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第1話 また転生した

 意識が蘇る。

 俺を覗きこむ銀髪の美女の顔が目に映る。

 なんかデカイ気がする。そしてこの感覚はどこかで感じたことがある。

 ここはどこだろう?日本ではないのはたぶん確かだ。なんとなくフォルセリアっぽい気がする。それにしては少し俺の知ってるフォルセリアとは違う感覚もあるが。

 体を起こそうとするが起きない。

 

「あらあら、クエストどうしたの?」


 美女は俺がベッドの上で動こうとしているのを見て声をかけてきた。

 あーやっぱ予想通り、俺、赤ん坊になってるわ。

 ――また転生か

 そういうことなら目の前の銀髪さんは俺の母親ってことになるのか?

 部屋の中は俺が見る限りではそれなりにしっかりとしている。天井にはやわらかい魔力光を発して部屋を照らす魔道具があり、俺が寝ているベビーベッドもそれなりの物と思われる。比較的裕福な家――たぶん貴族か。

 前回は日本に出戻り転生したが、今回はどうやらファンタジーの世界に――よくあるラノベのように転生したっぽい。

 とりあえず1人になってからいろいろ調べたい物だ。

 そう思うと俺は、眠ったふりをする。


「奥様、クエスト様はどうやらお眠りになったようです」


「あらあら、寝顔もかわいいわね」


「奥様もそろそろお休みください。あとは私が見ますので」


「よろしくね、ミレーネ。あなたもちゃんと休息はとりなないよ」


 メイドさんがいたようだ。そんな会話を母親とメイドが交わした後、ドアが閉まる音が聞こえた。メイドは部屋に残ったようだが、部屋の灯りを消して俺よりやや離れたベッドに横になったようだ。俺が夜泣きをすれば起きて様子をみることができるようにしているのだろう。

 部屋が暗くなったのを見計らって目を覚ます。

 心の中で『ステータスオープン』と唱える。

 俺の目の前に、俺にしか見えないウィンドウが開き、俺のステータスが表示される。どうやら予想通りここはフォルセリアのようだ。

 俺はステータスに目を走らせる。


名前:クエスト・ラインバッハ

種族:人間

性別:男

年齢:0歳(7ヶ月)

Lv:289

HP:8/8(年齢補整につき減少)

MP:1382/1382

 

筋力:2(973) 耐久:2(856) 敏捷:1(987) 器用:1(992)

魔力:856 (年齢修正のためステータス低下)


スキル:女神の加護 剣戦闘Lv5 格闘戦闘Lv4 投擲術Lv4 身体強化Lv5

    精神強化Lv5 危険感知Lv5 罠解除Lv5 隠密行動Lv5 鑑定 

    状態異常無効 生活魔法 四属性魔法Lv3 雷魔法Lv5 光魔法Lv5

    治癒魔法Lv3 忍術Lv5 料理Lv4 鍛冶Lv4 調薬Lv4 神託 無詠唱 

    次元倉庫

 

 所持金:15946382ドネー


 あー霧島燐の時のステータスだわー。ぶっちゃけ前回以上にチートだわ、これ。

 レベルのあるスキルの最大レベルは5である。分かる通り5のオンパレードなわけだ。赤ん坊ってことでさすがに身体系のステータスには修正が入ってるが魔法系にはまったく入ってないとか。

 神託のスキルが使えるってことは、とりあえずイセリアに問い詰めるべきだと俺は思うわけで・・・


 早速、神託のスキルを使用する。意識がだんだんと薄れていく。トランス状態となり、俺の意識は神界へと向かう。神託と言っても、神がなにかを言ってくるわけではなく、こちらから神に語りかけるスキルだったりする。


「アイエエ!!?リン!!??ナンデリン!!??」


 おい、そこの女神、その驚き方はどうよ?

 というか、神界での俺の姿は前世である霧島燐のものだった。赤ん坊のままじゃねーんだ・・・まぁそのほうが会話し易いからいいだろう。


「なんかまた転生したみたいでな。今度はフォルセリアに転生したっぽいから神託のスキルを使ってみたんだ。まだ赤ん坊っぽいから魂の姿がこっち(燐)になってるっぽいな。今の名前はクエストだ」


「記憶を残したまま2度転生するなんて、あなたホント人間離れしてるわね

 ちょっとまってね」


 神がいうことかそれ?こーいうことは滅多にないっぽいが。


「ほんとにフォルセリアに転生してるみたいね。いま確認したわ。

 ただ、あなたが救った時代より1000年くらい過ぎているけどね」


 あーそんなに過ぎているのか。って1000年かよっ!!なにげに俺達の戦いって神話とか伝説的なモノになってそうだな。動き回れるようになったら調べてみよう。


「一応聞いて置くが、また勇者になって働けとかそーいうことはないな?」


「今のところは大丈夫わ。そもそもあなたが転生してるなんて今知ったばかりだし

 邪神の気配もないしね」


「邪神の気配ってまた新しいのが生まれたのか?それとも俺が倒したやつが蘇った?」


「あなたが倒したヤツの欠片がこっちの世界のどこかにあるっぽいのよ。どこにあるかはわからないんだけどね。前回の魔王の暴走はそれを取り込んでしまったがためにに怒ったことよ」


 さらっと前回の戦いのネタバレをされた。

 実際問題として、現状特に問題がないのならそれでいい。


「分かった。それじゃ新しい人生を好きにやらせてもらう。異世界知識をつかって多少いろいろやるかもしれないけどそれくらいは大目にみてくれよ。

 あと、なにかあったらいえ、元勇者パワーで手助けくらいはしてやる」


「ありがとう。そんなことは起こらないと信じたいけど、その時はよろしく頼むわ

 あなたの新しい人生に幸あらんことを」

 

 女神の祝福を受けつつ、神託の時間を解除する。

 赤ん坊の体にもどったわけで、もうすっかり深夜っぽい。

 このまま寝てしまえばいい。というか体は赤ん坊なんだ、体の欲求に委ねればいい。動き回れるようになるまでは何もできないのだから。

 そう思い、俺は寝ることにした。


お読みいただきありがとうございます

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