表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/49

第25話 テンプレに絡まれました

更新が伸びまくって申し訳ありませんでした。

本来なら18時に更新しようとも思いましたが、この時間に

 2年が経った。学院に入るための勉強と冒険者稼業を相変わらず行っていた。12歳になってもあんまり状況は変わってない気がする。リズは14歳になって、出るとこが出てきた。年を考えるとむしろでかい。大きければいいってもんじゃないけど大は小を兼ねるともいう。つまりすばらしいってことだ。

 っと、話がそれた。冒険者ランクはC+になった。それ以上にも試験を受ければ上げることは可能なのだろうが、まだ成人前で変に目立つのもなっと思い、C+で止めている。ラインバッハ冒険者ギルドのトップパーティーはグラント達だ。たしかAランクになっていたと思う。その下にいくつかのBランクパーティーがある。俺たちはその下くらいだ。

 それから現在、マリーが家に遊びに来ている。俺たちが入試で王都へ行くのと一緒に戻るつもりだそうだ。なので、現在俺たちのパーティーに入って一緒に冒険者をしている。それでいいのか?と思ったがよくよく考えたら国王陛下も父上と冒険者をしていた時期があったというんだから全然問題なさそうだ。戦闘力にしてもそれなりにあるのはわかっている。っというか家に来た時にレベルを聞いたら80になってた。理由を聞いたら王都で騎士たちと一緒に冒険者稼業を少ししていたらしい。なんだ全然問題ないじゃないかってことで、3人で討伐依頼などをこなしていた。今日も森でのジャイアントスパイダー退治を終わらせて戻ってきたところだった。


「ジャイアントスパイダー10匹の討伐依頼終わりました。ギルドカードの確認と素材の買取お願いします」

「相変わらず早いわねぇクエスト君。マリーちゃんが加わって更に効率がよくなったみたいね」


 ギルド受付嬢であるエルフのおねーさん――えっとたしかマルグリットさんだったか――が嬉しそうに俺たちの依頼処理をしてくれる。なんだかんだで冒険者になった時から俺たちに気をかけてくれている。ちょっとまえにエリックとなんか仲良さそうに街を歩いていたのをみた気がするが俺は紳士なので余計な詮索はしな。


「はい、依頼料と素材の代金ね。そういえば3人共もう少しで王都に行っちゃうのよね、寂しくなるわ」

「まぁ、たまには戻ってきますよ。リズは闇魔法の使い手だからね」

「ひょっとして闇魔法の上級使えるの?」

「それはあえてノーコメントにさせていただきます、マルグリット様」

「あらあら、まぁ冒険者が簡単に手の内晒しちゃだめよね」


 ホントはわかってるんだろうなぁっと思いながらもマルグリットさんは微笑みで返す。さすがエルフ淑女である。なにがさすがで、エルフ淑女なのか俺もよくわかってないけど。


「おい、そこの小僧、かわいい女を二人も連れてるな。二人とも俺によこせ」


 冒険者を始めて2年、はじめてのテンプレセリフキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!って感じに俺の心が踊る。まだ二人とも少女なので『いい女』じゃなくて『かわいい女』なのはご愛嬌だろう。

 声の方向に振り向くと、下品な笑みを浮かべる俺より少し年上くらいの少年とそれの取り巻きっっぽいいかつい冒険者達だった。少年はなんかハデハデで成金趣味っぽい装備をしている。


「ん?俺のこと?ふざけてるの?」

「ふざけてなどいないぞ。お前のような平民冒険者にはもったいないだろ、俺がたっぷりと可愛がってやるからよこせ。メイドっぽい方はいい胸してるじゃないか。栗毛の方はかわいらしいし…くくく、想像しただけでも楽しみだ」


 なんかイライラしてきた。ギルドにいる他の冒険者や職員達が冷や汗をかきながら俺たちを見てる。少年と男達は俺から二人を奪い取って楽しむことに妄想が行っているっぽい。バカだ。


「断る。っていうかバカなの?死ぬの?なにそんなに偉そうなの?馬鹿なの?」

「そうかそうか、大人し…なんだと、このボンクーラノ男爵の嫡子であるこのアフォバ様に逆らうというのか、平民の分際で」

「そもそも、俺の女をよこせだなんていうふざけた要求を了承する男がどこにいるってんだ。とっとと家に帰って一人で慰めてろ、バカ貴族ボンボン」


 ここまでテンプレのアレと出会えたのは始めてだからとことん楽しもう。マリーとリズは「俺の女」って単語をなにららモジモジしながらブツブツ呟いている。あ、まぁあとでフォローしますか。


「キサマ!!自分の愚かさを呪うといい。決闘だっ!!」

「決闘ね…まぁいいけど、俺に負けたらこの街から出てって二度と来るなよ」

「万が一にもありえないが、よかろう。ボクの華麗な剣技でキサマをズタズタのボロボロにしてやろう」

「大将、おすそ分け頼みますぜ」

「わかっているかわっている」


 どこからそこまでの自信が出てくるんだ?さっきこっそり解析したらこいつのレベル13くらいだし、スキルも剣戦闘レベル1だけだし……。取り巻きもレベル40前後、なんかさっき得意気にD+とか言ってた。それを聞いて周りの見物人が可愛そうなものを見るめでこいつらを見ていた。


 決闘ということで、訓練場を借りる。立会にギルドの教官が立ち会ってくれることになった。とりあえずルールは殺さないこと。戦闘不能か参ったと言ったら終わりくらいの簡単なモノだった。

 俺とバカは木剣を手に対峙する。教官の合図で決闘開始。


「アフォバ様最強スラッシュ!!」


 バカが技名を叫びながらまっすぐに突っ込んできて木剣を振り下ろす。俺は半歩体をずらして避ける。


「運よく避けたとはいえ、なかなかやるではないか、だがっ!!」


 バカはこりもせず木剣を振り回す。型もなにもあったもんじゃない。こいつホントに剣戦闘のスキルもってんの?俺は全部余裕で躱す。その気になれば一瞬で終わらせれるんだが…まぁ、いいや。つまんないし終わらせよう。


「再びアフォバ様最強スラッシュ!!」


 バカの直進斬撃に合わせて顔面にパンチを一発振り降ろす。『ぷぎゃ』っと変な声を上げて地面に倒れこむ。そこに追い打ちとばかりに俺は再び顔面にエルボーを落とす。


「ふう」

「大将!!??」

「ふむ、気絶による戦闘不能でクエストの勝ちだな」


 ということで楽に決着が付いた。いやザコだし。能力値をしっかり確認してないけどかなりへっぽこだろう。ホントザコだ。


「そのバカ連れてとっとと街から出てけ、それともあんたらもやるかい?」

「てめぇっ!!」

「おいおい、決闘に負けて更になんかする気か、お前ら?」


 取り巻きが俺に向かってこようとしたところで、教官が威圧をする。取り巻きはバカを担いでギルドから出て行く。


「迷惑かけました、教官」

「いやいや、お前さんも災難だったな。名前を言っちまえばよかったのに」

「あーいうのは実力行使に限りますよ。うん」

「そ…そうか?」


 若干教官の口元が引きつってる。たしかに家名を出しちゃえば黙るだろう、爵位を誇っているバカだから。でもそれじゃ俺の気が収まらなかった。そもそも、マリーとリズを好きにするとかほざいてるんだから。


「クエスト、ありがとね、うれしかったわ」

「クエスト様、ありがとうございます。私なんかのために」

「気にすることないよ。当たり前のことをしたまでだ」


 マリーとリズがなにか喜んでいる。まぁ、男として当然のことをしただけだし。


「じゃ、帰ろうか」


 二人を連れてギルドを出る。少し歩いたあとに俺の気配察知に俺達のあとをつけてくるヤツらが引っかかる。大方さっきのバカとその取り巻きだろう。俺と自分たちの実力差もわからないのかと……。


「あいつらつけてきてますね、クエスト様」

「どうやらそのようだな。さて、どうするか…ん?」


 俺は目の前の露天商を見る。アレは露天商に擬装させたうちの街の警備兵だ。俺の提案で父上がこうやって露天商や市民などの格好をさせて潜ませている。


「よう、商売はどうだい?」

「これはこれは、ぼちぼちですね」

「(バカが俺たちをつけてる、町外れのアソコにつれていってボコすからその後の逮捕をよろしく)」

「(了解しました)」


 世間話をしながら目的を告げる。少し遠回りをして町外れの目立たない場所に誘導する。その間にその場所に警備兵を待ち伏せておく。んで、俺がそこでこいつらに襲われたら警備兵で捕まえるってわけではなく、俺がボコしてから捕まえる。バカは何度でもボコボコにするのが俺の美学だ。


「さてと、この辺かね、つけてきてるのはわかってるからでてこいよ」


 俺の言葉でつけてきたバカが後ろから出てくる。予想通りにバカとその取り巻きだ。しかもなぜか俺を追い詰めたつもりなのか笑みを浮かべてる。ホントにバカなのか?


「さっきは決闘で卑怯な真似をしてくれたな。そもそも平民なんぞに俺が負けるわけがないんだ!!お前ら、やってしまえ」


 取り巻きが俺に向かってくる。D+冒険者と言ったがこいつら底辺だ。ほんとザコだ。俺はほんの少しの手加減でこいつらを一瞬で倒す。街のチンピラ程度の実力しかない。ホントザコだ。もう少しマシな取り巻きをつけれなかったんだろうか?


「さて、えっと、アフォバ・ボンクラーノ殿、こちらの自己紹介がまだでしたね。俺はクエスト・ラインバッハ、こちらは俺の婚約者のマリーメイア・ローレンド王女殿下、あとは俺の専属メイドのリーゼロッテだ。まぁ、これから付き合いもないだろうが、よろしく」

「ライン……バッハ……?」

「そういうこと、じゃ、さよなら」


 再びバカをぶん殴って気絶させる。それを合図に潜んでいた警備兵が出てきてバカと取り巻きをしょっぴいていく。俺は『ご苦労様』っと挨拶をすると、みんなで屋敷に戻った。


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ