たことがあんまりないけど召喚魔法に次元魔法っていうのがあるらしいわね。それから簡単な魔法として生活魔法。一応属性魔法の中にはいるんだけど、身体強化系の魔法なんかもあるわ。

 あとは禁術に指定されてる死霊魔法と邪法ってのがあるわ。この2つは本当に危険だし、習得しているのがバレたらそれだけで犯罪者認定ね」


 いろいろあるもんだな。俺がいなくなってから開発された魔法もあるんだろうなぁ。気が向いたら勉強してみるか。


 その日、俺の属性と魔力量について家族は大いに盛り上がっていた。俺としては早く体を鍛えたいものだと思っていた。



お読みいただきありがとうございます

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