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第26話 二人の婚約者

とりあえず、今回で第1章終わりです。

 冒険者ギルドを出たあたりからマリーとリズの反応がどうもおかしい。どうやら勢いで言ってしまった『俺の女』という言葉になにか反応してしまったらしい。自分の発言に気をつけないとなぁ。まぁ、マリーは婚約者なんだから間違ってないし、リズも俺の専属メイドだから間違っては…ないのか?この辺をはっきりさせないといけないかもしれない。


「二人共、ちょっと話をしたいんだけど」


 そう言って二人を俺の部屋に招き入れる。なんかいつもより緊張してるな。


「少し真面目な話があるんだ。あとで父上達にも言わなければいけないことなんだけどさ、その前にマリーリズの了解を得ないといけないんだ」

「なんなの、それ?」

「リズのことなんだけどね。マリーにも関係があることなんだ」

「?」

「親――陛下が決めたとはいえ、マリーは俺の婚約者だ。もちろん俺はマリーのことは好きだから異論はないんだ。でも、マリーには申し訳ないんだけど、俺はリズのことも同じくらい好きなんだ。この国が貴族やAランク以上の冒険者が複数の妻を娶ることができるのは知ってるけど、それでもやっぱりマリーの意見も尊重したいとも思う」

「ん?そんなこと?クエストが複数の妻を娶ることについて私はなんの異論はないわよ。当然全員を平等に愛してくれるならって条件はあるけどね。そもそもあなたがリズを好きなことなんて出会ったときから知ってるんだし、リズともその辺の話はとっくにしてるのよ」

「へ?」

「クエスト様、マリー様と初めてお会いした時にマリー様と二人で話し合ったんですよ。私がクエスト様のことをお慕いしていることをマリー様は一瞬で見破りましたし」

「クエストは案外鈍感だからね。それでも今回はこうやって話してくれたんだし」

「それじゃ改めて二人に言わせてもらっていい?」

「「どうぞ」」


 なんか俺の一人相撲だったんか?でも俺も覚悟を決めることにした。


「マリーメイア、すでに婚約者だけど、成人したら俺と結婚して下さい」

「はい、よろこんで」

「リーゼロッテ、成人したら結婚をしてください」

「ありがとうございます、クエスト様。喜んでお受けします」

「リズとは話あって、私が正妃、リズが側室ってなるけど構わないわよね。当然体面の問題で、優劣はないように平等に愛してよね」

「わかってるって。あと、成人するまでは当然二人には手を出さないからな。そこはちゃんと線引きさせてもらうよ」

「手くらいはつないでよね、デートの時とか」

「普段は、今まで同様にメイドとして仕えさせていただきます」

「それからコレは俺から……この国の風習ではないけど、二人に」


 俺はオリハルコンとダイアモンドで作ったシンプルなデザインの同じデザインの指輪を二人に差し出した。そして二人の左手の薬指にはめる。


「シンプルだけど良いデザインね。ありがとう、クエスト」

「ありがとうございます、クエスト様」

「俺も同じものをつけてる。コレは婚約指輪って言って、婚約者同士がつける指輪でとある国での風習なんだ」

「素敵な風習ね。大切にするわ」

「私も一生大事にします」


 よかった、喜んでくれた。しかし、まさか12歳でプロポーズを行うとは思わなかった。


「クエスト、奥さんを複数持つのは認めるけど、節操なく増やさないでよ?」

「いや、さすがにそんな何人も増やすつもりは」

「クエスト様はたしかにハーレムを作るような方ではないですが、まだ長い人生何があるかわかりません。当然、我々以外にも気になる女性ができる可能性はあります。そしてクエスト様は魅力的ですから言い寄られることも少なくないと思います」

「私たちも注意するにはするけど、無駄にふやさないでよね」


 俺ってそんなに信用ないの?仲の良い女子なんてマリーとリズくらいしかいないのに……。学院に行ったらいろいろな知り合いが増えるだろうからなんとも言えないが。


「とにかく、リズのことの報告を父上たちに言わないと、リズ、申し訳ないけど父上と母上、お祖父様。それにスチュワートとフィリップとミレーネを食堂に集めて」

「かしこまりました」


 リズは部屋を急いで出て行く。俺もマリーを伴って食堂にいく。はたして父上達は貴族でもないリズとの婚姻を認めてくれるのか?たぶん大丈夫とは思うけど。


「ミリオン――いえ、お義父様達がリズとの関係を認めてくれるか不安?」

「大丈夫とは思うんだけどやっぱりね…リズは平民だから貴族の嫁にはふさわしくないとか言われたらどうしようかなっと。まぁ、そんなこという家族ではないってわかってるんだけど」

「安心しなさい、なんなら私も説得に協力してあげるから」


 食堂で待っているとリズに呼びに行ってもらった全員が集まった。俺はみんなに一礼する。


「どうしたんだいクエスト、みんなを集めて」

「えっと…まずフィリップとミレーネ、娘さんをリーゼロッテを俺にください」


 二人に頭を下げる。二人はビックリしたように俺を見る。


「ク、クエスト様、お顔を上げてください。先ほどのお言葉、リズを妾にほしいということですか?」

「違う、正妃はマリーだけど、リズとも結婚したいという俺の意思だよ」

「よろしいのですか?」

「当然、俺は二人共好きだからね」

「私達はクエスト様にもらっていただけるなら異論はありません。クエスト様ならリーゼロッテのこと絶対に幸せにしてくれると信じてますから」

「ありがとう」


 とりあえずリズの両親から了解は得た。よくよく考えると主人の息子の命令なんじゃね、これ?拒否権ないんじゃね?


「父上、母上、お祖父様。今言った通り、俺はマリーとリズを正式に娶りたいと思っています。当然成人してからですけど」

「キミの決心は変わらないのだろう?」

「当然」

「まぁ、貴族が複数の妻を娶るのはある程度常識じゃからな、それに孫の嫁ってことはワシの孫になるんじゃろ?孫が増えてワシャうれしいぞ」

「三人でちゃんと考えてだした結論でしょ?私は賛成よ。二人共もう娘みたいなものだしね」

「ありがとう。俺はちゃんと二人を幸せにします」

「マリー姉様とリズがピュリアのお姉さまになるのです?」

「まだ先だけど、そうだよピュリア」

「二人共大好きなんでピュリアはうれしいです」


 ピュリアも祝福してくれた。嬉しい限りだ。そのあとめでたいということで、宴会になった。本当に嬉しいことだ。まだ成人まで3年、男を磨いて二人の自慢の夫になれるようにがんばろうとひそかに誓うのであった。


お読みいただきありがとうございます。


なんか締りが悪い気がしますがこれにて第1章終了です。

第2章は学院編ってやつですね。

明日更新できると思ってますが、精神的に疲れているかもしれないので、更新されてなかったらスミマセンorz


しかし、恋愛(?)話は苦手です。たすけてください

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