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第20話 今後についての話し合い

なんだかんだで20話まで続けて書くことができました。1話の文字数は少ないですが、今後も頑張って行きたいと思います。

日に日に増えるPVに元気づけられてます。

これからもよろしくおねがいします。

「ふう、完成っと」


 俺は厨房のテーブルに置かれたお菓子を見ながら満足な笑みを浮かべた。王都屋敷の厨房には専属の料理人がおらず、メリダ侍従長が基本的には食事を作っている。家族全員でこちらに来た場合は、ブラド他料理人も一緒に来るので今回みたいに、少人数で来る場合はメリダが作ることになっている。この人はスーパーメイドなので料理もプロ級に上手い。俺のお菓子作りを見ながら、作り方を覚えているのがわかる。

 テーブルの上にある完成品のお菓子は、プリンにカステラ、クッキーとメレンゲクッキーの2種類のクッキー、あとは市場でもち米を見つけることができたのできなこ味のぼたもちだ。小豆を見つけてないからこし餡も粒餡も作れてないからきな粉しかないわけだ。かりんとうもつくろうと思ったが、作りすぎても仕方ないと思いこれくらいに。


「クエスト様はいろいろなレシピをご存知で」

「いろいろな本を読みあさったからね。メリダ、ちょっと味見してみてよ」


 俺はメリダに味見を促す。メリダは一つずつ味わって食べる。さて、我が家の侍従長様はどのような感想を述べるかな。


「どれもコレも美味しゅうござます。私としてはこのぼたもちというお菓子――きな粉というものが気に入りましたね。これはなんなんですか?」

「炒った大豆を粉にしたものに砂糖を加えてるんだ。ほのかな甘味がいいでしょ」

「ええ、どれもコレも甘いですが、甘すぎず食べやすいですね。特にこのクッキーなどはお茶うけにちょうど良さそうです」

「カステラもお茶うけにいいけどね。プリンはおやつやデザート用かな。プリンは冷蔵庫に冷やしておいて、クッキーとカステラはこれから父上とお茶を飲むからその時のお茶うけによろしく。ぼたもちはメイドたちへの差し入れにしておいて」


 俺はそう言うと、エプロンを片付けて厨房を後にする。父上達とこのあとお茶をのみながら少し話そうと約束してあったので、そちらの用意してある部屋に向かった。


「案外早かったね、クエスト」

「おまたせしました。いまメリダとリズがお茶の準備をしてこちらにくると思います。」

「グラント君達もまだ来ていないし、少し話をしながら待とうか」


 父上の向かいの席に俺は腰掛ける。父上は今日は休みということで久々にゆっくりとできるそうだ。あと数日したら街へ帰るので、その準備もしないといけない。せっかくなのでグラント達とも話をしたいと思い、身内でのお茶会となったわけだ。


「旦那様、グラント様達がお越しになりました」

「通してくれ」


 俺より少し遅れてグラント達のパーティーが屋敷に到着した。4人は部屋に通されると思い思いの席に座る。それと一緒にメリダとリズがお茶とお茶菓子を持って部屋に入り、お茶会の準備をする。


「へぇ、この焼き菓子、サクサクして美味しいわね」

「このカステラってやつもうめぇ」

「どれもこれもお茶に合うね。適度な甘さで、その甘さをお茶が洗い流してくれて」

「コレ、クエスト君が作ったの?すごいわね」


 最初は、お茶菓子の話題でまず盛り上がった。特に女性であるミリスとアリアは目を輝かせて食べている。俺はメリダに厨房にあるあまりを包んであげるように言っておく。


「父上、グラント、アトモス学院長とも話したんだけどね、歴史を勉強するとここ800年くらいものすごく平和で、大した魔物の侵攻も戦争もないよね」

「そうだね。お陰でかなり平和だね」

「俺らも一応冒険者として仕事をしてはいるが、そこまで強力な魔物と戦ったって経験はないな。まったくないってわけでもないが、無理に手を出さなくても問題ないから戦ってないって感じではあるが」

「父上はメリダからの報告で、リズのことは知っているでしょ?」

「ああ、前世の記憶があるとかいう話だね」


 リズ自体、魔王のことは隠し、前世の記憶があるという報告を家族にはしている。当然、雇い主である父上にもその報告はいっているわけで、それについて別段驚くようなことはない。


「父上や騎士兵士のみんなには失礼なんだけど、リズの話だと過去より兵士達のレベルが下がってるっていうんだ。実際、平和になってきてるんだから当然、実戦経験とかが減ってレベルが上げにくいってのはあるのかもしれないけど」

「ふむ。それで、クエストはなにが言いたいんだい?」

「俺が冒険者として魔物の森に行っているのは当然、父上達も知っていると思うんだけど、この間、魔物の森で変な感じを受けたんだ。強大な魔力が漏れてるような感じをね。リズと一緒に調べたんだけど特になにが見つかるってことはなかったんだけど、なんかそれから変な胸騒ぎがして。近々なにか起こるんじゃないかって不安になってるんだ」

「魔物の森に異変?そんな話は聞かないが…エリック達はなにか感じたことはあるか?」

「特には…いや、時々森がざわついてる気がする時があったかもしれない」

「俺の杞憂で終わってくれればいいんだけど…父上に提案として街の兵士達に実戦を経験させるって意味で、魔物の森へに遠征とかしたらどうかなっと。もちろん冒険者達の仕事を奪わないようにローテーションを組んで少しずつって感じで。当然父上も参加するといった感じで」

「ボクまで参加するのかい?」

「父上も訓練くらいしかしていないでしょ?レベルは実戦経験の方が上がりやすいって学院長から聞いたんだ。街の兵士達は模擬戦くらいしかしないからレベルが上がりにくいんだよ。父上も冒険をやめてからあまりレベルがあがってないでしょ?グラント達はもうAクラス。そろそろ追いつかれるよ?」

「グラント君たちもうそんなレベルなの?ちなみにクエストはいくつだい?」

「56かな。街に戻ったらまた鍛えるから12歳までに100レベル目指してるよ」

「「「「「100レベルの12歳ってどんな12歳だっ!!」」」」」


 総ツッコミである。そりゃ、B+~Aランク相当のレベルの12歳っておかしい気はしないでもない。実際のレベルはもっと上だけど。そのくらいまで経験すれば実際のレベルの方も少しは上がるだろうっと信じて。目指せカンスト。


「ボクのレベルは132だから、12歳でそこまで行かれるとすぐに追いつかれる可能性が…よし、クエストの提案を受け入れて魔物の森で実戦訓練をしよう。うん」

「狩りすぎて、俺ら冒険者を敵に回さないようにな、旦那」

「大丈夫だろう?うちの兵士達のレベルはそんなに高くないしな…っていうかクエストのほうが高いってマズイでしょ」

「たしかに、冒険者の駆け出し卒業クラスの兵士ばっかってのは不安ね」

「クエスト、貴重な意見ありがとう」


 俺に追いつかれるのは父親の威厳的な意味で焦ったのだろう。妙にやる気を出している父上。実際、うちの兵士連中のレベルは平均で25くらい。冒険者ランクでいうところのDに届かないくらいなのだ。街の冒険者で一番多いランクがCということは駆け出し卒業クラスと言われても仕方ないかも知れない。余談ではあるが、後日、街に戻った父上が部隊長たちを煽り、実戦訓練をしながら自分のレベルをあげていたら、お祖父様がそれを知り、昔の仲間(すでに引退して暇してる元気な老人達)を引き連れてダンジョンに籠ってレベル上げを始めたという。お祖父様も息子には負けたくなかったということらしい。


お読みいただきありがとうございます


近々タイトルの(仮)をとって、副題をつけて正式タイトルにしようかなと間会えています。


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