表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/49

第12話 食材店

更新が停滞してすみませんでした。

急なシフト変更がありまして(0:00帰宅で6:00出社とかいうスケジュールの)

 父上に街に出たいと頼んだら、思ったより簡単に許可が下りた。リズも必ず連れて行くことが条件だった。リズから俺の行動などを聞くつもりなのだろう。たぶんだが、こっそりと護衛をつけるつもりだろうし、グラント達にもそれとなく護衛するように指示を出しているんじゃないかと想像する。

 個人的に街で言ってみたい場所は、商業区と港湾部、あとは冒険者達がいる区域だ。商業区で、俺の知らない食材などがあるかを調べたり、鍛冶屋などの工房を覗いてみたい。港湾部は普通に港を見てみたいだけだ。あとは、冒険者たちのいる場所がどんな感じかを知りたいってのが大きいし、料理をするのにグラント達が使っている宿を使いたいというのがあった。ブラドと一緒に料理研究も楽しいのだが、市位で広めて行きたいものもまたあるというのが俺の考えで、それならいっその事食堂の主人と作って、提供してもらって反応を見たいと思ったわけだ。

 とりあえず、出かけるのは明日だ。今日は準備が必要。リズを呼んで、明日着る服を用意させる。本来ならば市民に溶け込むような格好をしたいものだが、リズがついてくる以上、メイドを連れた市民ってなんだ?って印象を与えてしまうので、商人の子供っぽい格好で目立たないような感じの服を用意するように頼んだ。大きめの商家ならメイドを雇っていることもあるからだ。さすがに金持ちのボンボンとか貴族の子供とかが街を歩いていたら誘拐されるほど、街の治安は悪くないと信じたい。

 午後のお茶を飲みながら、本を読む。リズから借りた闇属性魔法についての本だ。一応適正はあるので、どんな感じの魔法があったりするのか知識として知りたかった。闇魔法は名前のイメージと違い、どちらかというと重力や次元関連の効果を持った魔法がメインだった。もうちょっとおどろおどろしいのを想像してた。でも、よくよく考えるとディメルディアと戦っていた時も、そのような方向での魔法が多かった気もする。使用者も少ないという話なので覚えることができればかなり有用なのではないかと思う。練習は後日ということで、今回は読書に集中する。


 翌日、リズの用意してくれた衣服に着替えると、二人で屋敷を出る。馬車などを使っていくと目立つのだが、子供の足では時間が掛かり過ぎるので、近くまでは馬車を使っていくことになった。本日の行き先は商業区である。

 商業区の入り口で馬車を降りると、そのまま通りに向かう。昼過ぎではあるが、人はまだ多い。とりあえず、我が家御用達のラリック商店の店舗へ向かう。食料品がメインの商店だ。


「いらっしゃいませ。おやおや可愛らしいお客さんだこと」


 出迎えた店員はやや胸の大きいポニーテールの10代半ばくらいの少女だった。元気が良さそうな印象を受ける。


「ちょっといろいろみていいですか?」


「どうぞ。なにか質問があったらお姉さんに聞いてね」


 俺は「お構いなく」っと言いながら、店の奥に入っていく。まず穀物関連のコーナー行く。幾つかの種類の大麦と小麦の中に2種類、麦とは違う種類の物を発見する。蕎麦とどうみても米だ。米なんて普通にあったのかよって普通に思ってしまった。なんか悔しすぎる。


「おねーさん、これは?」


 俺はとりあえず米を指さして質問する。いや、米だってのはわかってるんだけどね。


「お米って言ってね、南の大陸の一部で食べられてるんだって。会長が面白がって入荷したんだけど、使い方がわからないって買い手がいないのよね」


「なるほど。こっちのは蕎麦ですよね?」


「そうだよ。あんまりこっちでは馴染みがないんだけど、たまに出るね」


「それじゃ、こっちの米を10袋と蕎麦を2袋もらえます?」


「え?そんなに?どこに配達すればいいのかな?」


「次元倉庫があるんでそのまま持っていきます。支払いは彼女に言ってください」


 リズが料金を支払い、俺は品物を自分の次元倉庫にしまう。ちなみに家の方には俺が次元倉庫を仕えることを話してある。母親とミレーネが教えてほしいと言ったので、こっそりと教えたが、二人共まだ習得はしていないようである。一応、これレアスキルらしいからそう簡単にに覚えられないらしい。


「あ、この米を精米したときに出る粉がほしいんですけどあります?」


「あー精米した後で入荷してるんでそーいうのはないかな、ごめんね」


 ぬか漬けはまだお預けらしい。流行るようになってからこちらで栽培してからって感じになるかもしれない。そう考えると長い。ともあれ米は確保できた。ついでに蕎麦も。次に向かうのは香辛料のコーナーだ。

 香辛料の目当ては、クミン、コリアンダー、クローブ、シナモン、カルダモン、ナツメグ、キャラウェイ、フェンネル、フェヌグリーク、ターメリックあたり。ペッパー系やにんにくと生姜はあるのを確認している。米が見つかったんならカレーだろ?長いこと食べてないのですごく食べたいのだ。もっともスパイスの調合などやったことないから試行錯誤の時間が待っている。きっと丸薬や毒薬を作った調薬技術が助けてくれる……といいな。

 スパイスのコーナーをアレでもないこれでもないと物色している。リズはそんな俺も面白そうに見ている。新しい料理といった話ではリズもあんまり意見を言えないっぽい。 そんなこんなで必要そうなスパイスを購入し、続いては海産物のコーナーへ。

 基本は港に上がった魚がメインのコーナーで、取扱を初めて鰹節が既に粉になっているものや俗にいう花かつおになっているものも売られていた。


「おねーさん、海藻とかってないの?」


「海藻ってなに?」


「ほら、海の中にある植物だよ」


「あれって食べれるの?初耳だよ」


 あー海藻を食べる文化はないか。そう考えると寒天もないのか。ちょっと残念。海藻類は漁村なんかで探すしかないかもなぁ。その他に目立った海産物は特にないかな。うーん残念。

 ついで豆のコーナーでいろいろな種類の豆を発見するが、狙っていた小豆には遭遇できず。他の豆もうちの食卓に並んでいるのをみたことがあるものばかりだったので、スルー。こう考えると、案外買うものはすくないのかなぁと思ってしまう。果物や野菜、調味料のコーナーでも特にコレといったものはなかった。個人的には梅の実があると嬉しかっただが、よくよく考えると青梅には毒があるから(特殊なケースでないと出ないらしいけど)そんなもん食用として売られてるわけないか。


「ありがとうございましたー」


 おねーさんに見送られ商店を出る。米と蕎麦、それからいろいろな種類の香辛料ってだけでも収穫はあった。今度屋敷にラリックさんが来た時にこちらのほしいものの特徴を伝えて探してもらおう。まだ少し時間があるな、さて館に戻る前にどうしよう?


お読みいただきありがとうございます。


とーぶんは料理パートになりそうです。

忍者らしいことまったくしてなくてすみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ