表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/49

第38話 プランを考える

「そういえばクエストは今度の休みはどうするんだい?」


 部屋でお茶を飲みながらエピオンが訪ねてきた。週末の休みと祝日が重なり3連休となるためどうするのかと聞いてきたようだ。


「ん~。今のところ特に予定はないけど、久々に屋敷の方へ戻ろうかなとは思ってるよ。なにか用事でもあるのか?」

「いや、なんとなく聞いただけだけど、最近は研究会ばかりみたいだから、婚約者達にかまってあげれば?」


 言われてみれば、セリアは同じ研究会ということでよく放課後も一緒だが、マリーやリズとは学校くらいでしか関わっていない。たまにはサービスをしないといけないな、確かに。


「エピオン、ありがとう。たしかにその辺の気配りが足りなかった。明日にでも予定を聞いてみるよ」

「それがいいと思うよ」

「案外めんどくさいな、婚約者とか恋人とかって」


 リュースは俺が焼いた焼き鳥を頬張りながら俺たちの会話に加わってくる。


「リュースも付き合うようになればわかるよ」

「そんなもんかねぇ。まぁ、クエストみたいに複数人とかは考えられないな」

「あーそれは僕もそうだね」

「なんだよ、まるで俺が不誠実みたいな言い方だな。3人共ちゃんと愛してるぞ」

「ノロケはいらねぇよ」


 そして翌日の昼食時、俺はいつもどおり3人の婚約者達と学食でランチを取っていた。今日は俺とマリーがパスタ、リズが焼き魚、サリアが焼き肉だ。っていうかサリアもなにげに肉ばっか食ってる。お前は女リュースかと。


「今度の休みなんだけどさ、最近一緒に出かけたりしてないからどう?予定が既に入っちゃってる?」

「私は地の日なら空いてるわ。あとは城の方で用事があるから無理ね」

「あたしは光の日が空いてる。他は神殿でいろいろあるからむりー」

「私はいつでも空いています」

「そーすると、一人ずつそれぞれとデートってことでいいか?なにげにそういうのしてない気がするし」

「ふたりきりでデートですか。確かに仕事などで私は同行をするということはありましたが、そのようなことはしてませんね」

「確かに、昔も私とリズと3人ということが多かったわね」

「あたしなんて、一緒に出かけた記憶がないわ」

「それじゃ、地の日にマリー、光の日にサリア、闇の日にリズってことでいいかな。デートコースは考えておくけど、希望があったら言ってね」


 こんな感じでそれぞれとデートをするということで休日の予定が決まった。ちなみにこの世界も1日24時間、1週間が7日で1月が30日、1年が360日になっている。1週間は地球でいう月火水木金土日が闇火水雷風地光という順番になっている。学校は基本的に地と光の日が休みの週休2日制だ。

 それにしても3通りのデートプランか。彼女らの希望も聞いておきたいが、基本的はショッピングがメインだろう。特にサリアにはまだマリーやリズに渡した婚約指輪を渡していないので、この時に渡さないといけない。すでに用意はしてあるのでそこのところは大丈夫だ。


「クエスト、私は劇場で観劇したいわ。ちょうど新作がはじまったところなの」

「了解」

「クエスト様、私は少し小物や食器などをみたいのですが」

「あたしは、美味しい食べ物が食べたい」


 観劇にショッピングに食べ歩きねっと彼女らはそれぞれの希望を簡単に言ってくれる。あとでその辺のリサーチをしておこう。劇場に行ってチケットも入手しておかないとな。今日の帰りに早速手配をしなくては。始まったばかりというのなら早めに取っておかないと売り切れてしまう。


「マリーとサリアは大丈夫として、リズ、デートの日はメイド服禁止だからな」

「いけませんか?」

「「「いや、だめでしょ!!」」」


 思わずハモってしまう。


「しかし、私は私服はほとんどありませんし…」

「仕方ないわね、サリア、今日の放課後にリズを連れて服を見にいくわよ」

「もちろんよ!ついでにあたし達のも見ちゃおーよ」

「そうね。クエストは当日の楽しみにするといいわよ」


 うちの婚約者達は仲がいいなぁ。結婚後もいつまでもこうだといい。まぁ、俺は心配はしてないけど。リズの私服姿ってよくよく考えると見たことない。だからものすごく楽しみだ。いつもメイド服か制服だから。あ、最近だと運動着を見たか。


 放課後に研究会に行き先輩達にいい店がないか聞いてみる。女の子が喜びそうな店はやはり女子に聞かないとっということで、トリス・ナユタ両先輩からいろいろな店をご教授いただく。ディルム・マグ両先輩は食べ物の美味しい店を。女子の先輩達はいい感じのカフェなんかも教えてくれた。その後に劇場に行き、無事にチケットをゲット。ギリギリで危なかったがなんとかなった。あと数時間遅かったら売り切れてたかもしれない。ついでに教えてもらった店を下見しておいた。場所がわからないっていうのは恥ずかしいからな。

 王都も広い、まだまだ知らない場所は多い。もっと散策したりして王都にもなれないとな。今回は下調べをしてからのデートだけど、4人で目的もなく散策して新しい発見をするというのも面白いかもしれない。さてさて、俺のかわいいお姫様達は俺のデートプランに満足してくれるだろうか?週末の休みが楽しみだ。


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ