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第34話 研究会

 昼食を挟んで午後は座学についての説明。数学や歴史などなどの退屈そうな授業ばかりだ。落第しない程度に適当に受けようと思う。ひょっとすると興味を引く授業があるかもしれない。むしろこの後の部活説明会の方が楽しみだ。

 ということで退屈な座学の説明が終わったあと、講堂に新入生が全員集められる。入試では体育館だとおもってた場所は講堂だったようだ。まぁ、どうでもいいことなんだが。

 まずは、司会の先生の方から部活についての説明がある。放課後に同じ趣味などの持ち主が集まって活動することみたいな感じで、別に部活に入る必要はないとのこと。感覚的には大学のサークルみたいな感じか?と個人的には思った。部活動以外ではほとんど上級生や下級生(俺たちは新入生なのでまだ下級生はいないが)との交流がないので、そういった意味では重要らしい。気に入る活動が入ったら所属するのもいいかもしれない。予めマリー達とも入りたいのがあれば入るということを話し合っている。

 先生からの説明が終わったあとは、先輩方による各部活の紹介だった。学校というものがここしかないので、日本の部活とは違って他校と競い合うとかないし、よくよく考えるとこの世界でスポーツというものを見た記憶がない。なのでスポーツというか武術がそれに相当するのだろう。授業で扱う武器からマイナーな武器の武術まで幾つかのサークルがまず紹介される。ついで、冒険者として冒険をすることを目的として活動するサークルなどがあった。

 少し気になったサークルがあったので、俺はあとで見学に行こうと思った。説明会が終わったあと、いつものメンツで集まる。


「クエスト様、私はメイド道同好会に見学に行こうかと考えています」

「あーあったな、そんなの。俺は料理研究会を見学しようと思う」

「あ、クエストもか、俺もそこに行こうかと思ってた。試食担当で」

「お前はある意味ブレないな」

「私もリュース同様の理由で料理研究会に……」

「セリア、お前もか」

「ボクは特に入りたいと思うものもなかったから、入らないかな」

「私も入る予定はないな」

「僕は農業研究会にいこうかと思ってます」


 俺とリュース、セリアが料理研究会へ見学、クラウスが農業研究会へ、マリーとエピオンは興味なし、そしてリズはさらなるメイドの高みを目指すためにメイド道同好会へと行くことになった。まだ入るかは不明だけど。


「リュース、セリア、お前ら試食希望っていうけど、少しくらいは料理を覚えようという気はないのか?」

「「ないっ!!!」」

「即答かよっ!!でも、すこしくらい料理を覚えれば、自分で作って食べれるようになるぞ?」

「「なん…だと…!?」」


 自分で作って食べるという発想がなかったようだ。そして、何やら考えこむ。とりあえず、二人を引き連れて、料理研究会の扉を叩く。部室は普通の教室だった。どこで料理をするんだろうか?


「ようこそ、料理研究会へ。僕は会長のディルム。3年生さ」

「あ、どうも。1年のクエストです。こっちはクラスメイトのリュースとセリア。少し興味を持ちましたので見学させてください」

「どもっす、よろしくです」

「よろしくおねがいしまーす」


 出迎えてくれたのは、濃い青髪の人間の少年。見た目は結構イケメンだ。部屋には他にエルフの少女と猫の獣人の少年、それから人間の少女がいた。


「説明会でも説明したけど、僕らはいろいろな料理を作ったり試食したりしている。会費はあんまりないので、食材は購入の場合もあるけど、基本は外に狩猟に出かけたりして仕入れる。だから結構武闘系のサークルだったりする。あと会費獲得のために週末の休みの時に街で屋台をやったりすることもある。そんな感じの活動さ」


 たしかに説明会で、自分たちで材料をとりにいくこともあると言っていたが、まさか魔物食材だったりするのか。面白そうである。ひょっとすると俺が探している食材何かを知っているかもしれないし。


「面白そうだな。ところで、ここは普通の教室のようですが、調理はどこでやるんですか?」

「調理は食堂の厨房を借りてやることになってるんだ。放課後なら学校の厨房は空いてるからね」

「なるほど」

「俺、調理はできねーから、試食と食材確保要員で入部ってのもいいんですか?」

「私もそんな感じで、あと用事さえなければ屋台の手伝いはできますけど」

「構わないよ。食材確保要員が増えるのは純粋にありがたいし、試食も重要だからね」

「俺は入ろうかなと。二人はどうする?」

「俺も面白そうだから入るぞ」

「私も入る」

「歓迎するよ3人共、ようこそ料理同好会へ」


 会長であるディルム先輩が歓迎してくれる。俺達は入会届けに記入してあとで先生の元に持っていくことにする。


「改めまして、1年のクエストです。料理は昔からすこしやってました。これからよろしくお願いします」

「同じくリュースだ。料理経験はまったくないから試食要員と戦うのが好きだから食材確保要員として頑張るぜ」

「セリアです。料理は神殿の炊き出しを手伝ったことがある程度です。リュース同様の担当になるかもしれませんがよろしく」

「先ほども名乗ったけど、会長のディルムだ。よろしく」

「トリスよ、よろしくね」

「マグってんだ、よろしくな」

「ナユタじゃ、よろしくたのむのぉ」


 それぞれ自己紹介をした。エルフのトリス先輩と猫獣人のマグ先輩が2年で、会長のディルム先輩と副会長のナユタ先輩が3年生だそうだ。他に会員はいないらしく、今日きた見学者も俺たち以外はいないようだ。まぁ大所帯よりそっちのほうが気楽でいい気がする。


「あ、これこないだ作ったお菓子です。お茶うけにどうぞ」


 俺は次元倉庫からクッキーを取り出し、先輩たちに渡す。先輩達はびっくりする。クッキーになのか、次元倉庫になのかは置いておこう。


「こんなお菓子食べたことないのじゃ…そして食感といい味といい美味しいのじゃ」

「クエスト君、今度レシピを教えてくれるかい?」

「構わないよ。隠すほどのものでもないし、いくつかのバリエーションもあるんで今度教えるよ」

「有望な新人が入ってきて嬉しいよ」


 どうやら気に入ってもらえたようだ。トリス先輩とマグ先輩は無言でクッキーを頬張っている、あ、リュースとセリアも加わった。あっという間になくなるな、これ。


「明日もまた来ますので、今日はこの辺で。いま見てくれてわかる通り、俺は次元倉庫持ちなので食材の倉庫に使ってくれてもいいっすよ」

「それは助かるね。あと、可能なら僕達にも次元倉庫を教えてもらえるかい?使い手に知り合いがいなくて覚える機会がないんだ」

「構わないっすよ」


 次元倉庫は便利だが、ある程度の魔力操作の才能が必要だ。この学院はジェシカ先生が魔力操作についてかなり生徒に口うるさくしてるらしく、ある程度のレベルがアレば習得もできるだろう。俺は問題なくOKをする。

 部室を出てから、3人で職員室に入会届を提出する。

 俺たちの学院生活はまだ始まったばかりだ。


お読みいただきましてありがとうございます。


新キャララッシュも多分ココらへんで落ち着くかと思います。

少しづつ増えてくかもしれませんが

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